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テクノロジー
Yammer、SMART、Chatter〜代表的な3つの社内 Twitter サービスを使ってみた
「Twitter の手軽さはいいんだが、仕事で利用するには無理がある」
こんな話とともに、社内だけで使える Twitter がないかとの相談が、最近多くなってきた。解決策の一つ「Chatter」を開発した salesforce のマーク・ベニオフ CEO は、
「なぜ、私は Twitter で、知らない人が映画に行ったことは知っているのに、部下が重要な客を訪問したかどうかを知らないのだろう」と思ったので、それを知るためのコミュニケーションツールとしての Chatter を開発した。
と語っている。私も Twitter のおかげで、何年もあっていないトライアスリートの友人が、毎日どんなトレーニングをしているか、かなり詳しく知っている。企業内でうまく活用できれば、社内の風通しはよくなるだろう。
Twitter を企業内コミュニケーションで使用する場合には以下のような懸念がある。
・組織単位での情報統制ができない
ツイートの開示制御は、ダイレクトメッセージで特定の個人にのみ提供する場合以外は、全世界の利用者に公開されてしまう。要するに社員だけがアクセスできるツイートが単純にはできない。GroupTweet を使えば、できなくはないが、事前にメーリングリストに対応するグループアカウントを新設したり、参加メンバーが相互フォローを設定しなければならないので、結構面倒だ。
・データをバックアップする仕組みが無い
API を活用したサービスに Twitter Archiver があるが、すべてのツイートのバックアップを取れるわけではない。独自にいろいろ工夫するしかない。
4月に米国議会図書館がサービス開始以来の公開ツイートをすべて保存することになった。容量は実に167TB!もっとも研究目的にのみデータ提供をするということなので、気軽に「バックアップください」とお願いしても対応してくれそうにない。
・SLA が設定されていない
無料なので当然だろう。つまり必要なタイミングでシステム停止しても、クレームもいえない。また偏った使い方をすると、Twitter の基準でアカウントが停止されることもある。
・ファイル添付は外部のサービスを利用するしかない
写真ならば Twitpic などが代表的な連携サービスだ。
・セキュリティ面で不安がある
IP 制限などのアクセス制限がかけられなかったり、API を経由して様々なサービスと連携する場合、すべてのサービスベンダーが本当に信頼がおけるのだろうか?
といったことが、すぐさま列挙できる。このため、企業あるいは特定グループに限定したマイクロブログサービス(社内マイクロブログサービス)が注目を集めている。代表的なサービスを図にまとめた。
特定の項目の特定条件での限定的な比較表だが、参考にしていただきたい。それそれの特徴と画面イメージを紹介しよう。
■Yammer
会社設立は、2008年9月。まだ1年半程度の社歴だが、利用実績は圧倒的だ。
図は、Yammer のタイムラインの画面イメージだ。ツイートにコメントを追加できる。ファイルの添付も可能だ。後述する Chatter も同様だが、Twitter というよりは Facebook に近い。
<特徴>
実績が豊富なことは大きな安心材料だ。最近、意欲的に新機能をリリースしてきている。スマートフォン対応アプリも充実している。ライセンス販売を行う計画が2月にニュースになっているが、ホームページを見る限りでは表立って販売活動はしていなそうだ。
また、Twitter のツイートは140文字が上限だが、Yammer は399文字までのツイートが可能だ。ツイートにファイル添付ができたり、“Like”ボタンで、ツイートを評価することも可能だ。
<課題>
日本語対応が不十分。ツイートは日本語も可能だが、日本語のキーワードで検索すると、一部のツイートは出力されなかった。また、図でも確認できるように添付ファイルなどの日本語は文字化けする。また、ナビの文言もすべて英語だ。
■SMART
国内で432の組織での運営実績がある。サービス提供会社は株式会社モディファイ。今回取り上げたサービスの中で、唯一国内で開発しているサービスだ。
図は SMART のタイムラインの画面イメージだ。こちらは、Twitter に近い。ツイートの上限も Twitter と同じく140文字だ。
<特徴>
当然だが、日本語対応は万全。日本語のハッシュタグにも対応している。RSS フィードを取り込んでタイムラインに登録することもできる。Google リーダーのような使い方も可能だ。ネット上の情報収集とメンバーのコミュニケーションをひとつのアプリケーションで利用できるのは便利だ。
また、ソフトウェアライセンス提供やカストマイズ開発も可能なので、社内システム規約などで SaaS などのサービスが利用できない企業には導入しやすい。
<課題>
