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2005年4月6日 09:00

オープンソースの総論

「オープンソース」とは、 ソースコードを公開するというだけでなく、 その考え方やプロセスが重要な意味を持っている。 取り扱う情報は、 個人情報保護の観点から厳重に管理されるべきであるが、 利便性とのトレードオフから、 コンピュータが情報を読込み、書出すことが頻繁に行われている。

処理内容、 つまりプログラムのソースコード(たとえば、暗号化など)が公開されて、 透明性であるということは、 情報の悪用に対しての説明責任を果たし、 また多くの検閲・査閲をうけることで悪意のある処理への監査・監視機能が働く。 さらに、 システム仕様を公開することで、 適正な競争を生む市場を再構築することができる。

良い点ばかりではないことも承知しなければならない。

たとえば、ソースコードを誰がメンテナンスするかという問題がある。

セキュリティーホールやバグフィックス、機能向上などで膨大な作業が伴う。 しかしこれには、コミュニティという存在が重要な役割を果たす。 Linux では、 Linus や Andrew と多くの仲間がこの役割を果たしている。 もちろん、だれでも参加(貢献)できる体制であるが、 実質上はコアメンバーにたいへんな重責を課している。

したがって、Linux 利用者がコミュニティを支えるのは当然・必然であり、 タダ乗りをしていて、 「ここにリスクがある」などと発言する人は Linux を使う資格がないと考えてよい。

では、アプリケーションはどうか。

これは、当然、資本主義原理に基づく自由競争の場であり、 エンドユーザーがより良いものを選べる環境がないといけない。 競争のない世界に機能の向上はないと言っても過言ではない。 できるだけ基盤層(OS やドライバなどミドルウェア)は共通化・公開化することで、システム構築上の留意点を上位層に向け、 エンドユーザーや利用者の観点から、 最適なアプリケーションが適正な競合のもとに市場に展開される。 これもオープンソースの効能である。

クローズドソースとは競合するべきか、連携するべきか。

もちろん、連携である。 すべてをオープンソースにする必然性はなく、 評価を十分して「適材適所」を検討しなければならない。 一部の公的機関がオープンソースを採用する方針として、 できるだけオープンなものを提案してほしいという声は正直な発言だ。 特に公的機関(自治体など)は納税者への説明責任を持つ限り、 比較や評価、責任の所在に慎重であるべきである。

これからは、一部のベンダーや ISV へシステムを発注する場合には、 その選定事由が注目される。

でも、現在の市場では、使いやすさや外部とのデータ交換、 データ保管・保全などクローズドソースの製品が優位なものはたくさんある。 現に、電子申請の提出書類文書のフォーマットをオープンな仕様にすることは、 機能的には可能だろうが、現実問題はどうであろうか。 利用者の側面から利便性・互換性のあるもの・利益を生み出すものという原則がある限り、現実解・最適解を選ぶべきだろう。

オープンソースを基にインターネットを介して様々な新しい技術に触れることが可能になった今、 これらをもって社会に貢献するといったら大袈裟かもしれない。

システムインテグレータが取捨選択し、 うまく組み合わせ、 そして柔軟なシステムをリーズナブルな価格で、 いち早くエンドユーザーに提供できる仕掛けを作ることが急務である。 一部の利益を優先するのではなく、 社会の利益や将来の子供のことを考える立場を確立すべきだ。 オープンソースは、まさに利用術である。 いろいろな分野に可能性を秘めているぶん、魅力は多い。


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