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Webテクノロジー2005年6月30日 09:00

オープンソースとビジネス

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さて、今回は、ビジネスの側面について話題を展開していきたい。 はたして、オープンソースはビジネスとなり得るのか。 オープンソースを利用した収益モデルは存在するのか。

答えは、「イエス」である。

しかしここは知恵の出し合いで、 “人海戦術”や“会社の顔”ではなかなかうまくいかない。 確かに規模のメリットを享受するまでに成長したビジネスモデルは、 人数や看板が有効な手段となるが、 オープンソースを旗頭に収益を生み出すには、別の戦略を考える必要がある。

原点に戻ってその役割を整理すると、 オープンソースとは、 コンピュータのソフトウェアソースコード(家の設計図面)が公開され、 誰でもが入手可能で、改良・改変ができるということである。

それは取りも直さず、 より良い技術部品・アイデアの再利用が可能ということを意味する。 つまり、オープンソースは先人の知恵や匠を知ることができるという、 たいへんな情報源である。 これを利用するというのが、オープンソースによるビジネスの基本になる。

ただし、何度も説明をしているように、タダ乗りはいけない。 情報を得たら、それに答えるのがオープンソースコミュニティとの契約である。 ややもすると「タダ」だからもらい得という風潮もあるようだが、 このようになにもフィードバックをしない不正の輩は問題外である。

技術的な優位性を含んだ情報を得たことでさらなる開発を実施する技術者は、 より良いものを世の中に提供できることが期待できる。

ただし、これでは企業はまだ儲からない。 そこで思いつくのは、 この技術者と新たに開発した技術の付加価値を企業として利用することである。 つまり、オープンソース活動に参加している技術者は、 技術的優位な情報を比較的容易に集め、 これを社内の製品に応用するのはもちろん、 この技術者自身が企業活動と連携して動くことができる。

たとえば、Web サーバーの Apache は、 その創始者である Brian(Brian Behlendorf - Apache Software Foundation)は、 自らが開発環境を必要とし、 開発コラボレーションツールの企業を設立している。 この開発統合環境は、 彼自身の開発経験から欲しいというニーズと、 企業への展開を考えて作成されたものである。 現在では、米国国防総省をはじめ、 多くの IT 企業や金融機関の顧客が有償で開発環境を利用している。

また、一方きちんとしたコミュニティ向けプロジェクトには、 この開発統合環境を無償で提供するというフィードバックをしている。

企業が金を儲けることは当然の活動だが、 オープンソースをタダで利用するというのではなく、 オープンソースコミュニティとの共栄を図りながら、 ビジネスを展開する知恵が必要である。

コミュニティは最新の技術的な判断の基に意思決定をする仕組みがあり、 ビジネスでの利用は安定性(安全)を最優先にシステムを提供する、 という優先度の溝を埋めるには、多くの議論を重ねる必要がある。

もうひとつ注目したいことは、 ソフトウェアというビジネスである。 これは、ネットワークや CD/DVD などの媒体を通して、 簡単にマスに展開できる要素をもっている。

現在は、多くの方々がネットワークからダウンロードしてソフトを購入・入手したり、 インストールしたりすることに不安はない。 だからソフトウェアビジネスは、 一発当たれば一攫千金のチャンスが大いにある(はずである)。

このため、欧米では、ソフトウェアをビジネスにする起業家が毎年膨大に誕生し、 そのほとんど(すべて)が消滅をすることを繰り返している。 成功を収める企業はほんのごく一部であり、 その理由は、単に多くの偶然が重なっただけというのが事実かもしれない。 綿密に戦略を練り、 政治的な活動をするだけの体力(経済力)がないまま起業すればだいたい失敗する。

日本でのソフトウェアビジネスの危機的状況は、 この起業精神の欠如と起業家を支援する仕組みが欠落していることである。

米国ではベンチャーキャピタル(VC)が若手起業家の技術にしばしば投資するニュースを聞くであろう。 VCは「死の口づけ」とも言われるが、若手にとっては絶好のチャンスである。 また、失敗からの再生の機会にもVCは有効な仕組みとなって機能している。

オープンソースでは、 個人や小グループによる知的な興味からプロジェクトが立ち上がり、 機能面での充実と市場への展開が望めるものは、 さらに多くのリソースが投入され存続していく。 ビジネスでの利用を促進していくことで、このプロセスが好循環していく。

つまり、 多くのビジネスソリューションに匹敵するオープンソースソフトウェアの登場は、 社会基盤となるコンピュータシステムにとって当然の将来予想であり、 企業はシステム構築やユーザが望む高付加価値を生み出すソリューションを提供することに収益をめざすべきである。

企業はもっとユーザーにオープンソースのメリットを説明し、関心を抱かせ、 自社の技術力や人材を見せ付けることで差別化が図れる。 サービスメニューに、 担当者本人の紹介とユーザーにとっての付加価値を定量的に説明することで、 ビジネス(契約)は成立する。

基本は、オープンソースだから優位というのではなく、 ユーザーから信頼を勝ち取るための手段がオープンソース、 ということを理解してほしい。 ユーザーの声を聞き、 開発者とユーザーが一緒に改良や改善に参加できるプロセスは、 たいへん重要なものである。




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