japan.internet.comThe Internet & IT Network
Twitter
RSS
  • ニュース
  • コラム
  • リサーチ
  • ヘッドライン
  • 特集
  • ブログ
  • プレスリリース
  • 専門チャンネル
  • イベント
  • ランキング
  • ニュースメール
2009年11月22日
文字サイズ文字サイズ小文字サイズ中文字サイズ大
事業仕分けによる次世代スーパーコンピューターの開発予算削減について、どうお考えですか?
賛成
反対
どちらとも言えない
投票締切 11/30 12:00
Webテクノロジー2004年6月3日 00:00

SCO の知的所有権問題を整理する

国内国内internet.com発の記事
  • Post to Twitter
  • Post to Facebook
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • この記事をクリップ!
  • Buzzurlにブックマーク
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • newsing it!
  • この記事をokyuuへインポート
2003年3月米国 SCO Group は 同社の保有する UNIX ライセンスに重大な違反を犯しているとして IBM を提訴しました。その後、2003年5月には Linux カーネルのソースコードに SCO Group の保有する UNIX の知的財産権を侵害したソフトウエアが含まれているとし、Linux 利用者に対しても警告を発しました。

今回は、SCO Group が起こしている一連の知的所有権問題について、UNIX の歴史を簡単に振り返りながらその根本的な問題を整理していきたいと思います。

■ UNIX の系譜

UNIX のルーツは1964年から始まった大型コンピュータ用OS「Multics」の開発プロジェクトがその起源といわれており、最初の UNIX は1969年に AT&T ベル研究所の Dennis Ritchie と Ken Thompson が開発しました。

UNIX 系譜は、米国 AT&T ベル研究所から端を発した AT&T 系(System V系)と米カリフォルニア大学バークレー校の BSD(Berkeley Software Distribution)系の2種類に大別されます。

AT&T 系 UNIX は V1 から V7 へとバージョンアップを繰り返し、1980年ごろに商用 UNIX である「System III」となります。さらには今回渦中の UNIX ライセンスである「System V」へと進化しました。この System V は最終的に Release 5までが開発され、その中でも1989年にリリースした System V Release 4は「SVR4」と称され、サンマイクロシステムズの「Solaris」や Hewlett-Packard(2002年に Compaq Computer を買収)の「HP-UX 10.x」などのベースとして広く普及しています。

一方の BSD は、1975年発表の AT&T 系 UNIX V6を基に派生した UNIX です。1984年に登場した 4.2BSD は当時バークレー大学院生であった Bill Joy が TCP/IP スタックを BSD に組み込んだリリースとして、大きなエポックメーキングとなりました。

その後 4.3BSD、4.3BSD-Tahoe、4.3BSD-Reno、4.4BSDへと続きます。特に 4.3BSD-Reno から分岐した 4.3BSD Net2 はその後 BSD/OSとなります。加えてこの 4.3BSD Net2 は FreeBSD や NetBSD の基となる 386BSD 0.1 を派生させています。

UNIX の系譜を整理すると以下のようになります。

System V系
 ・AIX
 ・HP-UX(BSD 系と混在の時期あり)
 ・UnixWare
 ・Solaris

 BSD系
 ・Sun OS(4.xまで)
 ・BSD/OS
 ・FreeBSD
 ・OpenBSD
 ・NetBSD

■ UNIX System V の知的財産権

さて、今回問題となっている UNIX System V のライセンスですが、SCO Group の保有するライセンスとなるまでに非常に複雑なライセンスの譲渡が行われてきました。

AT&Tは1989年 UNIX System Laboratories(USL)を設立し UNIX System V のライセンスを USL に移行し UNIX の商用化を推し進めます。1993年 USL は System V のライセンスを Novell に売却しました。さらに1995年 Novell も The Santa Cruz Operation(旧SCO)にライセンスを売却し System V のライセンス保有者は転々とします。

そして2002年 Linux のディストリビュータであった Caldera International が The Santa Cruz Operation のサーバーソフトウェア事業部とプロフェッショナルサービス事業部、および“UnixWare”テクノロジと“OpenServer”テクノロジの買収し、ライセンスが Caldera International へと移転します。さらに、同年に Caldera International は SCO Group に社名を変更され現在に至ります。

このような過程によって現在 UNIX System V のライセンス保有者は SCO Group となっているのです。

■ Linux がSCOの著作権侵害

Linux は UNIX 系譜から一線を画しておりリーナス トーバルズが1991年にリリースした UNIX 風の OS でありリーナス トーバルズがコードを書き下ろした為に UNIX System V をベースとしておらず、UNIX 系譜から派生していない OS です。

