Technology
テクノロジー
ディレクトリサイトに関する SEO の常識がまた一つ変わった
Open Directory(オープンディレクトリ)というディレクトリサイトが古くから存在する。
SEO の指南書では「Yahoo! ディレクトリ以外に、この Open Directory にもサイトを登録すると良い」と書かれていることが多い。実際、Open Directory に登録されると Google などのロボット検索で検索順位が上がる現象は存在していた。
しかし、今月あったとされる Google のアルゴリズム変更によって、Open Directory に登録されていることで順位を上げていた Web サイトが多数、順位を落としてしまっている。
今回は、いったいその背景で何が起こっているのか、今後サイトの上位表示を目指すために、Open Directory はどう扱うべきか、について説明してみたい。
■ Open Directory の歴史
Yahoo! Japan も今は Google のようなロボット検索がメインに切り替わったが、Open Directory は Yahoo! ディレクトリなどのディレクトリ検索サービスが主流だった頃に「企業に紐づいていないオープンなディレクトリサービスを作ろう」という趣旨で立ち上げられた。
このような、全世界から多数の人が少しずつコンテンツを貢献するというサービスで、最近もっとも有名なものはオンライン百科事典サイトのウィキペディア(Wikipedia)だろう。
Open Directory、ウィキペディアともに「みんなで作った巨大なデータ」であり、みんなで作ったという性格上、他の私企業のサービスと大きく異なる点が一つある。それは「データはオープンなもので、誰でも再利用してよい」という点だ。
Yahoo! のディレクトリのデータを丸ごとコピーして勝手なタイトルをつけて公開したら、Yahoo! に訴えられるのは必至だ。多数のデータを蓄積したことでユーザーを惹きつけ、広告収入などにつなげているのだから当たり前ではある。しかし、Open Directory やウィキペディアはコピーサイトを作ることを禁じていないのだ。
その結果、Open Directory と同じ内容を持つ、ちょっとデザインだけ違う Web サイトが数百から数千、Web に存在するようになってしまった。
Open Directory で使われているカテゴリ名などを使って検索してみれば、このようなコピーサイトはいくらでも見つけることができる。
ただ、Open Directory のデータは丸ごとコピーしたサイトを作ってもらいたくて公開されているわけではない。本来は特定の地域やカテゴリのデータに独自の工夫を加え、よりすばらしいサイトを作ってほしいという意図だろうが、実際は「タダで入手した大量データで簡単に立派なサイトを作る」という使われ方がほとんどだ。
また、Google Directory という Google 自身のサービスでも、この Open Directory のデータは使われている。Google は元々、ディレクトリ検索に力を入れていなかったが、Yahoo! や MSN、AOL などとの対抗上、手間をかけずにディレクトリ検索も提供するために Open Directory のデータをコピーしたサービスを持っている。
■ Open Directory に登録すると順位が上がっていた理由
これまでは、以下のような手順で、検索順位の押し上げが発生していた。
(1) 本家の Open Directory に登録申請して、「花形自動車」という名前で自社サイトが登録されたとする。
(2) 本家を500のコピーサイトが順次本家の更新内容をコピーしていき、最終的には500の異なるサイトから「花形自動車」というリンクが自社サイトに張られることになる。
(3) 「500のサイトが『花形自動車』と紹介しているから、Google などのロボット検索エンジンはこのサイトが『自動車』に関係深いサイトに違いない」と判断し、「自動車」で検索したときにこの登録サイトを上位に表示する。
「自由にデータを再利用してよい」というポリシーが、悪い SEO 業者がおこなうリンクファームと言われる不正手法と同じ結果になってしまっていたわけだ。
■ 今回 Google が行った変更とは?
