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2008年9月19日 10:00

ただのプレーヤーからネットプレーヤーへ!「iPod」が変えたライフスタイル

今やデジタル音楽プレーヤーは、携帯電話と並ぶ生活必需アイテムだ。デジタル音楽プレーヤーは様々な製品が発売されているが、Apple の iPod ほど世界中で利用されている製品はない。Apple は、つい最近も新しい iPod ファミリーを発表したばかりだ。

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デジタル音楽プレーヤーといえば「iPod」と答えが返ってくるほど普及した iPod は、我々の生活スタイルを変えた製品でもある。

では、なぜ iPod はこれほどの人気を得られたのだろうか。どのようなハイテク技術が盛り込まれているのだろうか。世界を変えてきた iPod の技術の歴史を辿りながら、その秘密をみてみよう。

■iPod以前のデジタル音楽プレーヤー
iPod の話に入る前に、そもそもデジタル音楽プレーヤーとはどういう機器のことだろうか。どういう技術で動いているのだろうか。簡単におさらいしておこう。

●デジタル音楽プレーヤーとは?
デジタル音楽プレーヤーとは、デジタル方式で録音された音楽ファイルを再生する機械の総称だが、iPod のように携帯性に特化したプレーヤーを指すことが多い。もともとは音楽を聴くための機械だが、今日では動画やボイスレコーダーなど、音楽再生以上の機能を備えた製品も登場している。

●デジタル音楽プレーヤーの先祖は?
デジタル音楽プレーヤーの元祖には諸説あるが、日本では1979年7月1日に発売されたソニーの「ウォークマン TPS-L2」を起源とする説が有力だ。

「ウォークマン TPS-L2」の初号機は、ポータブルモノラルテープレコーダー「プレスマン」から録音機能を除いてステレオ再生に対応させたことが、誕生のキッカケとなったようだ。

ちなみに「ウォークマン」という名称は日本向けの商品名であり、アメリカでは「サウンド・アバウト(Sound about)」、イギリスでは「ストウ・アウェイ(Stow away)」という商品名で販売された。

ところが、日本のお土産として「ウォークマン」を持ち帰る旅行者があとを絶たず、「ウォークマン」の知名度が海外でも広まったこともあり、あとから外国でも「Walkman」という商品名に統一された。

初期のウォークマンはメディアに磁気テープを使用していたが、メディアはデジタル機器の技術革新とともに CD、MD、DAT、ハードディスク、フラッシュメモリへと変化を遂げていくことになる。

●デジタル音楽プレーヤーの仕組み
デジタル音楽プレーヤーは主に下記の5種類のパーツから構成される。

・音楽ファイルを記録する装置(メディア)
・音楽ファイルを再生するためのデコーダーチップ
・音を増幅させるアンプ
・操作ボタン
・バッテリーなど

ここでのデコーダーチップとは、ある一定の規則に基づいて符号化されたデータを、元のデータまたは信号復元するチップのことだ。このチップがあるからこそ、MP3 形式や ATRAC3 形式といった様々な音楽ファイルをプレーヤーで再生できる訳だ。

■iPod の技術革新の歴史
iPod は2008年9月現在、利用目的や形状の違いにより「iPod nano」「iPod touch」「iPod shuffle」「iPod classic」の4種類に大別され、これらをまとめて「iPod ファミリー」と読んでいる。

iPod はどのようにして生まれたのだろうか。iPod の誕生から今日までの歴史を、そこに盛り込まれた技術とともにみてみよう。

●世界初の iPod が誕生:ハードディスクを内蔵し、膨大な楽曲を手にする
iPod は2001年10月24日、デジタル音楽プレーヤーの世界に初めて姿を現した。初代 iPod は記録メディアに2.5インチサイズで5GB のハードディスクを内蔵し、約1,000曲の音楽データを持ち歩くことができた。

楽曲の再生などの操作はドーナツ型のリングを指で操作する「スクロールホイール」が採用されていた。

初代 iPod は Macintosha 専用でパソコンと接続してパソコン内の音楽ファイルを iPod へ転送するかたちをとっていた。また機能的な面では、音楽ファイルの再生機能しかなかった。

考えてみると、iPod は初代から四角と丸が特徴的なデザインを採用しており、このデザインは最新モデルの「iPod nano」「iPod shuffle」「iPod classic」にも継承されているのだから驚きだ。

●ハードディスクと iTunes で劇的な進化を遂げる iPod
ハードディスクを内蔵した iPod/iPod classic の世代を追いながら iPod ファミリーの歴史をみてみよう。

・第1世代
2002年3月21日、10GB のハードディスクを内蔵した iPod が発売され、約2,000曲の楽曲を持ち歩くことが可能となった。iPod にカレンダーやアドレス帳などとの同期機能が付いたのも、この頃からだ。そして iPod は劇的な進化を遂げていくことになる。

iPod が他社のデジタル音楽プレーヤーと大きく異なっていた点はパソコンの「iTunes」で管理していた音楽を iPod で持ち出すという明確なコンセプトのもとに開発されていた点だ。実際、iPod は「iTunes to go」というキャッチフレーズとともに発売されている。

