![]() ![]() ![]() ![]() 実体を持つ次世代インターフェイス、「Tangible User Interface」この記事のURLhttp://japan.internet.com/webtech/20041227/5.html
著者:japan.internet.com 編集部
国内internet.com発の記事
ユーザーインターフェイスとは、PC などの機器に対する入力方法やユーザーへの表示方法である。インターフェイスの違いによって機器の操作性は大きく変わる。いわば、機器とユーザーの意思を繋ぐ役割を果たしている。
PC におけるインターフェイスの歴史は、まず Character User Interface(CUI)から始まる。CUI は PC の操作をすべてキーボードによるコマンド入力で行うもの。現在一般的になっている「アイコン」による操作はできないため、自分の行っている操作が認識しづらいという欠点がある。 次に登場したのが、現在主流となっている Graphical User Interface(GUI)である。見た目にわかりやすいアイコンや、マウスによるクリック、ドラッグ&ドロップなどで視覚的な操作が可能となった。 そして次世代のユーザーインターフェイスと目されているのが「Tangible User Interface」である。TUI とは実体を持つデバイスに物理的に触れることにより、操作を直感的に知覚できるインターフェイス。TUI は、CUI と GUI によってモニターの中に追いやられてしまった操作感を、もう一度人間の手に還元しようとしている。その原点はそろばんであり、自動車のステアリングなども TUI の一例だ。自動車の場合、ステアリングのきり具合が車の曲がり方にダイレクトに反映し、それが直感的な操作性を実現している。これをいかに IT 分野に応用するか、研究が進められている。 TUI の研究は1990年代半ばより、マサチューセッツ工科大学(MIT)の石井裕教授を中心に進められてきた。NTT コムウェアでは、2002年4月より MIT メディアラボ主催のデジタルライフ・コンソーシアムに参画するとともに、石井教授の率いる「タンジブル・メディア・グループ」のプロジェクトに参加し共同研究を推進している。 NTT コムウェアが発表しているプロジェクトは「Tangible IP Network Designer」という名称で、TUI を「コンサルティング」「設計」「運用監視」という IP ネットワークのビジネスサイクルに活用することが目的。また、このプロジェクトは多様なユーザーインターフェイスを組み合わせ、用途に応じた適切なユーザーインターフェイスを選択する「Integrated UI」という概念に基づいている。 例えばコンサルティングフェーズでは、TUI プラットフォームの一つである「センステーブル」を利用。ネットワーク構成の編集には「パック」と呼ばれる駒を用いる。これらの TUI を組み合わせて利用することで、トラフィック状況や帯域使用率、クライアントから見た品質状況等が表示され、複数人でのリアルタイムなコラボレーション作業が可能となり、より効果的なコンサルティングを進めることができる。 同社は「TUIを実社会に適応させることを可能にするために研究に貢献している。TUI を企業ビジネスに効果的に活用する上で、NTT コムウェアの出した結果が Tangible IP Network Designer である」と述べている。
NTT コムウェアが採用するセンステーブルやパックは、一般的に比較的汎用的な部類の TUI である。TUI のプラットフォームが実体に近づくにつれて、活用範囲は限定的になる傾向にある。例えば、限定的な用途を想定した TUI 実装例として、石井教授による「MusicBottle」「SandScape」などがある。 MusicBottle は、瓶のふたを開けると情報が手に入るというもの。瓶のふたを開けるという行動が入力デバイスとなり、そこから出てくる情報によって出力される。実生活に近い形のプラットフォームである。 SandScape は、砂の形状を変化させることが地形パターンの変化に直結するというもの。砂という TUI を操作することで、地形変化による日照や水の流れを表現することが可能だ。 汎用的なものから限定的なものまで、TUI 実装のアイデアは尽きない。物理的なデバイスに直接触れることで、自分の操作結果をより体感する。そのようなインターフェイスがキーボード、マウス、ディスプレイなど既存の入出力デバイスの限界を超える日は、そう遠くない。 |