最新版は、ベースカーネルを『2.6.3』と『2.4.24』に更新したもの。SELinux はセキュリティ強化につながる数々の修正を施しており、今後 Linux にとって、業務および公的機関用途分野で市場を広げる大きな突破口になることは間違いない。NSA がカーネルを変更し、これを公開したことで、Linux 製品ベンダー各社が、新たな強化セキュリティ機能を取り入れていくからだ。
NSA は『GNU GPL』(オープンソース OS、Linux のソフトウェアおよびソースコードについて、自由にコピー/配布/改変できることを規定した利用許諾契約) に従って、SELinux を公開した。SELinux は基本的に、セキュリティ機能を強化する数多くのユーティリティプログラムを付加した Linux カーネルだが、重要な点は必須アクセス制御、すなわち ID やパスワードといった任意性の要素以外に、非任意性の要素を用いるアクセス制御を採り入れている点にある。
Debian や Gentoo、それに Red Hat が支援するコミュニティベースの先行技術導入プロジェクト Fedora Project の最新テスト版『Fedora Core 2』、そのいずれも SELinux を採用している。Red Hat は SELinux を、企業向け Linux OS 製品『Red Hat Enterprise Linux』の次期版に組み込むことも計画しているという。
Red Hat の広報担当 Leigh Day 氏は取材に応え、SELinux のアップデートについて、「世界中の企業が重要事項と認識しているセキュリティ面の、大きな前進だ。顧客企業とソリューションについて必須要件の話になると、真っ先に挙がることの1つが、セキュリティだ。当社は喜んで NSA と協力し、SELinux を顧客に提供していく。当社の次期企業向け Linux OS では完全に採り入れる」と述べた。