API を公開していない。このため、外部ベンダーが補完的な機能を提供するようなサービス形態にはなっていない。また、国産サービスなので3キャリアの携帯ブラウザには対応して欲しいところだ。(図の通り、他のサービスも対応していない)
■Chatter
salesforce がβリリースを開始したサービスだ。こちらも、Yammer 同様に Facebook に近いインターフェイスだ。ツイートあたり140文字の制約もない。
<特徴>
Chatter は、企業向けクラウドコンピューティングのプラットフォームである Force.com の上で動作するため、他の社内マイクロブログサービス単体と単純に比較することは適当でない。
しかし、salesforce の機能と連携することで、強力な社内マイクロブログサービスを実現しているので、紹介したい。最も特徴的なのはアカウント(つまり人)以外の情報をフォローできるところにある。例えば、salesforce で管理している「見込み案件」をフォローすることができる。
「見込み案件」のステータスが変化すれば、その情報がタイムラインに現れる。上司に「あの商談どうなった」と毎日のように詰問されている営業マンには、大変ありがたい機能だ。図のように、ケースをテーマにツイートのタイムラインを表示させることもできる。
また、salesforce for twitter という AppExchange から無料で追加することができるアプリケーションを提供している。これを利用することで、Twitter の情報を取り込んだり、Twitter に配信したりできる。
<課題>
現時点ではβリリース。正式リリースが待たれる。ナビゲーションバーなども日本語対応しているが、日本人であれば違和感を感じる日本語も見受けられる。日本法人の方が、気付いた表記を、随時指摘・改善をしている途中だそうだ。
以上の特徴からすると、少なくとも、
・salesforce を導入している、あるいは導入予定である場合には Chatter
・社内にサーバーを置いたり、カストマイズを施したい場合には SMART
・利用者が様々なスマートフォンを利用する場合には Yammer
といったことは、はっきり言えそうだ。それぞれ特徴のあるサービスであるので、記述し切れないのが正直なところだ。SMART、Yammer は無料バージョンが直ちに利用できる。Chatter もβプログラムの利用申し込みを受け付けている。「百聞は一見にしかず」検討されている方は、是非お試しあれ。
【当コラム執筆は、Looops Communications 副社長 福田浩至 (twitter アカウントはこちら) が担当しています。ご意見、コンタクトなどお気軽に twitter アカウントにどうぞ】
こんな話とともに、社内だけで使える Twitter がないかとの相談が、最近多くなってきた。解決策の一つ「Chatter」を開発した salesforce のマーク・ベニオフ CEO は、
「なぜ、私は Twitter で、知らない人が映画に行ったことは知っているのに、部下が重要な客を訪問したかどうかを知らないのだろう」と思ったので、それを知るためのコミュニケーションツールとしての Chatter を開発した。
と語っている。私も Twitter のおかげで、何年もあっていないトライアスリートの友人が、毎日どんなトレーニングをしているか、かなり詳しく知っている。企業内でうまく活用できれば、社内の風通しはよくなるだろう。
Twitter を企業内コミュニケーションで使用する場合には以下のような懸念がある。
・組織単位での情報統制ができない
ツイートの開示制御は、ダイレクトメッセージで特定の個人にのみ提供する場合以外は、全世界の利用者に公開されてしまう。要するに社員だけがアクセスできるツイートが単純にはできない。GroupTweet を使えば、できなくはないが、事前にメーリングリストに対応するグループアカウントを新設したり、参加メンバーが相互フォローを設定しなければならないので、結構面倒だ。
・データをバックアップする仕組みが無い
API を活用したサービスに Twitter Archiver があるが、すべてのツイートのバックアップを取れるわけではない。独自にいろいろ工夫するしかない。
4月に米国議会図書館がサービス開始以来の公開ツイートをすべて保存することになった。容量は実に167TB!もっとも研究目的にのみデータ提供をするということなので、気軽に「バックアップください」とお願いしても対応してくれそうにない。
・SLA が設定されていない
無料なので当然だろう。つまり必要なタイミングでシステム停止しても、クレームもいえない。また偏った使い方をすると、Twitter の基準でアカウントが停止されることもある。
・ファイル添付は外部のサービスを利用するしかない
写真ならば Twitpic などが代表的な連携サービスだ。
・セキュリティ面で不安がある
IP 制限などのアクセス制限がかけられなかったり、API を経由して様々なサービスと連携する場合、すべてのサービスベンダーが本当に信頼がおけるのだろうか?
