![]() ![]() ![]() ![]() オープンソースソフトウェアで実現するサーバー仮想化技術――2この記事のURLhttp://japan.internet.com/webtech/20071108/6.html
著者:山崎靖之
国内internet.com発の記事
前回のコラムでは、仮想化の概念について簡単に説明しました。
今回はサーバー仮想化がもたらすメリットについて、
サーバー運用の観点から考えてみます。
サーバー仮想化によるメリット サーバー仮想化技術を採用するメリットは多々ありますが、 企業でのサーバー運用において、 一般的にもっともメリットがあるのが、 「稼働率の向上」と「運用の効率化」による「コスト(TCO)削減」になります。 ハードウェアサポートが切れた Windows NT など、 レガシーシステムの延命のために仮想化技術を採用する企業も多くありますが、 これは仮想化技術のメリットを十分に生かしきれていないケースと云えます。 ではなぜ、 サーバー仮想化技術を採用することでコスト(TCO)の削減が実現できるのでしょうか。 サーバー運用の現状(スケールアウト) 企業内データセンターでサーバーを構築する際に、 単一の処理能力の高いサーバー機に複数のサービスを導入するのではなく、 安価なラックマウントサーバーやブレードサーバーを複数台揃え、 サービスや処理能力の増強のためにサーバー台数を増やしていく、 スケールアウトで構成する状況があります。 スケールアウトは、Web など多数の比較的単純な処理を同時並行的に行うケースで、 更新データの整合性に対する要件が厳しくないケースに適しています。 スケールアウト構成には、主に以下のようなメリットがあります。 ・負荷分散により全体のスループットやパフォーマンスが向上する。 ・それぞれのサービスを多数の独立したサーバーに割当てるため、 OS リブートやハードウェア障害による影響を最小限に抑えられ、 メンテナンスの柔軟性や可用性が高くなる。 その反面、多くのサーバーで稼働率が低い状況が発生します。 これは、個々のサーバーの処理量を見積る際に、 システムリソース(CPU、メモリなど)をピーク時処理量に合わせて構成するため、 ピーク時以外の多くの時間は、 稼動せずに仕事を待っている状況が発生してしまうからです。 一般的に、処理の負荷状況が平均的なサーバーはほとんど存在しません。 データセンターでのサーバーごとの平均稼働率は10%〜20%台である、 とも言われており、平均稼働率を80%〜90%に高められれば、 ハードウェアコストを現状の3分の1〜4分の1まで削減できる可能性があります。 また、スケールアウト構成では、 物理的なサーバーが増加するため、 運用管理のコストが飛躍的に高くなります。 十分に考慮された運用管理環境が用意されていない場合、 サーバー数に応じて、インストールや筐体ごとの管理を実施しなければならず、 要員のコストも肥大化する可能性があります。 サーバー仮想化技術による改善 このような状況にサーバー仮想化技術を導入することで、 個々のサーバーは物理的なサーバーの制限から開放された仮想マシンの上で稼動し、 均一化された理想的なシステムとなり、 サーバーを仮想環境に集約することでができます。 仮想化されたサーバー環境では、 必要に応じてそれぞれのサーバー(仮想マシン)にリソースを分配することができるため、 より少ない台数のサーバーで既存の要求をまかなうことができます。 実際、サーバーの稼働台数を大幅に減らし、 平均利用効率を高めることに成功したユーザー企業も増えてきています。 分散した物理サーバーをどのように束ね、 どのように複数の仮想マシンを実装していくかが重要となります。 サーバー仮想化の種類 前回、仮想マシンを使用したサーバー仮想化には、 ホスト OS が必要なタイプと、 ホスト OS が不要なタイプがあることを紹介しましたが、 それ以外にも仮想マシンを用いずにホスト OS を仮想化するタイプの仮想化技術も存在します。 これらのサーバー仮想化技術は、それぞれ特徴をもっており、 実現したい仮想環境に合わせて採用する仮想化技術を選定する必要があります。 それぞれのタイプごとにその特徴を見ていきましょう。 仮想マシン(アプリケーション): ホスト OS の上にアプリケーションとしてインストールし、 仮想化を実現するこのタイプのソフトウェアには、 VMware Workstation/Server や Microsoft Virtual Server などがあります。 このタイプの特徴としては、 汎用ホスト OS にデバイスドライバやアプリケーションのインストールが可能なため、ハードウェアの選択肢が広いという特徴があります。 また、仮想マシン環境を簡単に作成できるため、 多くのテスト環境やサポートの現場で使われています。 この方式のソフトウェアは、 多くが商用製品ではあるものの無償で提供されているのも特徴のひとつです。 反面、ホスト OS が介在するため、 仮想化のオーバーヘッドが大きいなどパフォーマンス面で問題があります。 仮想マシン(ハイパーバイザー): ホスト OS を必要とせずに仮想化を実現するこの方式のソフトウェアには、 VMware ESX Server や Xen などがあります。 また、次期リリースの Windows Server 2008 に採用される仮想化技術(Windows Server Virtualization)もこのタイプに属します。 この方式の特徴として、 ホスト OS を介さずに専用の OS で仮想化を実行するため、 仮想化のオーバーヘッドが少なく、 パフォーマンス面で優れているという特徴があります。 反面、専用 OS を使用するため、 専用のデバイスドライバが必要となり、 対応ハードウェア(デバイス)が限定されるといったデメリットがあります。 しかし、Windows や Red Hat、 SuSE といった OS の機能として仮想化技術が提供されるようになった現在では、 このデメリットも解消されつつあります。 OS 仮想化: 仮想マシンを使用せずにホスト OS を共有し、 仮想環境を作成するこの方式には、 SWsoft Virtuozzo/OpenVZ や Sun Containers などがあります。 この方式の特徴としては、 CPU やメモリなどのリソースをゲスト OS 同士で共有するため、 仮想化のオーバーヘッドが非常に少なく、 仮想マシンタイプに比べてより多くのゲスト OS を稼動させることができます。 しかし、OS 仮想化では仮想マシンを作成せずに単一ホスト OS を共有するため、 Windows と Linux のように異なる OS を同時に稼動させることはできません。 これら仮想化ソフトウェアの特徴を理解した上で、 仮想環境で適切にリソースを配分し、 ピーク時処理の分散を行うことで、 理想的な仮想環境を構築することができます。 これにより稼働率や運用管理の問題も解消できる可能性があります。 次回は、OSS のサーバー仮想化ソフトウェアについて紹介していきます。 記事提供:サイオステクノロジー株式会社
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