本記事は、2008〜2009年のストレージ業界について、ソフトウェアとハードウェア各分野の展望を試みるものだ。簡単に予測できることもあれば、かなり大胆な予測もある。
ソフトウェア分野
- 2009年までに、オブジェクト ストレージ デバイス (OSD) の『SNIA/T10』に準拠したファイル システムをサポートするベンダーが、少なくとも1つは増える。ファイルをオブジェクト単位で管理する OSD 形式を採用すると、現在主流になっている大方のブロック単位のファイル システムに比べ、スケーラビリティが向上する可能性が高い。
- 2009年初めには、『pNFS』のサポートを備えた『NFSv4.1』仕様の実装が複数利用可能になる。大規模環境の運用を大きく変える可能性を秘めた NFSv4.1 は、今後も注目の仕様だ。
- 大規模システム構成におけるエラー管理については、これといって変化はないだろう。エラー管理にこそ大きな変化が必要なのだが、そんなことは起こりそうにない。残念ながら、これは簡単に予測がつく。
- 検知できないエラーの問題により、データパスに関して ANSI T10 技術委員会の『DIF』、あるいは Sun Microsystems の『ZFS』ファイル システム以上の変化がソフトウェアに求められるようになる。検知できないエラーの問題は、当初考えていたよりずっと大きな問題だということに人々は気づき始めている。
ハードウェア分野
- AMD および Intel の CPU 搭載サーバーが、データ伝送速度が毎秒5GB の『PCI Express 2.0』をサポートする。
- 2007年中には、新しいシステムに搭載される SAS ディスク ドライブの出荷台数が、FC ドライブを上回る。
- 2009年初めには、エンタープライズ向けシステムで2.5インチの SAS ドライブが業界標準になる。出荷台数も3.5インチ ドライブを上回る (これはやや思い切った予測なので、実際どうなるか注目だ)。
- 2008年の末には、8ギガビットの FC ドライブが、ホスト バス アダプタ (HBA) とスイッチの両市場に入ってくる。その影響は2008年中はまだ限定的だが、2009年には本格化する。
- テープの記録密度は2008年、ついに圧縮しない状態で1テラバイトに到達する。毎年そう予想していた人にとっては、ようやく予想の当たる時が来る。
- ディスク ドライブの記録密度もさらに向上し続けるが、伸び率はやや鈍化する。思いがけない技術革新でも起こらない限り、この予測はまず外れないだろう。
- ワットあたりの IOPS (1秒あたりの入出力処理回数) を向上させるため、エンタープライズ環境へのフラッシュ メモリ技術の採用が進む。筆者は来年、フラッシュ メモリ ドライブに関する記事をこれまで以上に書くつもりだ。
以上が、筆者の2008〜2009年の展望だ。昨年はコイントス並みの予測しかできなかったが、うまくすれば今年の予測はまずまず当たるのではないだろうか。楽しいクリスマスを。そして、良いお年を。
(筆者の Henry Newman 氏は、高性能コンピューティング (HPC) およびストレージの分野で、27年の経験を有する業界コンサルタントだ。)