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オープンソースコミュニティの役割オープンソースソフトウェアを開発する上で重要な役割を果たしているのが、
コミュニティである。
このコミュニティの形成の起点となるのがバザールモデルである。
最近、世間でも流行っているバザーやフリーマーケットを思い浮かべるとよい。 オープンソースソフトウェアを開発し、 利用していくという好循環を生み出すためには、 バザールモデルとそれを支援するコミュニティが必要不可欠なものである。 自慢のアイデアや技術、さらにはソフトウェアそのものを持ち寄って、 意見の交換から技術そのものの交流をしたりする場をバザールと言い、 この循環に多くの賛同者が集まり、 活動を進めていくことをバザールモデルと呼んでいる。 このバザールに集まる多くの賛同者がコミュニティと呼ばれ、 技術的な興味とともに、信頼関係を構築して、 それなりの秩序を持って成立している。 さらに、コミュニティには、 開発を主体とする開発コミュニティと技術やソフトウェアを利用するユーザコミュニティがある。 多くの場合この二者は個別に存在することもあるが、 コミュニティとひとつに総称されている場合が多い。 また、コミュニティはオープンソースソフトウェア個々に存在する。 たとえば Linux のコミュニティ、 Samba のコミュニティ、PostgreSQL のコミュニティと言った具合である。 ソフトウェアの開発者と利用者がコミュニティに共存するということは、 新しい技術の創造と評価が実践される仕組みを内在しているのである。 コミュニティの発生は「技術的な興味」に根ざしているため、 メンバーの多くは技術者あるいは技術的な思考が好きな人が多い。 面白いのは、大学の先生、企業の研究員、個人事業主、 大学・高校生など幅広い人材が集まっていることである。 人数が多くなると、それを支援するための機構が必要となり、 理事会やマーケティング(主にインターネット上のホームページ)など、 組織体制が形成されているところもある。 参加メンバーのモチベーションは、 支援するソフトウェアの開発支援・普及促進である。 個人的・打算的な目論見はないと言っていい。 だから、継続的な参加を可能としていると思われる。 反面、運営のための経済的体制は脆弱である。 要するに金を集める仕組みを持ち合わせていないからだ。 メンバー個人の意思であるから強制力はなく、メンバー同士の差別もないため、 意思決定に時間を要する場合がある。 とりわけ、技術的論争には時間をかけ、 より良いものに練り上げるということと、 リーダーやコーディネータの資質が優れていることが要求される。 リーダーには、一種のカリスマが必要であろう。 タフな長い議論への参加は、人間本来の成長を促すと言っても過言ではない。 こういったコミュニティは、 日本で成功している歴史上の例はなかなか少ないと思う。 官僚的な体質と、 職業・学歴・財産・年齢・身分・人種など様々な基準からなる階層社会では、 育ちにくい。 公平性と公開性を保持し、多くの賛同者を集めて、 継続的に活動していくコミュニティは、 文化的な発展にも寄与できるものと考える。 年齢や立場に関わらず意見を発し、それに耳を傾ける環境であり、 より良い技術を育て、世間へ広める場がコミュニティだからである。 最近、自分も歳を重ねたせいか、 若い方の発想には驚かさせるものがたくさんある。 ビジネス的なものは別にして、技術的な着眼は評価できる。 ややもすると研究という自分の興味によりがちであるが、 そこをアドバイスできる作業を自分は努めたいと考えている。 コミュニティという賛同者を集めて、 情報を交換して、 継続的に開発・利用を進めていけるような土台作りにお手伝いをしたいと思っている。 オープンソースという言葉から、文化を創ろうなどとは到底思わない。 が、そこに多くの人が集まり、多くの意見が交換され、 より良い技術が創造されるというコミュニティ活動には、 たいへんな魅力と力を感じる。 とりわけ、コンピュータの世界ではメールという便利さもあり、 物理的な参加はインターネット上で参加できる手軽さがある。 目的や目標を共有して活動する楽しみを与えてくれるコミュニティが、 インターネット上にある。 このコラムを読んで、 コミュニティへ参加してみようという方が一人でもいてくれることを期待している。 日本にバザールモデルが根付き、 そこから多くのコミュニティが発生し、 世界へ発信できることを夢見ている。 近い将来、地球規模のプロジェクトが必要とされ、 これを支えるような地球コミュニティがまもなく誕生するであろうと予感している。 そのテーマ作りにお手伝いができるよう日々努力を惜しまない。 記事提供:
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