Apple が2007年9月に発売した容量160GB の『iPod classic』は、音楽や映画を愛する人にとっては夢のマシンだ。だが、企業の情報セキュリティを預かる IT 担当部署にとっては、悪夢といえる。
なぜなら、このポケットサイズの USB ストレージ機器をコンピュータに接続すれば、どんな従業員でも、メーリングリストをはじめ、データベース、財務データ、顧客の個人情報に至るまで、膨大な量の企業情報を盗むことができるからだ。
こうした問題に対処するため、USB などの接続ポートを遮断する周辺機器管理製品の提供に乗り出すベンダーが増えている。ほとんどの製品は、サーバー上で動作する設定プログラムと、エンドユーザーのマシン上で動作するエージェントが組み合わさって機能するものだ。数年前まで、こうしたソリューションは比較的単純だったが、いまや『Active Directory』と連動し、グループポリシーに従ってユーザーの周辺機器接続ポート利用を認否できるまでに洗練度が増している。また、使用するストレージ機器を特定のものだけに制限することもできる。たとえば、iPod にはデータを移せないが、適切な暗号化技術を備えた USB メモリならデータを移せるといった設定が可能だ。
Lumension Security のソリューションおよび戦略担当ディレクタを務める Don Leatham 氏によれば、従業員が日常的に USB ポートにアクセスして仕事をしている場合、この種の管理ソフトウェアの導入は、破壊的な影響を及ぼす危険性をはらんでいるという。同氏は、まずどのようにデータが出入りしているか確かめて、運用ポリシーを決めることが大事だと語った。Lumension Security は、周辺機器管理製品『Sanctuary Device Control』を手がける会社だ。
商用ソリューション以外に、オープンソースのツールを使う道もある。『TrueCrypt』というオープンソース アプリケーションをインストールすれば、どんな USB ドライブでも、安全なストレージ装置として使用できるようになる。このアプリケーションは、パスワードがなければアクセスできない暗号化ボリュームをドライブ内に作成するものだ。暗号化ボリュームのマウントに必要なドライバは、ドライブの非暗号化部分に保存できるため、可搬性も阻害しない。