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テクノロジー2008年5月28日 11:10
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再燃するセマンティック Web 議論

この記事のURLhttp://japan.internet.com/webtech/20080528/12.html
著者:Richard Adhikari
海外internet.com発の記事
セマンティック Web というと、小さな理想郷を実現させるものだと考える人たちもいれば、一方では、これは世界の終わりを示すものだと捉える人たちもいる。

前者のセマンティック Web 支持派には、主に科学者や研究者らが含まれ、コンピュータを使ってさまざまなソースのデータをリンクさせ、世界を全体的に見わたせるようになることを望んでいる。

これに対して後者は、テクノロジの社会的影響のほうに強い注意を向けている人たちで、セマンティック Web はプライバシーの重大な侵害につながりかねないうえ、現実社会のコミュニケーションにおける言外の意味とか曖昧さといったものを見落としてしまうことがあるため、役に立たない結果を出すことになると考えている。つまり、現実社会でしばしば肯定のうなずきと同じ意味を表すウィンクのようなものを、見落としてしまうということだ (さて、コンピュータにおけるウィンクとはなんだろう?)。

もちろん、両者の意見がどちらも正しい可能性はある。結局、この議論のポイントは、技術の進歩は社会にどのような影響を与えるかということにあるだろう。

科学者は、自分たちの世界を明快なものとしてとらえ、本質的でないあいまいな部分はないものと考える傾向がある。セマンティック Web に賛成する立場をとる人たちの代表格が、レンセラー工科大学 の James Hendler 教授だ。

「わたしの仕事は、適当な量のメタデータを使って異種のデータの統合を試みることで、メタデータを使って、言語や特定のデータを用いてできないことをすることだ」と、Hendler 教授は取材に応えて語った。

たとえば、YouTube で動画を検索する場合も、「アーティスト名や自分の見たいものがわからなければ」おそらく成果は得られないだろうと、同教授は話す。動画コンテンツに短い説明文があれば役に立つが、YouTube に動画を投稿する人は、「動画を投稿する際に、あまりたくさんの語句を記したいとは思わない」はずだと、Hendler 教授は指摘する。

しかし、たとえばジェームズ・ボンドの『007 ゴールドフィンガー』を探しているとして、ファイルに少量のメタデータが含まれていれば、名前を知らなくても目当ての映画を見つけられる可能性がある。

セマンティック Web という考え方は、Web の生みの親と言われる Tim Berners-Lee 氏が1999年に明快に説いたとおり、コンピュータが「コンテンツも、リンクも、人とコンピュータの間のやり取りも含めて、Web 上のすべてのデータを分析できるようになる」Web のことで、これによって、「取引や役所の煩雑な手続き、さらにはわれわれの日常生活などにおける日々のメカニズム」が、コンピュータ同士の通信で処理されるようになるというものだ。

素晴らしいビジョンだが、これに批判的な人たちは、セマンティック Web はその副産物として、プライバシーの重大な侵害を招く危険性があると警告する。結局、こうした日々の業務を効率よく処理するためには、コンピュータは万人、万事についてできるだけ多くを知っていなければならなくなるからだ。
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