といったことが、すぐさま列挙できる。このため、企業あるいは特定グループに限定したマイクロブログサービス(社内マイクロブログサービス)が注目を集めている。代表的なサービスを図にまとめた。
特定の項目の特定条件での限定的な比較表だが、参考にしていただきたい。それそれの特徴と画面イメージを紹介しよう。
■Yammer
会社設立は、2008年9月。まだ1年半程度の社歴だが、利用実績は圧倒的だ。
図は、Yammer のタイムラインの画面イメージだ。ツイートにコメントを追加できる。ファイルの添付も可能だ。後述する Chatter も同様だが、Twitter というよりは Facebook に近い。
<特徴>
実績が豊富なことは大きな安心材料だ。最近、意欲的に新機能をリリースしてきている。スマートフォン対応アプリも充実している。ライセンス販売を行う計画が2月にニュースになっているが、ホームページを見る限りでは表立って販売活動はしていなそうだ。
また、Twitter のツイートは140文字が上限だが、Yammer は399文字までのツイートが可能だ。ツイートにファイル添付ができたり、“Like”ボタンで、ツイートを評価することも可能だ。
<課題>
日本語対応が不十分。ツイートは日本語も可能だが、日本語のキーワードで検索すると、一部のツイートは出力されなかった。また、図でも確認できるように添付ファイルなどの日本語は文字化けする。また、ナビの文言もすべて英語だ。
■SMART
国内で432の組織での運営実績がある。サービス提供会社は株式会社モディファイ。今回取り上げたサービスの中で、唯一国内で開発しているサービスだ。
図は SMART のタイムラインの画面イメージだ。こちらは、Twitter に近い。ツイートの上限も Twitter と同じく140文字だ。
<特徴>
当然だが、日本語対応は万全。日本語のハッシュタグにも対応している。RSS フィードを取り込んでタイムラインに登録することもできる。Google リーダーのような使い方も可能だ。ネット上の情報収集とメンバーのコミュニケーションをひとつのアプリケーションで利用できるのは便利だ。
また、ソフトウェアライセンス提供やカストマイズ開発も可能なので、社内システム規約などで SaaS などのサービスが利用できない企業には導入しやすい。
<課題>
API を公開していない。このため、外部ベンダーが補完的な機能を提供するようなサービス形態にはなっていない。また、国産サービスなので3キャリアの携帯ブラウザには対応して欲しいところだ。(図の通り、他のサービスも対応していない)
■Chatter
salesforce がβリリースを開始したサービスだ。こちらも、Yammer 同様に Facebook に近いインターフェイスだ。ツイートあたり140文字の制約もない。
<特徴>
Chatter は、企業向けクラウドコンピューティングのプラットフォームである Force.com の上で動作するため、他の社内マイクロブログサービス単体と単純に比較することは適当でない。
しかし、salesforce の機能と連携することで、強力な社内マイクロブログサービスを実現しているので、紹介したい。最も特徴的なのはアカウント(つまり人)以外の情報をフォローできるところにある。例えば、salesforce で管理している「見込み案件」をフォローすることができる。
「見込み案件」のステータスが変化すれば、その情報がタイムラインに現れる。上司に「あの商談どうなった」と毎日のように詰問されている営業マンには、大変ありがたい機能だ。図のように、ケースをテーマにツイートのタイムラインを表示させることもできる。
また、salesforce for twitter という AppExchange から無料で追加することができるアプリケーションを提供している。これを利用することで、Twitter の情報を取り込んだり、Twitter に配信したりできる。
<課題>
現時点ではβリリース。正式リリースが待たれる。ナビゲーションバーなども日本語対応しているが、日本人であれば違和感を感じる日本語も見受けられる。日本法人の方が、気付いた表記を、随時指摘・改善をしている途中だそうだ。
以上の特徴からすると、少なくとも、
・salesforce を導入している、あるいは導入予定である場合には Chatter
・社内にサーバーを置いたり、カストマイズを施したい場合には SMART
・利用者が様々なスマートフォンを利用する場合には Yammer
といったことは、はっきり言えそうだ。それぞれ特徴のあるサービスであるので、記述し切れないのが正直なところだ。SMART、Yammer は無料バージョンが直ちに利用できる。Chatter もβプログラムの利用申し込みを受け付けている。「百聞は一見にしかず」検討されている方は、是非お試しあれ。
【当コラム執筆は、Looops Communications 副社長 福田浩至 (twitter アカウントはこちら) が担当しています。ご意見、コンタクトなどお気軽に twitter アカウントにどうぞ】
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