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2008年10月11日
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Webテクノロジー2006年3月10日 14:20

Web は 2.0 で人工知能化する

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■Tim O’Reilly のドキュメントを読んで Web2.0 がわかった?

Web2.0 はよくわからない概念だ、 という話をよく聞く。

なぜわかりにくいのか。

そもそもその理由のひとつは、 Tim O’Reilly のドキュメント、 『What Is Web 2.0』にあるようだ。

ドキュメントによると、 「Web2.0」という概念は O’Reilly と MediaLive International によるブレインストーミングから生まれたというが、 これを読んでも、Web2.0 とは何かが判然としないようだ。 ドキュメントでは Web2.0 について現象面での定義しかしていないので、 それが Web2.0 をわかりにくくしている最大の理由ではないかと思う。 現象だけ並べられてもわからないのだ。

だが、現象面による定義に理由がないわけではない。 ひとつには現象面で定義せざるを得なかった、ということだろう。 もうひとつは、現象面について語ったほうが一般ユーザーにはわかりやすい、 と判断したからだろう。 Web2.0 の技術的な解説をされても、 その背景にある技術を知らない一般ユーザーが理解するのは難しい。

一方、 IT や企業システムの担当者は、 Web2.0 の現象ではなく、 それを支える IT 技術について、 これまでの技術の流れに沿った説明のほうがわかりやすいはずだ。 実際にそれは不可能ではない。 Tim O’Reilly が現象面で説明したことを、 技術的に解説するのは悪いことではないだろう。

そこで今回から、 Web2.0 についてのわかりやすい解説を試みてみよう、 と思う。

だがその前に、 いくつか前提となる知識を明確にする作業をしておきたい。 前回のコラムもこの前置きのひとつだと考えてほしい。

■Web2.0 は全員参加型インフラ

まず最初に、 現在顕在化している Web2.0 という新世代のインフラに対する期待を後押ししたのは何か、解析しよう。

Web2.0 がもつ現象面での大きな意味は、 一般参加型のインフラだ、ということだ。 これはとても重要な点であり、 O’Reilly 自身もドキュメントで一般参加型のインフラが今後どうなっていくのか、 説明している。

つまり、全員参加は Web2.0 の現象面での要なのだ。

■コミュニケーションの双方向化

Web2.0 のもう一つの特徴は、一方通行ではなく、双方向だということだ。

さて、Web、つまりインターネットの始まりは何か考えてみよう。

Web の URL を持つホームページ は HTML で作成された。 だから、Web のスタートは HTML だ。 ここでは、 HTML が形成されてきた歴史については触れない。 それはまた別の話だからだ。

そしてHTML は基本的には、情報を一方的に配信する機能しか持ち合わせていない。 当初は、Web ページに掲載された HTML 情報を単に伝えるだけでも、革命的であった。 しかし徐々にユーザーに情報を入力してもらうと便利だということになった。いわゆる HTML のフォーム(Form)という機能である。フォームを使うと、フィールドやボタンを実現できる。そこにユーザーが自らの情報を入力するのである。

HTML は Web ブラウザ上の表示をどうするかを記述するためには向いているが、サーバーとクライアント、あるいはコンピュータ間の情報のやり取り、つまり双方向のコミュニケーションには最適とは言えない。そこで HTML の機能を継承しながら、通信にも適している XML が台頭してきたのである。

プログラムとの相性のいい XML と組み合わせて、入力画面をより複雑に構築する方法として、プログラムを使うという考え方ができてきた。そのためのプログラミング言語として、当初、Java アプレットが台頭したが、徐々にスクリプト言語の利便性が注目されはじめた。サーバー側では主に CGI(Common Gateway Interface)から PHP、Python(パイソン:Microsoft が注目していることで目が離せない)、クライアント側では JavaScript が代表的なキーワードとなる。

HTMLよりも、XMLの方が双方向化に向いていることから、 HTML、XML の流れで考えると、 Web2.0 は XML さらに XML プラスだ、という点を押さえておこう。

ただ、 HTML が Web1.0 で XML が Web2.0 だ、 といきなり乱暴に定義するのはよくない。 というのも、 Web2.0 をリードしているといわれる Google は、 HTML シンパとして有名だからだ。

Google は当初から HTML ベースで膨大な技術を作り上げて、 ノウハウを蓄積してしまった。 Google のエンジニアは HTML のエキスパートの集まりだ。 Google の社内は HTML ノウハウデータベースのようになっており、 Google の社内では、 情報や Web は基本的に HTML で作られている。 あえて XML にすべて変更するのは大変な作業だ。

さらに言うと、 HTML は表示重視とはいえ、言語であり、工夫すれば、 どのようにも記述できる。 HTML では双方向にならない、とは言えない。 現に Google は HTML でそれをやっている。

