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2006年8月9日 09:00

日立、シンクライアント自社導入の実績を生かして、市場をリードする

2005年1月に自社 PC 約30万台をシンクライアントに切り替えると発表し、シンクライアントブームの火付け役となった日立製作所。同社が提供するセキュリティ PC を中心とした「セキュアクライアントソリューション」とはどのようなものなのか。そして同社のビジネス戦略とは?

今回は、同社のセキュリティ PC をはじめとするセキュアクライアントソリューション事業を推進する、プラットフォームソリューション事業部セキュアユビキタスソリューションセンタ長の岡田純氏にお話を伺った。

日立が提供するセキュアクライアントソリューションは、ハードディスクレスのセキュリティ PC から、USB 対応の認証デバイス「KeyMobile」で本人認証を行い、PC もしくはサーバー側にアクセスするというもの。PC もしくはサーバー側で管理された画面のみを呼び出すため、社内外だけでなく出張先などからでも、オフィス内の自分のデスクトップ環境を呼び出せる。

同社が提供するソリューションには次の3タイプがある。

ひとつ目は、モバイル環境でセキュリティ PC を利用できる「ポイント・ポイント型」。外出先からセキュリティ PC 上でオフィス内にある自席 PC 環境を利用できる。

ふたつ目は、Citrix Presentation Server を導入し、社内と社外でセキュリティ PC を利用できる「センター型」。1サーバーを複数ユーザーで使用することで、リソースを効率的に利用できる。サーバー側で既存環境のアプリケーションやデータを一元管理することができ、アプリケーションのアップデートをサーバー上で一括して行える。

そして三つ目は、クライアントブレードを導入し、社内と社外でセキュリティ PC を利用できる「ポイント・ブレード型」。1ユーザーに1枚のクライアントブレードを割り当て、個人の PC 環境の自由度を保つ。また、サーバー型同様、ソフトウェアのアップデートやウィルス対策を一括して行うことが可能だ。

そのほか、システムを構築することなく、シンクライアントを導入できる「リモートアクセスパック」もある。ASP(Application Service Provider)サービスを利用することで、イントラネットの設定などをすることなく、ハードウェアの初期投資を抑えるかたちでの導入が可能となる。

日立のシンクライアントへのアプローチは、他の国内大手メーカーとは大きく異なる。岡田氏によると、同社のセキュアクライアントソリューションは、厳密には、シンクライアントとは一線を画しているのだそうだ。シンクライアントが、企業内ネットワークの構築を前提としているのに対し、同社のソリューションでは、VPN(Virtual Private Network)というインターネット上に仮想的な自社専用ネットワークを構築する技術を使い、外部から安全にアクセスできるようにする。

そもそも同社では、このソリューションを、外出先からオフィス環境を呼び出せるモバイルソリューションとしてはじめたいきさつがあり、モバイル環境で使えるよう、厳重なセキュリティを施している。

たとえば、認証デバイス KeyMobile を接続してパスワード入力をしないと、本体電源を入れてもシステムが立ち上がらない。また、パスワード入力を数回間違えると、利用できなくなる。そして、使用中に KeyMobile を取り外すと、自動的にログオフし、ちょっと席を外すときも画面を覗き見されるようなことがない。さらに、指静脈認証装置を内蔵しているモデルまである。

「われわれのソリューションでは、絶対のセキュリティレベルを提供している」と岡田氏は言う。いわば、情報漏えい対策としてのシンクライアントのさらに上をいくセキュリティレベルといったところだ。

しかし、同社が誇るその鉄壁のセキュリティが必ずしも要求されるわけではないようだ。岡田氏によると、セキュリティを追求したために、エンドユーザーの使い勝手が制限されたり、導入にあたってコストがかかったりしているのも事実だという。

それぞれ顧客によって、守らなければならない情報は異なるが、顧客の予算や使い勝手と兼ね合わせて、セキュリティレベルを決めることが大切になってくるのだそうだ。

そうした点を踏まえて、これから顧客のさまざまなニーズに合う小回りのきくソリューションを提供していきたい、と岡田氏は語る。

日立は、今年はシンクライアント市場が大きく飛躍する年になると見ている。市場規模として、導入台数が20万台から30万台に成長すると予測する。

日立は他社にはないシンクライアントの自社導入の実績を生かして、市場をリードしていこうと考える。

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