・第2世代
2002年7月17日、Macworld において第2世代の iPod が発表された。ハードディスク容量も増え、約2,000曲の楽曲を持ち歩ける10GB 版とその倍の20GB 版が登場し、この世代で初めて Windows に対応した。

初期の iPod のスクロールホイールは機械式であったが、この頃から「タッチホイール」と呼ばれるタッチセンサー式のホイールに変更された。直感的に説明すると、ノートパソコンでよく見られるタッチパッドが、iPod に付いたと思えばわかりやすいだろう。

・第3世代
2003年4月28日、第3世代の iPod となる「ultrathin iPod シリーズ」が発表された。ハードディスク容量が10GB と15GB、30GB の3製品。2003年9月、15GB が20GB へ、30GB が40GB へとハードディスク容量が増強され、その後10GB モデルは15GB モデルに置き換わることになる。この世代からMacintosh版とWindows版との区別がなくなった。

第3世代の iPod は FireWire 端子の代わりに「Dock コネクタ」と呼ばれる専用端子が採用された。USB 接続での接続が可能となったのもこの世代からであるが、iPod 本体の充電には6ピンの FireWire 端子を使用していた。

2003年10月17日、Windows 版の iTunes が発表され、サードパーティー製の転送ソフトを利用していた Windows ユーザーも iTunes を利用できるようになる。

・第4世代
第4世代の iPod は2004年7月19日に発表された。前世代からの大きな変更点は iPod mini で採用された「クイックホイール」で、これ以降の iPod や iPod nano はすべてこのホイールを採用している。

クイックホイールはタッチセンサーに機械式スイッチを組み込んだものだ。これによりホイールと画面の間にあった操作ボタンを省くことが可能となり、見ためもより洗練された。

2004年10月28日、画像の表示能力を高めた「iPod photo」が発表された。最大の特徴は6万5,536色の同時発色が可能な液晶パネルを採用した点で、JPEG/BMP/GIF/TIFF/PNG 形式の画像ファイルを持ち歩いて表示することができる。

マイクロドライブで小型化へ - iPod mini / iPod nano
iPod は世代を重ねるごとに本体の薄型化が図られたが、全体的な大きさはほどんど変わらなかった。そんなさなかの2004年1月7日、Apple は iPod よりも小型な「iPod mini」を発表した。

「iPod mini」はハードディスクにマイクロドライブを採用したことで、保存可能な楽曲は iPod に比べてはるかに少なくなったが、小さなポケットにも入る本体サイズを実現した。小型のデジタル音楽プレーヤー市場向けの iPod としては初の製品となる。

画面表示は iPod よりも1行分少なく、タイトルやアーティスト名しか表示できなかったが、2005年9月7日に発表された後継機種の「iPod nano」では、アルバム名も表示できるようになった。

初代 iPod nano はフラッシュメモリの容量の違いで、2GB と4GB の2種類のモデルが存在する。本体サイズは90縦×40横×6.9厚さ(mm)、重さが約42gという小型で軽量な製品だが、6万5,536色表示が可能な1.5インチのカラー液晶を採用し、音楽 CD のジャケットや静止画をカラーで見ることができた。

オプションには、iPod nano をボイスレコーダーにする周辺機器も販売された。その後、iPod nano は第4世代まで進化を遂げることになるが、一環して小型の音楽プレーヤーを維持している。話を大きな iPod に戻そう。

2005年6月28日、iPod には USB ケーブルおよび USB 接続の AC アダプタが同梱されたが、FireWire ケーブルはオプション品で用意された。

iPod の画像をテレビに出力できる「iPod AV ケーブル」、デジカメから iPod へ画像を直接転送できる「iPod カメラコネクタ」等が用意されるなど、iPod を活用できるオプション機器が充実してきたのも、この頃からだ。

iTunes はバージョンが4.9となり、iTunes および iPod にポッドキャスティング機能が追加された。

・第5世代
2005年10月12日、第5世代の iPod が発表された。ハードディスク容量は30GB(※1)と60GB(※2)のモデルが用意され、第4世代に比べて画面が大きくなった。画面は2.5インチ(320×240ピクセル)のカラー液晶で、MPEG-4/H.264 形式の動画が閲覧できるようになり、動画プレーヤーとしての機能が充実した。

この世代から FireWire でのデータ転送ができなくなり、リモコン端子がなくなった。

iPod が動画に対応したことで、iTunes Store での iPod 向け動画の販売が開始された。ちなみに2006年9月12日以降の iPod には iTunes が同梱されていないので、iTunes がないパソコンではインターネットから iTunes を入手してインストールしなければならない。

オプションとしては、FM ラジオチューナー機能付きのワイヤードリモコンが発表され、第5世代以降の iPod および iPod nano で FM ラジオ放送が受信できるようになった。

