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社長命令「Twitter を使え!」…その時社員は?〜先進企業 Zappos で予習しよう
先月、ソフトバンクと楽天の社員が Twitter を活用し始めた。
「Twitter やグループのイントラネットを活用して積極的に意見交換をしていこう」(ソフトバンク・孫社長)
「Twitter はネットユーザーの生の意見を受け取れ、サービス開発にも役立つ」(楽天・三木谷社長)
といった呼び掛けの元、社員の Twitter 活用を勧めている。国内屈指の IT 企業の動きに触発されて、社員に Twitter を活用しようと試みている企業も増えてくると予想される。反面、ソフトバンクの友人に話を聞くと、なにをつぶやいて良いのか分からない中、試行錯誤しながら取り組んでいるということだ。
孫社長が Twitter 上で顧客に新サービスをコミットする例もあった。トップの意思決定のプロセスが変わるのだから、業務の流れも、社員の意識も大きく変わり始めているようだ。この2社にしても、Twitter の社員のまとまった活用は、緒についたところだ。
すでに、社員が Twitter を活用している企業は米国に多数存在する。その中でも顧客満足度が高く、Twitter を上手に活用しているとの評価を得ている「Zappos」における社員の活用実態をチェックしてみた。
コラム「ソーシャルメディア先進企業:DELL と Zappos のソーシャルメディアポリシー」でも紹介したが、Zappos が社員のアカウントとして公開しているページがある。現在、495件のアカウントが一覧表示されている。
スクロールしてみるとなかなか壮大だ。フォローワー数の多い順に表示され、しかもランクまでついている。社員同士が競争しているようにも見えるので、この点は日本企業には馴染みにくそうなページだ。個人的には、いろいろな面白そうな人がいて「楽しそうな会社」といった印象を持つ。
ページの冒頭に、
“Are you a Zappos employee that uses Twitter?Send Tony an email with your Twitter user name to be seen here!”
「Twitter のアカウントを持っている社員なら、トニー(CEO)にメールで連絡してください。このページに掲載しますよ」
とあるので、掲載したくない従業員は連絡しなければよい。強制ではないようだ。もっとも「CEO は入社初日にツイートすることを強要する」といった社員のツイートを見つけたので、トップが背中を押していることは間違いなさそうだ。
495件のうち、実際はアカウントが存在しないもの、ユーザーサポートやスポーツ、キッズなどのジャンル別の組織的なアカウントを除くと457件になる。これらが社員のアカウントと思われる。中には、承認しなければタイムラインを公開しないアカウントが76件(全体の17%)も存在する。また、ツイート件数が0件のアカウントが10件、1件だけのアカウントが11件と実質使用されていないものも含まれる。
アカウントの属性を見てみよう。プロフィールに役職を明記しているのは、全体(457件)の16%だ。
「開発者」、「デザイナー」、「ヘルプデスク」、「バイヤー」、「ヘッドクオーター」など様々な役職の人が参加している。中には、「Zappos に常駐している SAP のエンジニア」といったアカウントもある。よく言われる「身分を明らかにして発言すべし」といったことは、全く徹底されていない。サムネイルに自分の写真を使用している割合は62%あった。(本人にあったわけではないので、「おそらく」本人であろうと、私が主観で判断したデータだ)
たまたま個人が使っていたアカウントを要請に応じて掲載しているに過ぎない割には、高い割合だ。一覧表のページではイラストなのに、Twitter ページは自分の写真に変更されているケースも少なくない。CEO や同僚に顔を覚えてもらおうと試みているのかもしれない。
また、お国柄を反映してか、男性/女性で大きな差異はなさそうだ。家族(夫婦や子供)と一緒で映った写真を利用しているケースも相当数見受けられる。これらも、上の割合に含めた。また、写真や自己紹介を見ると結構高齢な社員が多いことにも驚く。
プロフィールからブログや SNS などのソーシャルメディアの個人ページのリンクを設定しているアカウントを数えてみた。リンク先の内訳は、以下の通り。
個人ブログ:30名
myspace:25名
facebook:7名
Linkedin:5名
Flickr:3名
これらのリンク先を持っている人は、日頃よりソーシャルメディアを積極的に活用している従業員だろう。それほど多くない。Twitter を積極的にやっている人を採用しているわけではなさそうだ。実際、2年くらいツイートしていないアカウントも何件か確認できた。
ツイートしている中身を見てみよう。社員のタイムラインから636件のツイートをピックアップした。このうち、“zappos”という単語を含むものが321件と約半分におよぶ。ツイートの多くが会社に関係する内容であることがわかる。
