今回の技術買収により、Wind River は RTLinux に関連するすべての知的財産を FSMLabs から獲得した。ここで言う知的財産には、RTLinux の特許、著作権、商標、関連する製品の権利が入る。また FSMLabs から4人ないし5人程度のエンジニアも、Wind River に移籍する。
Wind River は RTLinux 獲得で、ハードリアルタイム機能を自社製品ラインに組み込めるようになったが、同社 Linux プラットフォーム担当ディレクタ Glenn Seiler 氏は、Linux コミュニティのリアルタイムパッチについて、それはハードリアルタイムではなくソフトリアルタイムだと指摘した。ソフトリアルタイムとは、統計的にリアルタイムな応答性があるといった性質のもので、開発者は特定の時間パラメータの範囲内で応答を得られるものと理解している、と Seiler 氏は説明した。
これに対してハードリアルタイムは、応答時間を保証しており、その点が両者の違いだという。
RTLinux では、Linux カーネルの前段階の階層として小規模な実行部分を持たせることで、ハードリアルタイムを実現すると Seiler 氏は説明した。具体的にはハードリアルタイムで応答するため、ハードウェアから発生した割り込みは、Linux カーネルより先にリアルタイム実行部分で処理する。ただし RTLinux は、主流の Linux カーネルが提供するリアルタイム技術と異なり、プロプライエタリ技術でオープンソースではない。
なお Wind River は、オープンソースのコミュニティが推進するリアルタイム Linux について、サポートの取り組みをやめるわけではない。同社は2006年7月から、コミュニティが推進するオープンソースのリアルタイム Linux に基づくリアルタイム Linux プラットフォームを提供している。