SEO 研究者らのフォーラムで報告されている話では、Google は今回のアルゴリズム変更で、Open Directory のコピーサイトのうちかなりの数をインデックスから除去したという。
このため、Open Directory に登録されていることが原因で上位表示されていたサイトが軒並み順位を下げるという結果になってしまった。
■ 今後の見通し
Open Directory をただコピーしたサイトには価値が無いとする Google の判断は、一般から見ても自然ではないだろうか。今後もコピーサイトをインデックスから追放するという流れは逆戻りすることはなさそうだ。
では、Open Directory に登録申請することにまったく意味がなくなるかというとそうではなく、多少の効力は残るだろう。なぜなら、
- Google 以外の検索エンジンでは、Open Directory+そのコピーサイト群からのリンクがまだ効いている可能性があるし、
- Google は単なるコピーサイトを排除しているだけで、Google 自身も Google Directory というコピーサイトを運営している(このあたり矛盾を感じるが)。このためオリジナルの Open Directory がインデックスから外されるとは考えにくい。
Open Directory への登録は、これまでのような「重要な手法」ではなくなり、数多くある対策のひとつに過ぎなくなるだろう。
(記事提供 : サイボウズ / サイボウズ・ラボ)
SEO の指南書では「Yahoo! ディレクトリ以外に、この Open Directory にもサイトを登録すると良い」と書かれていることが多い。実際、Open Directory に登録されると Google などのロボット検索で検索順位が上がる現象は存在していた。
しかし、今月あったとされる Google のアルゴリズム変更によって、Open Directory に登録されていることで順位を上げていた Web サイトが多数、順位を落としてしまっている。
今回は、いったいその背景で何が起こっているのか、今後サイトの上位表示を目指すために、Open Directory はどう扱うべきか、について説明してみたい。
■ Open Directory の歴史
Yahoo! Japan も今は Google のようなロボット検索がメインに切り替わったが、Open Directory は Yahoo! ディレクトリなどのディレクトリ検索サービスが主流だった頃に「企業に紐づいていないオープンなディレクトリサービスを作ろう」という趣旨で立ち上げられた。
このような、全世界から多数の人が少しずつコンテンツを貢献するというサービスで、最近もっとも有名なものはオンライン百科事典サイトのウィキペディア(Wikipedia)だろう。
Open Directory、ウィキペディアともに「みんなで作った巨大なデータ」であり、みんなで作ったという性格上、他の私企業のサービスと大きく異なる点が一つある。それは「データはオープンなもので、誰でも再利用してよい」という点だ。
Yahoo! のディレクトリのデータを丸ごとコピーして勝手なタイトルをつけて公開したら、Yahoo! に訴えられるのは必至だ。多数のデータを蓄積したことでユーザーを惹きつけ、広告収入などにつなげているのだから当たり前ではある。しかし、Open Directory やウィキペディアはコピーサイトを作ることを禁じていないのだ。
その結果、Open Directory と同じ内容を持つ、ちょっとデザインだけ違う Web サイトが数百から数千、Web に存在するようになってしまった。
Open Directory で使われているカテゴリ名などを使って検索してみれば、このようなコピーサイトはいくらでも見つけることができる。
ただ、Open Directory のデータは丸ごとコピーしたサイトを作ってもらいたくて公開されているわけではない。本来は特定の地域やカテゴリのデータに独自の工夫を加え、よりすばらしいサイトを作ってほしいという意図だろうが、実際は「タダで入手した大量データで簡単に立派なサイトを作る」という使われ方がほとんどだ。
また、Google Directory という Google 自身のサービスでも、この Open Directory のデータは使われている。Google は元々、ディレクトリ検索に力を入れていなかったが、Yahoo! や MSN、AOL などとの対抗上、手間をかけずにディレクトリ検索も提供するために Open Directory のデータをコピーしたサービスを持っている。
■ Open Directory に登録すると順位が上がっていた理由
これまでは、以下のような手順で、検索順位の押し上げが発生していた。
(1) 本家の Open Directory に登録申請して、「花形自動車」という名前で自社サイトが登録されたとする。
(2) 本家を500のコピーサイトが順次本家の更新内容をコピーしていき、最終的には500の異なるサイトから「花形自動車」というリンクが自社サイトに張られることになる。
(3) 「500のサイトが『花形自動車』と紹介しているから、Google などのロボット検索エンジンはこのサイトが『自動車』に関係深いサイトに違いない」と判断し、「自動車」で検索したときにこの登録サイトを上位に表示する。
「自由にデータを再利用してよい」というポリシーが、悪い SEO 業者がおこなうリンクファームと言われる不正手法と同じ結果になってしまっていたわけだ。
■ 今回 Google が行った変更とは?
SEO 研究者らのフォーラムで報告されている話では、Google は今回のアルゴリズム変更で、Open Directory のコピーサイトのうちかなりの数をインデックスから除去したという。
このため、Open Directory に登録されていることが原因で上位表示されていたサイトが軒並み順位を下げるという結果になってしまった。
■ 今後の見通し
Open Directory をただコピーしたサイトには価値が無いとする Google の判断は、一般から見ても自然ではないだろうか。今後もコピーサイトをインデックスから追放するという流れは逆戻りすることはなさそうだ。
では、Open Directory に登録申請することにまったく意味がなくなるかというとそうではなく、多少の効力は残るだろう。なぜなら、
- Google 以外の検索エンジンでは、Open Directory+そのコピーサイト群からのリンクがまだ効いている可能性があるし、
- Google は単なるコピーサイトを排除しているだけで、Google 自身も Google Directory というコピーサイトを運営している(このあたり矛盾を感じるが)。このためオリジナルの Open Directory がインデックスから外されるとは考えにくい。
Open Directory への登録は、これまでのような「重要な手法」ではなくなり、数多くある対策のひとつに過ぎなくなるだろう。
(記事提供 : サイボウズ / サイボウズ・ラボ)
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