WiMAX は3Gデータサービスを補完〜インテル、WiMAX への取り組み説明長年にわたって WiMAX を支持してきたインテルは、2007年6月1日、WiMAX の技術開発、標準化を担当するインテル フェローの Siavash Alamouti 氏を始めとする WiMAX 担当者を迎え、インテルの WiMAX への取り組みとその標準化動向について説明する記者説明会を開催した。
インテル代表取締役共同社長の吉田和正氏は冒頭の挨拶で、「モバイルブロードバンドはコンピュータ業界の発展につながる」と、モバイルブロードバンドの実現において期待される WiMAX のインテルにおける位置付けを説明した。
● 多くのアプリケーションは PC 向けに作られる 吉田社長に続いて登壇した Intel フェロー兼モバイル ワイヤレス事業部 CTO の Alamouti 氏は「モバイル WiMAX への取り組み」と題したプレゼンテーションを行った。 Alamouti 氏は、多くのアプリケーションは PC 向けに作られており、モバイル インターネットで主役となる機器は「大型のハンドセット(携帯電話)」ではなく、PC に匹敵する処理能力を備えた「小型 PC」であると述べる。 もしくはハンドセット以外の、小型で、バッテリー駆動時間の長い、低価格のまったく新しいモバイル インターネット機器であるという。 確かに Alamouti 氏の述べるとおり、YouTube や MySpace(日本ならば mixi だろう)などを利用するにあたっては、現状ではスマートフォンよりも B5サイズのノートパソコンのほうが格段に扱いやすい。 モバイル インターネットには、「低価格な機器と回線契約」、「サービスの透過性(回線の違いによるパフォーマンスの低下がない)」、「普遍的なサービス提供(いつでも・どこでも)」、「シンプルな UI による常時接続」などが必要であるという。 Alamouti 氏は、携帯電話が家庭内でも使われていることを例に上げ、インターネットを「どこに行ったら使えるのかをユーザーが気にする必要がない」環境の実現が必要であると述べた。「PC 向け」のアプリケーションが場所を意識せずに使われることが重要ということだろう。
● 携帯電話は音声トラフィックでは効率がよい こうしたモバイル インターネットを実現するにあたっては、数々の無線技術が存在する。現状では EV-DO や HSPA などの携帯電話と Wi-Fi がその代表だ。 Alamouti 氏は、Wi-Fi のメリットとしては「免許不要な帯域における予測不能なトラフィックに対して効果が高い」こと、デメリットとして「予測可能なトラフィック(音声)では効率が低い」ことを挙げ、「免許不要な帯域用に設計された『共有モデル』」であるとした。 携帯電話に関しては「音声トラフィックでは効率が高い」ことがメリット、「電子メールや http などバースト型のトラフィックでは効率が低い」ことがデメリットであるという。 これらに対して WiMAX は「予測不能なバースト型のトラフィックでも音声でも効率が高い」というメリットを持つ一方、「BS(基地局)がリソース割当を行うのでネットワークによるポリシー管理が厳しい」。 ● 古い技術に帯域がロックされている 続いて登壇した Intel コーポレート テクノロジー統括本部 通信/技術政策・標準化担当ディレクターの Peter Pitch 氏は WiMAX の標準化動向について説明を行った。 Pitch 氏は「古い技術に帯域がロックされている」と述べ、無線接続において帯域が枯渇しており、帯域の有効活用が重要であると述べた。なお Pitch 氏は、米国の通信を規定・管理している FCC(連邦通信委員会)で仕事をしていたという。 テレビも含めた RF のデジタル化により、通信業界はその歴史上最大の技術的変化を迎えた。しかし、今なお「指揮命令」が優勢であり、「既存企業が新興企業をブロックして競争を妨害」、「硬直性が高い状況では価値が低い利用方法と技術にとらわれてしまう」という妨げが強いという。 Pitch 氏は「周波数改革こそ次の節目」と述べ、「採用、適合、熟達(Adopt、Adapt&Adept)」という特性を持つ日本が、WiMAX をリードして行って欲しいとの希望を語った。
● WiMAX は3Gデータサービスを補完する 最後に登壇した WiMAX Forum 代表兼会長の Ron Resnick 氏は WiMAX Forum の活動と、世界における WiMAX の普及状況などを紹介した。 まず Resnick 氏は「おもしろいことにコンバージェンスがおきている」と述べ、固定通信事業者、ケーブル事業者、移動通信事業者などが、WiMAX を ARPU を高める市場機会として取り入れ、ここに競争が発生している現状を説明した。 また WiMAX は「携帯電話の代替ではない」とし、音声市場に競合するものではなく、「3Gデータサービスを補完する」技術であると強調した。 WiMAX を推進する理由としては、「数百社によって開発された世界標準」であること、「OFDMA の採用により、高い収容能力と優れたスループットを低コストで提供」できることなどを挙げた。
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