Technology
テクノロジー
ついにβが外れた Gmail!法人利用は加速するか?(前編)
2009年7月7日、Gmail のβ(ベータ)が外れた。
Gmail の有料サービスには、SLA はこちらに明記されている。文中、「10分未満の断続的なダウンタイムは、ダウンタイム時間として計測しません」など、「ユルイ」感じもするがβがとれたことは心理的に大きい。
Google Apps を利用すれば、利用している独自ドメインの設定を変更するだけで「name@独自ドメイン」でのメール利用も可能だ。本格的な法人利用も現実味を帯びてきた。
Premier Edition では、1アカウントあたり年間6,000円(100アカウント以上)。メール機能だけの利用を考えれば、決して安くない。ビック東海の One Office Mail は、かなりの高機能で500アカウント255円/月で提供されている。
また、さくらインターネットのメールボックスサービスは、メールボックスの容量は300MB と少ないが、年間1,000円でアカウント数無制限だ。
Gmail のメリットはメールだけではなく、Google Apps の機能を利用できることだ。カレンダーやチャット、コンテンツ(オフィス文書・PDF、ビデオ、写真)管理なども利用できることだ。さらに Google Sites を利用すれば、それなりにホームページも提供できそうだ。
図2は、Google Sites を利用したサンプルホームページの例だが、会社概要、ボードメンバーの紹介、製品紹介、営業時間やセミナーなどのスケジュール案内等のコンテンツにとどめ、レイアウトなどを凝らなければ作成できる。
これ以外にももちろん、地図(Google Map)や動画(YouTube)の埋め込みなども可能だ。このサービスは、50アカウントまでならば無料だ。該当する規模の会社であれば、ホームページとメールを維持するコストがドメインの管理費だけになる。中小企業とっては魅力的な話だ。
Gmail を企業に導入する場合、
・Web メールは使い勝手が悪い。どこからでも ID パスワードが分かってしまえば、だれでもアクセスできるようになる。
・サービスが中止になったり、メニューが急に変わる可能性もある。
・業務上重要な情報を他社に委託することについて不安がある。
(セキュリティ体制、インフラ構成などが不明であるとともに、蓄積された情報を Google が解析していないと、100%言い切れない)
といった懸念点が指摘される。Web メールの使い勝手はかなり向上している。情報統制上は、メーラーをクライアント PC にインストールするよりも、Web メールでサーバー管理する方策のほうが好ましいとの意見も聞く。
すでに、メールアクセスは Web メールに限定している企業も少なくない。サービス内容の変更については、Google も一企業であるので、中止したり内容変更する可能性はあるだろう。しかし、他のホスティング会社と比べて高いリスクでもないだろう。
本質的なところで気になるのが、個人情報や機密情報の対応だ。例えば、プライバシーマークを取得している企業(あるいは取得している企業と取引する企業)にとっては、ホスティング先データセンターのプライバシーマークの有無によって、マネジメントシステムが見直しが必要なケースも考えられる。
米国企業の Google は、JIS 規格であるプライバシーマークや ISMS を取得していない。しかし、プライバシーポリシーを読むと、プライバシーマークを保有する企業と同様に「JIS Q 15001個人情報保護マネジメントシステム―要求事項」にも対応した記載となっている。
FAQ の中にも、「Google のプライバシー ポリシーは、Google がサービスを展開するすべての国のプライバシー法に準拠するよう起草されています」といった記載がある。ちなみに米国には、日本の個人情報保護法のような、民間部門を対象とした包括的な法律はない。
Google はヨーロッパおよびアメリカのセーフ ハーバー プログラム(Safe Harbor Program)に登録している。セーフハーバー・プログラムは、Amazon、Oracle、Apple などネット系大手プレーヤーだけなく、P&G やアクサなど幅広い業種の企業が参加しているプログラムだ。
「セーフハーバー」とは「個人データの処理に係る個人の保護およびその自由な流通に関する欧州議会及び EU 理事会指令(EU 指令)」のレベルで個人情報保護が実施できることを自ら宣言し、登録するものだ。遵守できていないときには、連邦取引委員会(FTC)が不公正取引として制裁を加える罰則もある。そもそも、EU 指令は、わが国の個人情報保護ガイドラインを策定するきっかけでもある。
このように、Google は個人情報保護にしっかり意識をもっている。国内のデータセンターと比べてセキュリティ体制、インフラ構成が劣っているとは考えにくい。
大企業で利用が進まない背景は前述のとおりメール単機能では、コストメリットが期待できないことがある。また、昨年の3月に野口悠紀雄教授の「『グーグル恐怖症』を克服できるか」で述べられている見解もある。このような中、ユニチャームや東急ハンズ、JTB グループなど移行を表明する企業もあらわれてきた。
「案ずるより、生むが易し」。当社では、これを期に会社メールを国内ホスティング業者から Gmail に切り替えた。次回は、その実体験について報告する。
【当コラム執筆は、Looops Communications 取締役副社長の福田浩至が担当しています】
