企業 Twitter アカウントの整理法〜 AT&T の取り組みこの記事のURLhttp://japan.internet.com/webtech/20100622/8.html
著者:ループス・コミュニケーションズ 取締役副社長 福田浩至
国内internet.com発の記事
twinavi に登録されている twinavi 公認企業アカウントは3,500件を超える。今回は企業アカウントについて考えてみたい。
例えば、Twitter の活用成功例としてよく取り上げられる「豚組」は、@butagumi と@hitoshi の2つの Twitter アカウントを使っている。オーナーの中村仁社長によると@butagumi は「表玄関」、@hitoshi は「勝手口」と区別しているとのこと。 なるほど、タイムラインを見ると@butagumi では予約の確認、お礼のツイートが流れている。一方、@hitoshi では、個人的なツイートやお知り合い達との対話が繰り広げられている。@butagumi に比べて、フランクなツイートが多いように感じる。 たったひとりで2つのアカウントを活用する豚組と対照的なのが、米国家電量販店ベストバイだ。顧客対話用の@twelpforce は2,100人でひとつのアカウントを運用している。コラム「ベストバイの Twitter 活用術〜従業員2,100人が、たった1つのアカウントで生活者と対話する」に当アカウントの詳細説明があるので参考にされたい。 これ以外の公式アカウントとしては、@bestbuy がある。アカウントの使われ方をチェックすると、@twelpforce では対話ツイートが大部分を占めるのに対して、@bestbuy では“RT(リツイート)”がほとんどだ。主として対話用には@twelpforce、情報配信用には@bestbuy と使い方がなされている。 利用者からすると、対話用は@twelpforce 一つと分かっていれば、迷うこともなく疑問を投げかけることができるだろう。製品の情報が知りたい人は迷うことなく@bestbuy をフォローするだろう。逆にアカウントを細分化する企業もある。米国の通信キャリア大手 AT&T はホームページ内に、ソーシャルメディアのアカウント一覧ページを用意している。 インターフェイスの内訳は、 ・Twitterアカウント:11件(うち1つはデッドリンク) ・facebook FanPage:5件 ・Flickr グループページ:3件 ・youtube チャネル:4件 ・ブログサイト:4件 AT&T のソーシャルメディア活用の特徴としては、Twitter アカウントと Facebook ファンページやブログを連携させて運用していることがあげられる。タイムラインを通り過ぎて消失するフロー型の Twitter に対して、ブログなどの蓄積型のメディアを組み合わせることで、届けたい人にリーチできる環境を用意している。広報アカウント@shareATT では、Facebook、Youtube、Flickr に同じ名前の企業ページを用意している。 アクティブな Twitter アカウント10件について twanalyst.com で分析してみた。 ・事業分野による分類 @ATTNews:全社のニュース配信 @ATTdeals:モバイルサービス向けニュース配信 @BizSolutions:エンタープライズ向け情報提供 @SmallBizInSite:スモールビジネス向け情報提供 @ATTNews と@ATTdeals は、AT&T の PR アカウントになっている。AT&T ホームページへの誘導リンクが必ず含まれている。対話は一切ない。一方、@BizSolutions と@SmallBizInSite の2つのアカウントは、他メディアを含めた関連ニュースや自社セミナーの案内などをリンクとリツイートで配信している。 ・業務分野による分類 @ShareATT:広報 @ATTCustomerCare:カスタマーサポート @ATTJOBS:採用 広報アカウント@ShareATT の「自己紹介」には、Official Twitter source for AT&T announcements, product updates, sponsorship news & more. とある。実際のツイートを見てみると、カスタマーサポート(@ATTCustomerCare)への誘導ツイートが相当数に上る。特に、カスタマーサポートアカウントへの告知媒体としての役割も担っているようだ。 カスタマーサポート(@ATTCustomerCare)では、Molly 氏が「実名・顔見せ」で応対にあたる。「実名・顔みせ」は彼女だけではない。アカウントで公開されているリスト@ATTCustomerCare/team には、19名のカスタマーサポートメンバーの個人アカウントも掲載されている。 アカウント名の先頭には「ATT」で実名が後に続くというネーミングルールも統一されている。ツイートの中身をみてみると、「Can I help you with something? I'm with AT&T, please DM me if you need assistance.」といった内容が多数確認できる。「困っている人を積極的に探して、サポートする」ことに利用しているアカウントだ。 また、すべてのメンバーが DM でのやり取りに誘導しているので、運用ルールも浸透しているようだ。もちろん、プライベートな内容は一切ない。仕事にのみ使っている。 ・独立ブランド、イベントによる分類 @ATTGolf:「Masters」,「AT&T Pebble Beach National Pro-Am」,「 AT&T National」の3大会のハイライトをツイート。ゴルフ大会が開催されている時期のみの利用。 @buzzdotcom:AT&T の運営するコミュニティサイトのアカウント @YPmobile:携帯用イエローページのアカウント @YPmobile では、レストランなどを探している人を見つけては、勝手に付近のレストランを紹介している。もちろん、YPmoblie の該当レストランの URL も挿入している。いわゆる「アクティブサポート」を実践している。 このように、AT&T のアカウントは、それぞれ目的・運営ポリシーが、はっきりしている。しかし、当初から一貫性のあるアカウント運営をしていたわけではない。最初に作成したアカウントは、@SmallBizInSite。すでに2年半が経過する。おそらく現場部門が自発的に運営を開始したのだろう。 それから徐々に他の事業分野の配信系アカウントの運用が開始されている。機微な対話スキルが、組織的に求められるカスタマーサポートへの導入は昨年の8月だ。時間をかけながら対応可能なチームを育成してきた様子がうかがえる。 企業アカウントの利用者はあくまで顧客や生活者である。彼らへのリーチが目的であれば、彼らの立場に立って考えなければならない。ブランドが確立した商品・サービスがあれば、専用のアカウントを用意したほうが、生活者はコンタクトしやすいだろう。 一方問い合わせは、アカウントを一本化した方が生活者が迷うこともなくなるだろう。対応の効率性などを思慮すると、運用側の都合(企業側の論理)を優先したくなるが、生活者目線を忘れないよう注意したい。 【当コラム執筆は、Looops Communications 副社長 福田浩至 (twitter アカウントはこちら) が担当しています。ご意見、コンタクトなどお気軽に twitter アカウントにどうぞ】
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