だから、HTML は Web2.0 ではないというのを実証するのは困難であるし、 そういう定義は乱暴だ。

■参加型

さて、いよいよ参加型の基盤が整ってきた。 参加型か参加型でないか、 これは要するに Blog とホームページの違いだ。

個人の情報発信は最初ホームページからで、 そこで自分について、世の中についてユーザーが書いていた。 それに掲示板のようなものが付属して、 コメントしたい人が書けるようになっていた。 それが最初の形態だ。

いわゆる Blog には、 ホームページと同様 URL が付いているが、 Blogは相手がいて、反応をもらうことを想定して作られている。つまり参加を呼びかけているのだ。参加するためには一方が主で、もう一方が従という関係では完全な双方向にならないのは自明であろう。つまり、通常世界での人と人のコミュニケーションと同じような関係を構築することがWeb2.0 の方向なのである。それも1対1ではなく、多くの人が同時に参加する、つまりパーティのような感じだ。

Blog とは何かよく理解されないままに、 そういう仕組みだけがユーザーに受け入れられて、 あっというまに Blog 化した。

たとえば、 日本の場合は mixi がいい例だ。 最初にこのモデルを作って始めたイー・マーキュリーという会社は、 現在のように発展するとは思っていなかったと思う。 だが、会社全体が mixi に支えられているのに気づき、つい最近、社名を mixi に変更した。

■情報はメタデータ化する

双方向、全員参加型という以外に、Web2.0 で大事なのは、 情報のメタデータ化だ。セマンティック化と言うほうが一般的かもしれない。

サーチエンジンというのは、もともと、 テキストをなめていただけだ。 あるキーワードで検索すると、その文字の一致条件だけを検索する。

当然のことながら、 キーワードとテキストが一致したからといって、 それがほしい情報であるとは限らない。 それは最初からわかっていたことだ。

キーワードには、 それに論理的に結びついてる、 あるいは検索者の意図に答えられるようなデータが含まれていることが望ましい。

メタデータとは、 あるキーワードに対して、 キーワードに関連すると思われるデータのセットだ。 セットになった情報を入手できれば、 より検索者の意図に合った検索結果を出せる。

情報もメタデータ化していたほうが検索しやすい、 それがもうひとつの Web2.0 のポイントだ。

メタデータ化が進むと、あたかもWebが人工知能化したように見える。検索する本人が、返ってきた答えを見て、当初期待していない、驚くような、そして、正しい結果がでることがあるからだ。このような振る舞いをセマンティック Web と呼ぶ。

伝統的な IT の専門家はこのあたりで、おおよその Web 2.0 の技術的基盤を理解できるだろう。

■データのリアルタイム化と Web の人工知能化

まだまだある。リアルタイム化に触れよう。

昔のデータは非常にスタティックで、 プリントアウトしてもそれは一致していた。

ところが最近の Web は一瞬で変わることがある。プリントアウトして、元を確認しようとしても、もうその内容が変わっている。つまり、リアルタイム化も Web2.0 の要件だ。

スタティックでなくダイナミックになる、 だからといって、 スタティックなのは Web1.0 で、 ダイナミックなのが Web2.0 と、定義することはできない。

それを実現する技術の話がないと、 わかりにくい。

■情報を整理できるのが Web2.0

もう一つある。これまで、情報の整理はユーザーが自分でやらなければならなかった。 検索エンジンで検索すると多量のページが出てくる。 最初のページはヒットする可能性が高く、 最後のほうになるとだんだん精度が低くなるが、 本気でやるには、全部解析しないと知りたいことがわからないのが Web1.0。

ところが Web2.0 というのは、理想的には、 本当に知りたいことが一度でわかるようになる。 これが実現するのはもっと先の話ではあるが、一応そういうことだ。

だから Web2.0 は、 Web 自体が人工知能化するという表現がきわめて近い。 Web 自体、つまり、相手が複数の人間の集まりだと思えばいい。

人間の会話は音の連続だ。 一次元のストリングでお互いにしゃべりあう。 会話の相手は、 一方向のストリングを頭に入れると、 瞬間的にパラレルプロセッシングして、また答えをストリングで返す。 あるいは絵に描いて返す。

Web も同様に、ストリングで入力する。

これまでは、 今までのコンピュータの性能があまりよくなかったので、 どうしようもない回答しか出てこなかった。 逆にその性能の悪さをうまく翻訳してくれる専門家が必要だった。

今 Web2.0 が目指しているのは、 ストリングで入力するとすぐさま答えが返ってくるものだ。答えは、ストリングではない。むしろ、ビジュアルで一気に来る。テキストもあるし、音も動画もある。それは通常の人間同士の会話よりも情報量が多い。一言いうと、膨大な情報が返ってくる。 これが魅力なのだ。

記事提供:OSDL(Open Source Development Labs)米国日本


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