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日本 IBM 大和研究所、最新の研究成果を公開
日本 IBM 東京基礎研究所は26日、プレスセミナーを実施、最新研究の数々を紹介した。今回紹介されたのは、「60GHz 帯ミリ波を用いた超高速無線伝送」、「モデル駆動型システムズ・エンジニアリング」、「テキストマイニング」など。そのほかにも、同研究所発の、Flash や動画などに対応する視覚障害者向けのツールなどがブースで展示され、各研究員より説明があった。
「60GHz 帯ミリ波を用いた超高速無線伝送」は、次世代高速無線技術として期待されているミリ波無線技術についての研究開発だ。同研究所が米国の IBM ワトソン研究所と共同で行っているもので、ワトソン研究所が開発した、10セント硬貨ほどの大きさにパッケージ可能なチップセットのプロトタイプと、東京基礎研究所が持つ高速デジタルベースバンド信号処理技術を組み合わせ、2Gbps 無線伝送のシステム実証に成功している。 ミリ波は、広い帯域が利用可能で、1Gbps を超える高速無線伝送が実現できる帯域として注目されている。特に60GHz 帯から67GHz 帯は、日本では無線局の免許なしで利用できる帯域とされているため、安価で製品開発や商品化が行える。 具体的には、非圧縮 HDTV ストリーミング、高速ファイル伝送、ゲームコンソール、高速ユビキタスネットワーク、レーダー&イメージセンシングでの利用が期待されている。今月21日、IBM は台湾の MediaTek と共同で、このミリ波無線技術を利用し、コンシューマ向けに無線 HD-TV やムービーを実現する超高速無線チップセットの開発に乗り出したことを発表している。このチップセットが実現すると、わずか数秒のうちに大きなマルチメディア データファイルを無線で転送できるようになるという。
次に紹介された「モデル駆動型システムズ・エンジニアリング」は、「製造業のお客様にモノを作らずに作るような環境を設計するものだ」と日本 IBM 執行役員で同研究所所長の丸山宏氏は説明する。「製品を作る際、従来はプロトタイプや規格などが必要だったが、デザインをきちんと書いて、私たちの技術で検証すれば、間違いなく正しく動作する製品が作れることを目指すものだ」と丸山氏は続ける。 現状では、設計の要求は図面と文章によって行われているが、両者の関連性が分かりにくく、要求を出した側と要求を受ける側に誤解が生じることもあった。また、設計がその要求を満たせるかどうかが分かりにくかったという。 そこで、同研究所では、SysML/UML というモデリング言語をベースに行い、「動く仕様書」を実現するために、(1)CAD システムから SysML で記述された制約を満たしているかどうかを検証するツール、(2)UML 図で記述されたシステムの機能と性能を解析・検証するツール――を開発している。 「日本では製造業のお客様が多く、このソリューションは製造業のあり方を変える可能性がある。世界の製造業向けに、革新的な技術を提供することはわれわれのミッションだ」と丸山氏は語る。
続いて、「テキストマイニング」を同所研究員の那須川哲哉氏が紹介した。これは、「大量のテキストデータのなかから、そのなかに含まれる特徴を自動的に抽出する技術」だと那須川氏は説明する。例えば、特定の商品に関して目立つ情報やクレームなどを抽出できる。 「データが集まれば集まるほど、貴重な資料が増えたように思うが、実際は逆で、データが集まれば集まるほど、データを扱いきれなくなっていた」と那須川氏は現状を説明する。「そこで、まず言語処理を使って、意味のあるデータを取ってきて、テキストマイニング『TAKMI』技術を使って、統計的に面白い内容を視覚化し、ユーザーが試行錯誤しながら内容を統合できるようにした。全体にどういう内容を把握するよりも、どこを見るべきかを、機械が指示できるようにすることを目指した」と那須川氏は続ける。 もともとは企業のコールセンターなどで、顧客から寄せられた声を分析したいとの要望に応えたものだが、情報の性質上、これまでは公開が難しかったのだという。そのため、今回は、国土交通省が自動車に関する不具合事例を公開しているサイトを使っての、デモとなった。
東京基礎研究所は、全世界に8つの研究拠点をもち、約3,000人の研究者を抱える IBM リサーチ部門の1つ。同研究所は神奈川県大和市にあり、現在約200名の研究員がいる。 関連記事 最新トップニュース
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