オープンソースソフトウェアがもたらす興味深い変化と可能性(1)ユーザーとベンダーが共有するメリットとリスク
多くの人が気付いている変化がある。 それは、オープンソースソフトウェア(OSS)がなかなかいい雰囲気であること。 この「いい雰囲気」というのは、「コミュニティ言葉」かもしれない。 私の記憶では、今から5年前には、 「Linux」や「オープンソース」という言葉だけは先行していたものの、 中身についての認識はまったく低かった。 当時、私も、2年間ほど、 Linux でのシステム提案(ストリーミングとレンダリング)をいくつか書いた。 しかし、時期尚早というか、意味不明というか……、 結局、Linux での提案に何の意味があるのかさえ理解されないままに、 顧客は他社(既存 Unix)のシステムを購入した。 世の中は変わったものだ。 今では、「Linux でシステムを構築してみるか」と、いたるところで耳にする。 多くの諸兄・諸先輩方が地道な努力をしてきたおかげで、 世の中は少しずつ変化を遂げたのだ。 Linux は、導入時のコストメリットが大きいことは明らかであり、 ビジネス用途の OS として、 選択肢に加えるに足ると認知されるようになった。 しかし、多くの人が、まだ明確には気付いていない変化がある。 それは、「オープン」という考え方が、 ベンダーとユーザーに与えるインパクトである。 「オープン」は、「情報の公開」と言い換えてもいいかもしれない。 コンピュータシステムというものは、その有史以来、 「金食い虫」としてユーザーを悩ませ続けてきたが、 多くのユーザーにとっては、 ブラックボックス化された高価な買い物だった。 ユーザー側にない専門的な技術や知識を提供できることがベンダーの存在価値ではあるものの、 これまでは、あまりにも、ユーザー側は、 ベンダーに丸抱えでおまかせしすぎていたのではないかと思う。 Linux のカーネルはバージョン2.6まで成長してきたが、 ソフトウェアは常に進歩していくもので、 その時点でベストなものはあっても、 100%完璧なものはあり得ない。メリットもあれば、リスクもある。 インターネット上で公開された Linux のソースコードは、 いつでも、誰でも、どこでも、見ることができ、 公開された十分な情報を基に、 誰でもが自己責任において利用できる。 オープンソースは、情報公開の原則の上に成り立っている。 Linux が、まだこれほど注目されていなかった1990年代後半から、 Linux をビジネスシステムに使い始めた先進的なユーザーは、 その時点での Linux のメリットとデメリットを、 公開された情報の中から精査して導入を決定されたに違いない。 あるいは、Linux でシステムを構築することを提案したベンダーが、 その手助けをしたかもしれない。 プロプライエタリなソフトウェアの場合は、 クローズされた情報の中に、 各社の企業秘密が隠されていることがあるわけで、 これらの情報をすべて公開することはできないのは当然だが、 技術的な情報も含めて、 何がメリットで何がリスクかを、 判断するだけの情報がユーザー側に十分に提供されることはなかったのではないか。 Linux がビジネス市場に入り込んで来たことで、 情報公開というオープンソースの原則が、 今後のコンピュータシステムのあり方にパラダイムシフトをもたらしている。 システムを使うのはユーザーであり、 ユーザーが知るべきさまざまな情報は、 ユーザーに対して閉ざされていてはいけない。 また、プロジェクトという名の下に一括発注したプロジェクトに少なからずの費用を投資しているにもかかわらず、 「大金を払っているのだからすべてベンダーの責任です」は、 もはや通用しない時期に来ていると考える。 記事提供: OSDL ジャパン 最新トップニュース
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