ところが、SCO Group は Linux カーネルのソースコードを調査した結果 UNIX System V から派生したコードが見つかったことで SCO に対する著作権侵害であると述べています。

2003年5月に SCO Group の見解について、米国 Zdnet に掲載された Declan McCullagh 氏の「SCO Group’s case against Linux」を引用すると以下の通りとなります。

・SCO はその中身を公表していないが、「SCO OpenServer Shared Libraries」の一部が Linux に組みこまれていると主張している。SCO は、「顧客が無断で SCO OpenServer Shared Libraries のソースコードにアクセスするか、あるいはそのソースを使用しないで SCO OpenServer Shared Libraries を再開発できる確率はゼロに等しい」としている。

・SCOは、IBM の Linux 開発が「SCO の企業資産を不正利用」していると主張している。SCO によると、この企業資産は IBM が SCO から UNIX のライセンスの供与を受けたものであり、AT&T の UNIX システム研究所で開発された、オリジナルの UNIX コードの知的所有権を保持しているのは SCO だという。SCO は、2社が「Project Monterey」と呼ばれるプロジェクトで共同作業に取り組んでいたとき、追加的な極秘コラボレーションが進んでいたとしている。(後略)

・SCO は、Linux 開発に10億ドルを投資するという IBM の決断は、Linux を趣味の分野からビジネスプラットフォームへと転向させた、重要な要因の一つとなったと述べている。SCO によると、Linux が「ビジネス向けプラットフォームに匹敵する性能を実現するためには、UNIX コードや手法、コンセプトの不正利用が不可欠」だったという。SCO は、その他にも不公正な競争や契約不履行、契約の不法妨害に関する申し立てを行っている。

■ 今後の進展

様々な UNIX ベンダーをや Linux ディストリビュータを巻き込み、毎週のように SCO Group の知的所有権問題のニュースは流れています。この問題が今後どのような方向に進むかは予測できない状況ですが、SCO Group の Linux ライセンス問題は UNIX System V のライセンスが根底にあることを留意し注目していきたいと思います。

参考文献
・オープンソースソフトウェア(O’REILLY)
・「Linux知的財産権問題」の真相に迫る(COMPUTER WORLD 2004 2, IDG Japan)

(執筆:後藤 康成)




  • プリンター用
  • 記事を転送
  • Post to Twitter
  • Post to Facebook
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • この記事をクリップ!
  • BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • newsing it!
  • この記事をokyuuへインポート
最新トップニュース
Graphic Design Forum
【Graphic Design Forum】
流動的媒体と静的媒体に関する見解(11月18日)
「IT の耳」
「IT の耳」
【書評】『Hyper-V スタートアップバイブル』――仮想化についてのすぐれた解説書(11月20日)
百式のネットビジネス研究
百式のネットビジネス研究
世界でもっともパワフルな iPod のスピーカー「Wall of Sound」(11月20日)
週刊-サイト別アクセス状況データ
週刊-サイト別アクセス状況データ
ビデオリサーチインタラクティブ調査(月間インターネットオーディエンスデータ)(11月19日)
海外ソーシャルウェブに学ぶ成功の秘訣
海外ソーシャルウェブに学ぶ成功の秘訣
ゲーム業界を襲う世界的な激震。ソーシャルゲーム急成長のインパクト(11月19日)
今さら聞けない初歩からのアクセス解析
今さら聞けない初歩からのアクセス解析
サイトリニューアル前のアクセス解析活用法(11月19日)
成約率、反応率を上げる Web 文章術
成約率、反応率を上げる Web 文章術
文章力を磨き、キャッシュを生み出す Web サイト に(11月19日)
「Webからの脅威」―その傾向と最新対策
「Webからの脅威」―その傾向と最新対策
新たな対策技術:スパムフィルタリングと E-mail レピュテーション(11月18日)
ROI向上のための戦略的WebPR
ROI向上のための戦略的WebPR
「戦略的 WebPR」のしかけ方〜WebPR の効果測定手法とは〜(11月18日)
スマートにソーシャルウェブを構築しよう
スマートにソーシャルウェブを構築しよう
社員力を生かすソーシャルメディアポリシー(11月17日)
DevX
DevX
Erlangを使った並列処理プログラムの作成(11月17日)
Copyright 2009 Japan Internet.com K.K. All Rights Reserved.http://www.internet.com/