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2009年4月28日 11:00

クラウドソーシング×クラウドコンピューティングは、サイト構築の新常識か?

経済産業省は、平成21年2月の特定サービス産業動態統計(PDF)を発表した。

ソフトウェアプロダクトの売上高は、昨年同月比で実に10%以上減少している。一方 SaaS の代表格、米国 salesforce.com の直近の業績発表(2008/11-2009/1/31)では、売上高は前年比34%増だ。有償ユーザー数も40万ユーザー増加して150万ユーザーを超えている。

これらの数値はリーマンショックに端を発した、世界同時不況による一過性の現象ではなく、ソフトウェア産業の大きな構造変化を物語っている。例えば前出の salesforce はひと月1,000円/ユーザーで SFA パッケージが使える。これまで、SFA システムを予算の都合上利用できなかった多くの企業に、門戸が開いた。

「使うのをやめよう」と思えば、サービスを解約を申し込めばいい。減価償却に頭を悩ませる必要もない。Google の Google Apps や Microsoft の Windows Live は、無料で相当のサービスを利用することができる。小額の費用を負担してドメインを Google Apps に移行し、社内メールを Gmail とする例も増えてきている。

個人の利用環境も、光ファイバーや携帯通信インフラの整備を背景に、mixi、Gree、モバゲーなどの SNS や、YouTube、ニコニコ動画などの動画サービスを楽しむことも当たり前の世の中だ。しかも基本的に無料だ。

とりわけ標準化が急速に進行中の「インターネット上でコミュニティを形成する Web サイト(Social Web サイト)」にフォーカスをあてると、その構築手法には、3つの新基軸がみえてくる。

3つの新基軸
3つの新基軸
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(1)開発手法:クラウドソーシング
Web2.0 でよく使われるキーワード「ロングテール」は、オンライン小売店の物流・在庫コストが従来型の店舗のそれと比較して劇的に安価であることから、ニッチな顧客まで対象として営業活動の想定を可能とした。

この図式は、Web サイト開発手法にも大きな変化をもたらし始めている。Webサイト構築を実現するための担い手、Webサイトのデザイナー、プログラマー、テスター、運用担当者、さらには Web ディレクターまでを、ネットの先につながる全世界の人々から広く募集することができる。

様々なサービスモデルを利用すれば、そのプロジェクトにあった体制の確立が可能になりそうだ。米国を中心に多数のサービスが開始されており、実績もかなり出始めている。注目のサービスについては、こちらを参考にされたい。

(2)運用手法:クラウドコンピューティング
Amazon EC2 を代表格として、国内でも試用が徐々に始まっている。従来、自前ないしデータセンターに委託していたインフラを安価に、小ロット(サーバー1台相当)から1時間単位で契約できる。

契約内容の変更も短時間で適用可能だ。Social Web でよくある、スモールスタート(小規模なインフラ設備で安価に立ち上げ)してから、サービスの成長曲線に従ってスケールアウト(設備の増設)するシナリオを考えたい場合、大変魅力的だ。

とりわけ一時的に利用集中が見込まれる場合に、そのタイミングだけシステム構成を変更するといったダイナミックな運用も可能だ。サービスを終了したければ、単に解約すればいい。遊休資産をもてあますこともない。

Google App Engine や Microsoft Azure なども大きな注目をされている。こちらは単にサーバー相当の資産の使用権だけでなくアプリケーションも提供する。

これらを活用すると、本当にコストが下がるのか?セキュリティに不安は無いのか?利用制約は実際のところないのか?トラブルはないのか?…初めて利用するものには不安は尽きない。

(3)ソリューション:オープンイノベーション
Facebook アプリ、Opensocial といったメガ SNS 主導の API 規格が整備されつつある。これにより、アプリケーションとプラットフォームの区分けがはっきりしてきた。

それぞれを自由に組み合わせて Social Web を構築することも、現実味を帯びてきている。また、コミュティ間のデータ共有についても Friend connect、Facebook Connect、Data Portability などの規格が整いつつある。ID の連携にしても、海外のみならず、mixi、Yahoo!、はてな、エキサイト、Sonet-SNS など、国内のメジャーコミュニティが OpenID に対応している。

Windows Live も今年対応予定だそうだ。さらに、自らが API、オープンソースのプログラムを組み合わせてサービスを構築することも可能だ。例えば、Google API はおびただしい数のサービスメニューを用意している。

Google Data API、Google Map API など定番 API から、あまり聞きなれない Google Checkout API(eコマースサイト向け決済サービス)などの70種類を超える API が存在する。マイミクなどのソーシャルグラフを使ったサービス・アプリケーションを開発可能にする「mixi アプリ」の講習会も大盛況だ。

このコラムでは、上記3基軸で注目されているサービス・技術を実際に利用・調査し、その体験をレポートしてゆきたい。

Web サイトの構築を担当されるプロジェクトマネージャや技術者、顧客に最適なソリューションを提案したい営業担当、社内のインフラをコストパフォーマンスよく実現したい CIO の方々は、一層、「早く」「安く」「うまく(トラブル無く)」Web サイトをリリースすることを期待される。読者諸氏の Web サイト構築の参考にしていただければ幸いである。


執筆:株式会社ループス・コミュニケーションズ 福田浩至、岡村直人

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