「これからの zappos_service のアカウントのツイートは私が担当します」
「Zappos では良い靴が簡単に買えて便利です」
「sale 41% OFF Burberry Glossy Grain Leather Boots」
といった、顧客向けのメッセージも多いが、自分のことであったり、総論的な発言が多い。いわゆる、当たり障りのない内容だ。顧客との個別対応は、カストマー用のアカウントで担当しているので、混乱しないように配慮されているのだろう。また、社内イベントの出席を確認するツイートなど、従業員同士の連絡手段にもなっているようだ。
@付のツイート(特定の個人にあてたツイート)は、380件と全体の60%に達する。そのうち@zappos 宛が147件もあった。@zappos は CEO トニー・シェイのアカウントだ。トニー・シェイが「初めてカーリングを見たときに、スケートリンクを掃除しているんだとばっかり思った」といったくだけた内容のツイートに対して、多数の RT(リツイート)が発せられている。
中には「そうじゃなかったの?」といったボケや、「掃除機だけじゃなくモップももってる」とツッコミをいれたツイートも見つけられた。かなりフランクなやりとりが展開されている。トニー・シェイのツイートには顧客へのお礼のメッセージが大変多いが、従業員に向けたものも少なくない。「優しい言葉をありがとう」、「それはすごいね」といった穏やかなメッセージを伝える。
このように、Zappos はこれらの従業員のアカウントを従業員同士のコミュニケーションやトップと従業員の意思疎通にも活用している。誰とでもダイレクトに意見交換ができる。意欲の在る社員やユニークなアイディアをもつ社員を、組織や職責の壁を超えて、浮き上がらせる効果も期待できる。
また、やり取りはマンツーマンでも、その内容は誰でも読める。他の従業員だけでなく一般人までオープンだ。その前提を踏まえたコミュニケーションが、できるか否かのスキルも試される。
企業トップからすると、人材を発掘するには絶好のツールだろう。社員からしても社内外の人々に向けたセルフブランディングにはもってこいだ。このようなオープンなコミュニケーションを垣間見た顧客は Zappos の社風やどのような社員が働いているかを理解することができる。
図は「tweetfeel」で、Twitter 上で“zappos”に関する発言が「好意的なもの」か「批判的なものか」を分類したものだ。驚くべきことに、100%「好意的なもの」との判定がでた。このサービスで、有名な企業名でいろいろ試してみたが、今のところ Zappos 以外に100%の結果がでた例には出会っていない。透明度の高い対応は、企業のイメージ向上にも貢献している。
当社もホームページで、社員およびフェロー(ソーシャルメディアを構築・運営する場合に重要となる特定の分野で、非常に高いスキル・見識を持つ当社のパートナー)のプロフィールと Twitter アカウントを公開している。
是非一度、チェックしてみていただきたい。
【当コラム執筆は、Looops Communications 副社長 福田浩至 (twitter アカウントはこちら) が担当しています。ご意見、コンタクトなどお気軽に twitter アカウントにどうぞ】
「Twitter やグループのイントラネットを活用して積極的に意見交換をしていこう」(ソフトバンク・孫社長)
「Twitter はネットユーザーの生の意見を受け取れ、サービス開発にも役立つ」(楽天・三木谷社長)
といった呼び掛けの元、社員の Twitter 活用を勧めている。国内屈指の IT 企業の動きに触発されて、社員に Twitter を活用しようと試みている企業も増えてくると予想される。反面、ソフトバンクの友人に話を聞くと、なにをつぶやいて良いのか分からない中、試行錯誤しながら取り組んでいるということだ。
孫社長が Twitter 上で顧客に新サービスをコミットする例もあった。トップの意思決定のプロセスが変わるのだから、業務の流れも、社員の意識も大きく変わり始めているようだ。この2社にしても、Twitter の社員のまとまった活用は、緒についたところだ。
すでに、社員が Twitter を活用している企業は米国に多数存在する。その中でも顧客満足度が高く、Twitter を上手に活用しているとの評価を得ている「Zappos」における社員の活用実態をチェックしてみた。
コラム「ソーシャルメディア先進企業:DELL と Zappos のソーシャルメディアポリシー」でも紹介したが、Zappos が社員のアカウントとして公開しているページがある。現在、495件のアカウントが一覧表示されている。
スクロールしてみるとなかなか壮大だ。フォローワー数の多い順に表示され、しかもランクまでついている。社員同士が競争しているようにも見えるので、この点は日本企業には馴染みにくそうなページだ。個人的には、いろいろな面白そうな人がいて「楽しそうな会社」といった印象を持つ。
ページの冒頭に、
“Are you a Zappos employee that uses Twitter?Send Tony an email with your Twitter user name to be seen here!”
