Webテクノロジー 2004年4月28日 00:00

P2P の誤解:IPv6 が P2P にもたらす世界(3)

著者: アリエル・ネットワーク
2004年4月28日 00:00 付の記事
□国内internet.com発の記事

前回コラムからの続き)

■ダイレクトに相手を発見できる IPv6 の世界

IPv6 においては、各端末に固定のアドレスを振ることが可能になります。 (もちろん、実際にそういう使い方になるかどうかは分かりませんが)

そうなると、 インターネットの世界は、 前回のコラムで書いた、 郵便箱を経由する郵便のような世界から、 直接相手の机に届けることができる P2P 型のサービスが、 手軽に実現できるようになります。

例えば、PC から PC に IP 電話をかける際に、 センターのサーバーを経由する必要がなくなり、 直接電話をかけることが手軽にできるようになります。

また、大きなサイズのファイルを相手の PC に渡したい時に、 これまでのように、 どこかのサーバーにアップロードしてから共有したり、 相手のメールサーバーにメールで送る必要はなくなり、 直接相手の PC に送ることができるようになります。

実際、 IPv6 を前提としたこれらのサービスは、 すでに各社から提示されています。

例えば、 タカラは「IP 糸テレフォン」なる IPv6 対応の IP 電話を、 IPv6 の普及状況を見ながら年内の発売を目指すと言っていますし、 NTT 地域会社の IPv6 サービスである「フレッツ.NET」では、 サービスの利用者同士で手軽に、 P2P 型のファイルの交換や共有を行うことができます。

■IPv6 と P2P の可能性

もちろん、 これまでの IPv4 では、 これらのサービスが実現不可能だったのかというと、 そんなことはありません。

相手のアドレスを検索するための仕組みや、 中継の仕組みを組み合わせることによって、 同様のサービスが実現されています。

インスタント メッセージソフトは、 相手の PC と直接 P2P 型のコミュニケーションを行う仕組みの代表的なものですが、 MSN メッセンジャーのようなインターネット経由で誰とでもやりとりできるものは、 基本的に Microsoft のような事業者が運営するサーバーを経由して、 相手を見つけています。 (IP メッセンジャーのような中継サーバーのないものでは、 LAN 内の利用者はブロードキャストによって発見できますが、 LAN 外の相手とは IP アドレスを直接入力しないかぎり、 やりとりできません)

IPv6 では、 このような仕組みが不要になるか簡素化することができるため、 コスト的にもパフォーマンス的にも、 これまでの IPv4 の世界では難しかったことが実現できると考えられています。

さらに IPv6 の世界になると、 PC だけでなく家電や自動車などさまざまな端末がネットワークに接続されます。

端末の数が飛躍的に増えると、 サーバーを使った中央集中型の仕組みだけでは、 サーバーに負荷がかかったり、 検索の効率性が落ちるなど、さまざまな課題が出てきますが、 P2P 型の仕組みを活用することで、 これらの課題を克服した新しいサービスが生み出される、 と考えられているのです。

逆に言うと、 IPv6 になってやっとインターネットは、 インターネット本来の可能性を100%引き出すことができるようになる、 と思います。

もちろん、 本当にそうやって後から評価してもらえるかどうかは、 これからの新しいアプリケーション次第ですが。

(執筆:徳力 基彦)

記事提供: アリエル・ネットワーク株式会社




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