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2010年2月23日 11:00

「ダダ漏れ」時代到来。あなたの会社は大丈夫?

■仮想化エバンジェリスト・タカハシ氏
ユニアデックス社は「仮想化の落とし穴」というシリーズのビデオをホームページで公開している。スピーカーは、仮想化エバンジェリスト・タカハシ氏だ。

仮想化エバンジェリスト・タカハシ氏
仮想化エバンジェリスト・タカハシ氏
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毎回、仮想化にありがちな問題・特性をテーマとして、現在9話まで公開されている。明るい語り口で、技術的な内容をわかり易く説明してくれる。Twitter アカウントも用意されており、コンタクトやコミュニケーションも可能だ。

一昔前なら説明会や講演会に足を運ばなければ得られなかった情報を、自宅や会社の事務所に居ながら、好きな時間に何度でも視聴できる。きっと営業活動にもプラスに働いていることだろう。このように優秀な社員が積極的に情報・個性を発信することは、企業活動にも大きく貢献する。

同時に、タカハシ氏のセルフブランディングの成果も高まるだろう。今や、製品紹介やプロモーション、トップのメッセージなどの動画を YouTube や自社サイトに掲載・公開している企業は日本でも相当数に上る。

先日のソフトバンク社の決算発表のように、Ustream などの動画サービスを活用して生中継で放送する例も増えている。一旦、公開された映像は、観た人の関心を惹けばソーシャルメディアを介して瞬く間に全世界に伝搬してゆく。「ダダ漏れ」という言葉で表現される状況だ。

■ソーシャルメディアとプライバシーの関係
先月、日本弁護士連合会(日弁連)は、「多数の人物・家屋などを映し出すインターネット上の地図検索システムに関する意見書」を公開した。

多数の人物・家屋等を映し出すインターネット上の地図検索 システムに関する意見書
多数の人物・家屋等を映し出すインターネット上の地図検索システム
に関する意見書

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グーグルのストリートビューなどのサービスに使われている市街地の写真には通行人や家屋などが映る。意見書では、このようなサービスを提供する場合には、「プライバシー影響評価手続を実施し、肖像権・プライバシー権の制約の程度よりも、撮影・公表行為の必要性・社会的有用性の方が大きいかどうかについて事前に調査すること」としている。

サービスの便利さについては、多くの人が認めているとおりだが、権利侵害された当人にとっては迷惑な話だ。意見書にも「一般に他人に公表されたくないと思われる画像(例えば、ラブホテルに入る寸前のカップル、立ち小便をしている男性、路上でキスをする学生等)を集め、まとめたホームページがグーグル社以外の第三者によって多数作成されている」事を指摘している。

カナダや多くのヨーロッパの国々も「プライバシー問題があり」との評価を下し、国家的な問題にもなっている。日本でも自治体を中心に苦情が相次ぎ、グーグルも車載カメラの高さを低くするなどの対策を施しながらサービスを提供している。

当然、司法も市街地や人物が映った写真すべてが権利侵害にあたる判断するわけではない。上記の意見書の本文にも、違法と認定された判例と、そうでない判例が紹介されている。

判断の拠り所は、いわゆるフェアユース(公正利用)といわれる「利便性と保護」のバランスだ。我が国のフェアユース法制化については政府の「文化審議会著作権分科会法制問題小委員会 権利制限の一般規定ワーキングチーム」が検討を進めている。しかし、2010年1月の報告書(PDF)にも記載があるとおり、導入した場合のメリットやデメリットや法制化した場合の諸条件について議論している段階だ。

反対意見の論拠は、権利者に許諾を得ずに利用することが公認されたと解釈されることなどが上がっている。フェアユースの考え方、法制化に向けた進捗状況については、猪木俊宏氏・生貝直人氏の「いわゆる日本版フェアユースの課題と必要性」と題したブログが参考になる。

■運用ガイドラインの策定が不可欠
テレビ局のプロのカメラマンはもとより、一般社員でも良識があれば、上のようなシーンが映り込んだ映像を外部に公開する判断は「ない」だろう。しかし、「見落とすケース」、「判断がつかないケース」や「問題ないと思い込んでいるケース」も容易に想定される。

また、フェアユースの観点では問題なくても、機密情報を「ダダ漏れ」されては、企業にとっては致命的なリスクだ。この状態を放置することで、不都合な情報を配信するだけでなく、担当者がトラブルを恐れ、心配して情報発信の取り組み自体が消極的になることにもなりかねない。

社員が積極的に情報を配信できるように支援するには、社員個々人が「公開して良いもの、悪いもの」を判断できる指針を企業の共通方針(運用ガイドライン)として定義しておく必要がある。対象は、映像に限らず音声、テキストとして生み出される情報も含む。図に、企業から漏洩を防ぐべき項目例を示した。

企業から漏洩を防ぐべき項目例
企業から漏洩を防ぐべき項目例
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この例では、大項目として「社員の個人情報」、「企業情報」、「顧客の個人情報」について具体的な情報ごとに、公開ルールを定義している。

例えば、

・会社に所属する人の氏名については、会社が本人に承諾を獲ているので、HP や公式アカウントからの情報配信に限って、承諾なしに公開して良い。
・財務情報については、誤記入の恐れがあるので実データを転記せず、HP の IR に記載されているページの URL リンクのみ開示して良い。
・事業所の○○室だけは写真を撮影しても良い。

など、各企業ごとに問題になりそうなケースを個別に定義すればよい。ルールが明確であれば、従業員は遵守しようと努めるだろう。また、他の社員が懸念する事例を見つけた場合に、指摘する根拠にもなる。社員が情報発信に取り組む場合には、事前に準備し、周知しておきたい。

【当コラム執筆は、Looops Communications 副社長 福田浩至 (twitter アカウントはこちら) が担当しています。ご意見、コンタクトなどお気軽に twitter アカウントにどうぞ】


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