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テクノロジー2004年10月7日 00:00
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P2P ソリューション:合法的な音楽放送ビジネスを模索する Mercora(1)

この記事のURLhttp://japan.internet.com/webtech/20041007/6.html
著者:アリエル・ネットワーク
国内internet.com発の記事
前回までに紹介した P2P 型のコンテンツ配信手段や著作権保護の仕組みは、 これまでの常識である「コンテンツを相手に渡す」という前提で考えられています。

そのため、これまで紹介した手段は、 「無料で配付してもよいコンテンツ」を効率よく配付するというものと、 「無料で配付してはいけないコンテンツ」の再配布を制限するという仕組みの、 どちらかの考え方でした。

そこで逆に「コンテンツを相手に渡さない」仕組みにしてしまうことで、 合法的な音楽配信ネットワークを構築した企業がでてきました。

今回紹介する Mercora(マーコラ)は、 「無料で配付してはいけないコンテンツ」を、 P2P 技術を上手く活用することにより、 合法的にメンバーに放送する仕組みを構築したサービスなのです (なお、Mercora は米国のサービスのため、 日本でのサービス利用についてはグレーな部分もあります)。

■Mercora の概要

Mercora は McAfee の元経営者である Srivats Sampath が2003年11月に開始した会社 で、 デジタル音楽配信にコミュニティの要素を加えたサービスを開始すると発表したことで注目されました。

現在の iTunes を代表とする音楽配信サイトは、 基本的には音楽を一覧表示し、 そこから利用者が欲しい音楽を選択して購入する、 というモデルになっていますが、 Mercora はこれに音楽の好みごとのグループというコミュニティの要素を加えました。

音楽は個人の趣味趣向に依存するものなので、 趣味趣向の似たグループを形成すれば、 メンバー同士がお互いに自分の好みの曲を推奨するようになる、 というコンセプトです。

現在、このコミュニティ形成の基盤となっているのが、 P2P 技術を活用して構築した「自分の保有している音楽を他のメンバーに放送する」機能です。 既存の P2P 型のファイル交換ソフトと何も変わらないように見えますが、 重要なのは「放送する」という点です。

具体的な違いを見てみましょう。

■Mercora の特徴

他の P2P 型ファイル交換ソフトと Mercora の最大の違いは、 「ファイルを渡さない」点にあります。

Mercora をインストールすると、 ソフトウェアが PC 内の音楽ファイルを検索し、 その PC の音楽集を作ります。

そしてこの音楽集をインターネット上で配付するのではなく、 「放送」するのです。 他のメンバーはその音楽を聞くことはできますが、 音楽自体を入手することはできません。

つまり、ファイル交換ソフトではなく音楽放送ソフト、 と表現したほうがしっくりくる仕組みになっており、 この技術的な特徴が大きな違いを生み出します。

1.合法に音楽配信を実現している

一般的にコンテンツ配付の仕組みにおいては、 コンテンツの対価を支払うのは利用者です。 その利用者が対価を支払わずに音楽ファイルを交換・再配布してしまうという点が、 ファイル交換ソフトにおける大きな問題でした。

Mercora は、 Degital Millennium Copyright Act(DMCA)という、 米国のデジタル著作権法における非インタラクティブ放送に基づいたライセンスを取得しています。

つまり、 Mercora が音楽配信における著作権料の支払を行っているため、 利用者は合法的に無料で Mercora の音楽配信を利用できるようになっているのです。

2.利用者は好きな曲を探して聞くことができる

そもそも、利用者が自分の曲を相手に渡さず聞かせるだけ、 という行為自体は、 一般的に合法だと認識されています。 例えば自分の iPod の曲をイヤフォンジャックを差し替えて相手に聞かせるのは止めようがない行為ですし、 以前紹介した Microsoft の ThreeDegrees のように、 オンラインで相手に自分の持っている音楽を聞かせる仕組みも、 すでに開始されています。

ただ、 その場合の課題は、 数名のメンバーからしか聞くことができないので、 結局曲の選択肢が狭まってしまうことでした。

これが Mercora のサービスにおいては、 Mercora P2P Radio を使っているメンバーの全員が放送者になっていますので、 利用者は数多くの選択肢の中から好きな曲を探して聞くことができます。

利用者が増えれば増えるほど、 曲の選択肢が増えるという仕組みになっているのです。 (次回のコラムに続く)

(執筆:徳力 基彦)



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