「Twitter のアカウントを持っている社員なら、トニー(CEO)にメールで連絡してください。このページに掲載しますよ」
とあるので、掲載したくない従業員は連絡しなければよい。強制ではないようだ。もっとも「CEO は入社初日にツイートすることを強要する」といった社員のツイートを見つけたので、トップが背中を押していることは間違いなさそうだ。
495件のうち、実際はアカウントが存在しないもの、ユーザーサポートやスポーツ、キッズなどのジャンル別の組織的なアカウントを除くと457件になる。これらが社員のアカウントと思われる。中には、承認しなければタイムラインを公開しないアカウントが76件(全体の17%)も存在する。また、ツイート件数が0件のアカウントが10件、1件だけのアカウントが11件と実質使用されていないものも含まれる。
アカウントの属性を見てみよう。プロフィールに役職を明記しているのは、全体(457件)の16%だ。
![]() |
| プロフィールに役職を明記しているアカウントの割合 |
「開発者」、「デザイナー」、「ヘルプデスク」、「バイヤー」、「ヘッドクオーター」など様々な役職の人が参加している。中には、「Zappos に常駐している SAP のエンジニア」といったアカウントもある。よく言われる「身分を明らかにして発言すべし」といったことは、全く徹底されていない。サムネイルに自分の写真を使用している割合は62%あった。(本人にあったわけではないので、「おそらく」本人であろうと、私が主観で判断したデータだ)
![]() |
| サムネイルに自分の写真を使用している割合 |
たまたま個人が使っていたアカウントを要請に応じて掲載しているに過ぎない割には、高い割合だ。一覧表のページではイラストなのに、Twitter ページは自分の写真に変更されているケースも少なくない。CEO や同僚に顔を覚えてもらおうと試みているのかもしれない。
また、お国柄を反映してか、男性/女性で大きな差異はなさそうだ。家族(夫婦や子供)と一緒で映った写真を利用しているケースも相当数見受けられる。これらも、上の割合に含めた。また、写真や自己紹介を見ると結構高齢な社員が多いことにも驚く。
プロフィールからブログや SNS などのソーシャルメディアの個人ページのリンクを設定しているアカウントを数えてみた。リンク先の内訳は、以下の通り。
個人ブログ:30名
myspace:25名
facebook:7名
Linkedin:5名
Flickr:3名
これらのリンク先を持っている人は、日頃よりソーシャルメディアを積極的に活用している従業員だろう。それほど多くない。Twitter を積極的にやっている人を採用しているわけではなさそうだ。実際、2年くらいツイートしていないアカウントも何件か確認できた。
ツイートしている中身を見てみよう。社員のタイムラインから636件のツイートをピックアップした。このうち、“zappos”という単語を含むものが321件と約半分におよぶ。ツイートの多くが会社に関係する内容であることがわかる。
「これからの zappos_service のアカウントのツイートは私が担当します」
「Zappos では良い靴が簡単に買えて便利です」
「sale 41% OFF Burberry Glossy Grain Leather Boots」
といった、顧客向けのメッセージも多いが、自分のことであったり、総論的な発言が多い。いわゆる、当たり障りのない内容だ。顧客との個別対応は、カストマー用のアカウントで担当しているので、混乱しないように配慮されているのだろう。また、社内イベントの出席を確認するツイートなど、従業員同士の連絡手段にもなっているようだ。
@付のツイート(特定の個人にあてたツイート)は、380件と全体の60%に達する。そのうち@zappos 宛が147件もあった。@zappos は CEO トニー・シェイのアカウントだ。トニー・シェイが「初めてカーリングを見たときに、スケートリンクを掃除しているんだとばっかり思った」といったくだけた内容のツイートに対して、多数の RT(リツイート)が発せられている。
中には「そうじゃなかったの?」といったボケや、「掃除機だけじゃなくモップももってる」とツッコミをいれたツイートも見つけられた。かなりフランクなやりとりが展開されている。トニー・シェイのツイートには顧客へのお礼のメッセージが大変多いが、従業員に向けたものも少なくない。「優しい言葉をありがとう」、「それはすごいね」といった穏やかなメッセージを伝える。
このように、Zappos はこれらの従業員のアカウントを従業員同士のコミュニケーションやトップと従業員の意思疎通にも活用している。誰とでもダイレクトに意見交換ができる。意欲の在る社員やユニークなアイディアをもつ社員を、組織や職責の壁を超えて、浮き上がらせる効果も期待できる。
また、やり取りはマンツーマンでも、その内容は誰でも読める。他の従業員だけでなく一般人までオープンだ。その前提を踏まえたコミュニケーションが、できるか否かのスキルも試される。
企業トップからすると、人材を発掘するには絶好のツールだろう。社員からしても社内外の人々に向けたセルフブランディングにはもってこいだ。このようなオープンなコミュニケーションを垣間見た顧客は Zappos の社風やどのような社員が働いているかを理解することができる。
図は「tweetfeel」で、Twitter 上で“zappos”に関する発言が「好意的なもの」か「批判的なものか」を分類したものだ。驚くべきことに、100%「好意的なもの」との判定がでた。このサービスで、有名な企業名でいろいろ試してみたが、今のところ Zappos 以外に100%の結果がでた例には出会っていない。透明度の高い対応は、企業のイメージ向上にも貢献している。
当社もホームページで、社員およびフェロー(ソーシャルメディアを構築・運営する場合に重要となる特定の分野で、非常に高いスキル・見識を持つ当社のパートナー)のプロフィールと Twitter アカウントを公開している。
是非一度、チェックしてみていただきたい。
【当コラム執筆は、Looops Communications 副社長 福田浩至 (twitter アカウントはこちら) が担当しています。ご意見、コンタクトなどお気軽に twitter アカウントにどうぞ】
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