| Webテクノロジー | 2003年12月17日 00:00 |
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P2P の誤解:匿名性と違法行為 著者: アリエル・ネットワーク ▼2003年12月17日 00:00 付の記事 □国内internet.com発の記事 前回のコラムで、 著作権とコピー技術の戦いは今に始まったことではない、 という話をしました。 ただ、 前回のコラムにも書いたように、 今回の P2P 技術を使った音楽ファイル共有ソフトと音楽業界の法律闘争は、 これまで以上に激しいものになっています。 これはまず、デジタル媒体にコピーでき、 無料に近いコストで配信できるという面が大きく影響しています。 ■ゼロに近い配布コスト 前回書いたような音楽のコピーを物理的に行おうとすると、 最終的に相手に渡す際にどうしても何らかのコストが発生します。 媒体を購入するコスト、 コピーや配布する時間、郵送にかかる費用。 仮に現在の音楽ファイル共有ソフトと同様に、 知り合いに無料で音楽を配布しようとすると、 多かれ少なかれ何かしらのコストを負担することになります。 これがインターネットの世界では限りなくゼロに近くなります。 送付先が数人であろうと数千人であろうと、 送付する音楽が何曲であろうと、基本的にはコストは変わりません (もちろんネットワークにかかる負荷は変わりますが)。 その結果、 現在の音楽ファイル共有ソフトでは、 営利目的でなくても違法行為を気軽に犯してしまう状況を作り出しているのです。 ただし、状況を悪化させているのはネットワークの「匿名性」です。 ■ばれなければ悪いことをしても良い? 「匿名性」により人間が大胆になることは、 昔から数々の分野で実証されています。 現在その最も代表的な例といえるのが、 2ch のような Web 掲示板でしょう。 自分が誰なのか相手にばれないと思えば、 発言も中傷も過激になりがちです。 匿名の郵便や電話による脅迫行為や、違法な詐欺行為に見られるように、 この特徴は違法行為で端的に現れます。 さらに、 物理的に接触することのないネットワークを通じた配布が、 いっそう匿名性の確保に安心感を与えます。 物理的に音楽をコピーして配布そうとすると、 最終的に相手に渡す際にどうしてもお互いを知る行為が発生します。 これが、 ソフトウェアが自動的に必要なファイルを見つけてくる音楽ファイル共有ソフトになると、全く相手と知り合う必要はありません。 お互いに相手を知ることなく音楽ファイルを交換し合っているわけですから、 音楽ファイルを渡した相手に告げ口される恐れもありません。 ■そもそも何が違法なのか? 音楽のコピーのような違法行為の区分があいまいな分野においては、 この影響はさらに大きくなります。 そもそも、これまで CD を MD にコピーして渡していたのに、 それを MP3 で渡して何が悪いんだ? というのが一般の人の反応です。 そういう意味では、 現在の音楽業界の過度な音楽共有ソフトウェアやその利用者への訴訟攻勢は、 「音楽をコピーするのは違法行為である」という認識を社会に再度植え付けるための PR に近いわけです。 皆さんもお気づきのように、 ここ数か月の間に音楽業界がしきりとアピールしてきたことは、 「音楽ファイル共有ソフトの利用者は特定できる」という点です。 これで、 音楽ファイル共有ソフトの利用における匿名性を取り外すことができれば、 自然と違法ファイル共有をする人間も減るだろうという読みになるわけです。 実際にこの論争がどのような結末を迎えるのかはまだ分かりません しかし少なくとも、 P2P 技術や音楽ファイル共有ソフト自体が違法なのではないことは明らかです。 違法行為の定義やコピーに対する著作権維持の技術が確立されることで、 音楽ファイルのデジタル媒体での交換というビジネスが一気に加速する、 と考えられているのです。 (執筆:徳力 基彦)
記事提供:
アリエル・ネットワーク株式会社
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