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| Gmail からβが外れる |
Gmail の有料サービスには、SLA はこちらに明記されている。文中、「10分未満の断続的なダウンタイムは、ダウンタイム時間として計測しません」など、「ユルイ」感じもするがβがとれたことは心理的に大きい。
Google Apps を利用すれば、利用している独自ドメインの設定を変更するだけで「name@独自ドメイン」でのメール利用も可能だ。本格的な法人利用も現実味を帯びてきた。
Premier Edition では、1アカウントあたり年間6,000円(100アカウント以上)。メール機能だけの利用を考えれば、決して安くない。ビック東海の One Office Mail は、かなりの高機能で500アカウント255円/月で提供されている。
また、さくらインターネットのメールボックスサービスは、メールボックスの容量は300MB と少ないが、年間1,000円でアカウント数無制限だ。
Gmail のメリットはメールだけではなく、Google Apps の機能を利用できることだ。カレンダーやチャット、コンテンツ(オフィス文書・PDF、ビデオ、写真)管理なども利用できることだ。さらに Google Sites を利用すれば、それなりにホームページも提供できそうだ。
図2は、Google Sites を利用したサンプルホームページの例だが、会社概要、ボードメンバーの紹介、製品紹介、営業時間やセミナーなどのスケジュール案内等のコンテンツにとどめ、レイアウトなどを凝らなければ作成できる。
これ以外にももちろん、地図(Google Map)や動画(YouTube)の埋め込みなども可能だ。このサービスは、50アカウントまでならば無料だ。該当する規模の会社であれば、ホームページとメールを維持するコストがドメインの管理費だけになる。中小企業とっては魅力的な話だ。
Gmail を企業に導入する場合、
・Web メールは使い勝手が悪い。どこからでも ID パスワードが分かってしまえば、だれでもアクセスできるようになる。
・サービスが中止になったり、メニューが急に変わる可能性もある。
・業務上重要な情報を他社に委託することについて不安がある。
(セキュリティ体制、インフラ構成などが不明であるとともに、蓄積された情報を Google が解析していないと、100%言い切れない)
といった懸念点が指摘される。Web メールの使い勝手はかなり向上している。情報統制上は、メーラーをクライアント PC にインストールするよりも、Web メールでサーバー管理する方策のほうが好ましいとの意見も聞く。
すでに、メールアクセスは Web メールに限定している企業も少なくない。サービス内容の変更については、Google も一企業であるので、中止したり内容変更する可能性はあるだろう。しかし、他のホスティング会社と比べて高いリスクでもないだろう。
本質的なところで気になるのが、個人情報や機密情報の対応だ。例えば、プライバシーマークを取得している企業(あるいは取得している企業と取引する企業)にとっては、ホスティング先データセンターのプライバシーマークの有無によって、マネジメントシステムが見直しが必要なケースも考えられる。
米国企業の Google は、JIS 規格であるプライバシーマークや ISMS を取得していない。しかし、プライバシーポリシーを読むと、プライバシーマークを保有する企業と同様に「JIS Q 15001個人情報保護マネジメントシステム―要求事項」にも対応した記載となっている。
FAQ の中にも、「Google のプライバシー ポリシーは、Google がサービスを展開するすべての国のプライバシー法に準拠するよう起草されています」といった記載がある。ちなみに米国には、日本の個人情報保護法のような、民間部門を対象とした包括的な法律はない。
Google はヨーロッパおよびアメリカのセーフ ハーバー プログラム(Safe Harbor Program)に登録している。セーフハーバー・プログラムは、Amazon、Oracle、Apple などネット系大手プレーヤーだけなく、P&G やアクサなど幅広い業種の企業が参加しているプログラムだ。
「セーフハーバー」とは「個人データの処理に係る個人の保護およびその自由な流通に関する欧州議会及び EU 理事会指令(EU 指令)」のレベルで個人情報保護が実施できることを自ら宣言し、登録するものだ。遵守できていないときには、連邦取引委員会(FTC)が不公正取引として制裁を加える罰則もある。そもそも、EU 指令は、わが国の個人情報保護ガイドラインを策定するきっかけでもある。
このように、Google は個人情報保護にしっかり意識をもっている。国内のデータセンターと比べてセキュリティ体制、インフラ構成が劣っているとは考えにくい。
大企業で利用が進まない背景は前述のとおりメール単機能では、コストメリットが期待できないことがある。また、昨年の3月に野口悠紀雄教授の「『グーグル恐怖症』を克服できるか」で述べられている見解もある。このような中、ユニチャームや東急ハンズ、JTB グループなど移行を表明する企業もあらわれてきた。
「案ずるより、生むが易し」。当社では、これを期に会社メールを国内ホスティング業者から Gmail に切り替えた。次回は、その実体験について報告する。
【当コラム執筆は、Looops Communications 取締役副社長の福田浩至が担当しています】
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