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2008年12月12日 10:00

ネットだけで終わらない!メインマシンへと進化し続ける「ネットブック」最前線

今年のパソコン業界をもっとも賑わせた話題といえば、「ネットブック」を置いてほかにはないであろう。

ノートパソコン事業の基軸をネットブックへ転換するメーカーは日ごとに増え、ThinkPad でお馴染みの Lenovo や、デスクトップパソコンをメインに扱っている Gateway もネットブック市場への参入に踏み切った。

アイシェアの調査結果によると、約6割の人が購入意欲を持っており、ネットブック市場はさらに大きくなる可能性を秘めているようだ。

低価格ミニノートに6割が購入意欲 〜 8割が価格低下を予想、高まる期待 - アイシェア リサーチ

そんなネットブックは今までのノートパソコンに比べて低価格、小型である点をアピールして販売していたわけだが、最近では10インチ以上の液晶ディスプレイを搭載するB5サイズのネットブックや、OS の起動速度の速さをうたった製品も登場し始めており、安価・小型というキーワードが必ずしもあてはまらない機種も増えてきている。

そこで今回は、進化し続けるネットブックの最前線を追ってみよう。

■ネットブックの進化と疑問
「ネットブック」とは、インターネットに特化したノート PC を指すわけだが、歴史はまだ浅い。急速に話題と人気を集めた「ネットブック」の登場から今までを振り返ってみよう。

●「Eee PC」から歴史は始まった
ネットブックの歴史は ASUS のミニノート PC「Eee PC」から始まったと言っても過言ではないであろう。ASUS が2007年に発売した初代 Eee PC は10万円を切る価格を実現していたが、インターネットもストレスなく楽しめるノート PC だったため、熱狂的なパソコンユーザーのハートをガッチリとつかまえることに成功した。

そんな ASUS に続き、Acer、SOTEC、HP などの外資系のパソコンメーカー、東芝や NEC、エプソンダイレクト、マウスコンピューターといった国内のパソコンメーカーも追従し、今日にいたっている。

●「100円パソコン」のカラクリ
家電量販店に行くと、「100円パソコン」というポップをよく見かける。「100円パソコン」といっても玩具のパソコンではなくれっきとしたノートパソコンだが、この100円パソコンこそネットブックだ。

「100円でパソコン」が売れる秘密は「0円ケータイ」のカラクリとよく似ている。無線 LAN 内蔵のネットブックであれば、外出先で無線 LAN スポットを利用することでインターネットへの接続ができるものの、無線 LAN スポットは駅の周辺などエリアが限られている。

どこでもインターネットを楽しもうと思えば、データ通信を提供するキャリアとの契約が必要となる。そこに目をつけたのが「100円パソコン」だ。「100円パソコン」では、ネットブックと通信端末およびキャリアとの契約を同時に行うことを条件に100円という信じられない価格を設定している。

●1コアなのに2コアに見える CPU
多くのネットブックはシングルコア(1コア)の「N270」という Atom プロセッサーを採用している。Atom プロセッサーの特徴は小型で性能がよく、バッテリーが長持ちする点にある。

10万馬力どころじゃない! 小型ノートパソコンを超安くした「Atom」 - ITライフハック

この「N270」は1コアだが、タスクマネージャーから見ると2コアのプロセッサーと認識され、実際に2コアとして動作しているように見える。

1コアなのに2コアに見えるのは、なぜか?

実は、Pentium 4に採用されていたハイパースレッディング(HT)を内蔵しており、2コアの CPU として認識されているのだ。その結果、マルチコア対応のアプリケーションにおいては、同じ動作クロック周波数において1コアの CPU に比べ高いパフォーマンスが期待できる。

Intel Atom Processor(英文) - Intel

■進化し続けるネットブックの現在と未来

●高級感あふれるネットブックの登場
ネットブックは安価な PC パーツで構成されているために、初期のネットブックは会社は違えどスペック的にほとんど変わらない製品も多かった。そんなネットブック市場へ一石を投じたのが日本エイサーだ。

日本エイサーは見ためで高級感があふれるネットブック「AspireOne」を市場へ投入し、見事に成功をおさめた。DisplaySearch, compiled by Digitimes, December 2008によると、ネットブック市場において38.3%のシェアの首位を獲得し、それまでトップだった ASUS を追い抜いた。

販売台数は前年比1400%以上、爆発的にヒットした低価格ミニノート市場の勝者が明らかに - GIGAZINE

そんなネットブック市場をネットブックの仕掛け人ともいえる ASUS が手をこまねいているはずがない。早くも美しいデザインのネットブック「Eee PC S101」でトップの巻き返しを狙っている。「Eee PC S101」はラメの入った光沢の天板が特徴でカラーバリエーションは3色、キーボードにもラメが入っている。

ほかのメーカーでは、日本ヒューレット・パッカードが中国出身の有名ファッションデザイナー Vivienne Tam(譚燕玉)氏とのコラボモデル「HP Mini 100 Vivienne Tam Edition」を発表した。女性を意識した深紅のボディーに芍薬(シャクヤク)の花をあしらった天板を採用している。

●使いやすさで差をつける
ASUS が投入した「Eee PC」をネットブックの第1世代と考えると、最新のネットブックは第3世代にあたるだろう。世代の変化がもっとも感じられるのが画面とキーボードだ。

第一世代のネットブックは液晶サイズが7インチから始まったわけだが、8.9インチ、10.2インチと拡大の一途をたどっている。画面を大きくしたぶん本体サイズも若干大きくなっているが、それでも十分に小型だ。また液晶の大型化にともないキーボードのキーピッチも広くとれるようになったことで文字入力などのキータッチ操作を改善している。

特に日本ヒューレット・パッカードの「HP2133 Mini−Note PC」は1,280×768ドット表示に対応した液晶ディスプレイを採用した点が大きな魅力となっている。

●OS の高速起動を実現
ノートパソコンの悩みどころはデスクトップパソコンに比べて起動速度が遅い点だ。そこでハードディスクの代わりに SSD を内蔵する製品がいくつか登場している。

ASUS が発売したスリムタイプのネットブック「Eee PC S101」は SSD を内蔵し、「XpressPath」と呼ばれる高速技術により、30秒程度で OS の起動が可能となっている。

●ネットブックの弱点
あえてネットブックの欠点をあげるとすれば、それは速度だ。ネットブックはインターネットを活用するためのマシンとして考案され、安価な PC パーツを使用しているので、スペックは必要最小限に抑えられている。

国内メーカーの高性能なノートパソコンでは、高精細な3次元グラフィックスを高速に描画するために GPU(※1)を搭載している製品も用意されているが、ネットブックで GPU を内蔵した製品はまだない。地デジチューナーや DVD ドライブを内蔵した AV ノート PC がネットブックに少ないのは、そういった理由だ。

低価格を最大の武器に、インターネットの活用とメールの閲覧を目的として登場したネットブック市場だが、多くのメーカーが参入したことにより少しずつ差別化が始まっている。

技術の進歩とともにパソコンの部材は確実に安くなる。液晶ディスプレイの高解像度化など、ネットブックはこれからもより高機能化の道を歩んでいくだろう。

(※1)Graphics Processing Unit(グラフィックス プロセッシング ユニット)の略称。画像処理に特化した専用チップを指す。

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記事提供:IT ライフハック

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