(※1)音楽約7,500曲、動画約75時間、連続音楽再生時間14時間、連続スライドショー再生時間3時間、連続動画再生時間2時間
(※2)音楽約1万5,000曲、動画約150時間、連続音楽再生時間20時間、連続スライドショー再生時間4時間、連続動画再生時間3時間

あえて液晶をなくして小型化 - iPod shuffle
iPod mini/nano と並んで小型プレーヤーとして忘れてはならない製品が「iPod shufffle」の存在だ。「iPod shuffle」は2005年1月11日、Macworld Conference&Expo において発表され、即日発売が開始された。

「Enjoy uncertainty.」「Life is random.」というキャッチフレーズのもとに、「iPod shuffle」はあえて液晶画面を排除している。具体的には、iTunes のオートフィル機能を使用して、ライブラリの中からランダムに楽曲を選択肢して「iPod shuffle」に転送する。

「iPod shuffle」では、転送された楽曲をシャッフルして聴くというかたちをとるので、好きな楽曲をその場でチョイスして聴くという使い方はできない。

メディアにはフラッシュメモリが採用され、USB メモリーのようにパソコンのファイルを置くこともできる。初代はパソコンの USB 端子に直接接続するタイプの製品で iPod のような液晶画面がない理由は、転送された楽曲をシャッフルして聴くというコンセプトを持った製品であるからだ。

2006年9月12日、第2世代の iPod shuffle は本体サイズが第1世代のおよそ半分となり、本体とクリップが一体化したデザインで服やベルトに簡単に取り付けられるようになった。発売当初はシルバーだけのカラーバリエーションであったが、のちにグリーン、ブルー、ピンク、オレンジ、レッド、パープル、ピンクと色数を増やしていった。

・第6世代
2007年9月5日、「iPod classic」と呼ばれる第6世代の iPod が発売された。ハードディスク容量が80GB と160GB の2つのモデルが用意され、本体や画面のサイズは第5世代を踏襲している。

機能的な面では、CoverFlow 機能が新たに追加され、コンポーネント接続によるプログレッシブ出力が可能となっている。

ネットプレーヤーの誕生 - iPod touch
同日、第3世代 iPod nano とともに初代の「iPod touch」が発表された。「iPod touch」はフラッシュメモリを内蔵した iPod の中でも最も高機能な製品だ。「iPod touch」をひと言で言い表せば、マルチメディア機能を備えた PDA といえるだろう。

全面に「マルチタッチ」と呼ばれるタッチパネルを採用しており、画面のタッチに加え、どの程度の速度で画面をなぞっているのかまでを正しく認識することで、画面スクロールの速度を調整することができる。

2本の指で画面にタッチしながら、指と指の間隔を広げたり狭めたるする直感的な操作で、静止画や Google Maps の画面を拡大縮小する機能まで実現した。

さらに iPod touch を縦から横に回転させると、内蔵された加速度センサーがその動きを感知して画面の向きを自動的に切り替える機能も備わっている。ちなみに加速度センサーは第4世代の「iPod nano」にも備わっており、本体を横向きに回転させると Cover Flow 画面に切り替わり、アルバムのジャケットをめくるように表示できる。

さらに楽曲再生時には本体を振るアクションで、次の曲に移行する機能を備えている。

話が少しそれたので、iPod touch の話に戻そう。パソコンなしでインターネットを楽しめる点も、これまでの iPod にない機能だ。パソコンでお馴染みの Web ブラウザ「Safari」がプレインストールされており、内蔵の無線 LAN を利用することでネットサーフィンが楽しめる。これにより、iTunes Store から楽曲や動画を直接入手できるようになった。

ポータブル音楽プレーヤーはパソコンを経由しなければならなかったが、iPod touch は単体でも機能するネットプレーヤーとなった訳だ。YouTube プレーヤーもあらかじめ用意されており、同じく無線 LAN によるネット接続で YouTube の動画を楽しむことができる。

2008年9月9日、第4世代 iPod nano とともに第2世代の iPod touch が発表された。ハードウェア面では、基本的に第1世代の iPod touch を踏襲しているが、スピーカーと音声調整ボタンが新たに追加された。

iPod touch について少し付け加えておくと、ほかの iPod に比べて Apple Store で扱われているアプリケーションやゲームの数が多いほか、「iPhone Developer Program」に参加することにより、iPhone および iPod touch 向けのアプリケーションの開発や配布が可能となる。

iPhone Developer Program

iPod がこれほどまでにデジタル音楽プレーヤーの世界で成功した背景には、そのハイテク技術や iTunes の優れた操作性もさることながら、ユーザーのニーズに合わせて新しい使い方を提案してきた点にある。

とくにパソコンなしで音楽を扱えるようになった「iPod touch」はデジタル音楽プレーヤーの世界に革命をおこした製品といっても過言ではないだろう。iPod はどこまで進化するのだろうか。

参考:
デジタルオーディオプレーヤー | ウォークマン | iPod - ウィキペディアによる解説
iPod touch | iPod mini | iPod shuffle | iPod nano - ウィキペディアによる解説
 
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