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クリック&モルタルは日本でもECの主役となるか アメリカのBtoCの凋落ぶりは著しい。だが、個別企業の淘汰はあるにせよ、
BtoCマーケットの成長は確実視されている。となると、誰がリーダーか、という話だが、
ここにきてクリック&モルタルこそ主役だ、という議論がまん延している。
オンラインでもオフラインでも店舗を展開するマルチチャネル企業こそECの主役。
なぜなら途方もなく金がかかる顧客獲得コストが相対的に安く、
かつバックオフィスのコストも既存のインフラを活用すればこれまた安く済む。
ネットで最も重要なブランドビルディングもゼロからのスタートではない。と良いことづくめ。
もはやネット専業のBtoCモデルは機能不全だとの説まで飛び出している。
さて問題はこの話が日本に通用するか、ということだ。残念ながら、話はそううまくいかない。 大体「クリック&モルタル」あるいは「マルチチャネル」のプレーヤーが大型店にあまりいないのだ。 アメリカのマルチチャネル組で最も成果が早くからあがったのは「カタロガー」 と呼ばれるカタログビジネス企業だ。ランズエンド、 L.L.Beanといった企業は早くからウェブでの試行錯誤を繰り返し、それなりの成果をあげていった。 これに対し日本のカタロガーは大苦戦を続ける。当初苦戦の理由は「顧客層の違い」という解釈で、 ウェブユーザーは若い男性、日本のカタログ通販の顧客はオバチャン層ということで、 ここには越えがたい深い溝がある、と悲観的であった。それではということで、 若い男性向きの商品をウェブで並べたりしたが、これまた苦戦。若い男性には「カタロガー」 のブランドがアピールしなかったのだ。 ここにきてようやく日本のカタロガーも本領を発揮しはじめる。 年商数十億円をウェブで達成する企業が出現し始めた。 本業のカタログとほぼ同様の商品構成をウェブで展開することにより、 やっと規模のビジネスになってきたのだ。とはいえ成功組はまだ少数で、大多数の通販企業は苦戦中だ。 まだ本腰を入れているところが少ないからだ。 それでは小売業の保守本流ともいうべき百貨店はどうか、というとこれは惨憺たる情況だ。 年商1億円に届いたかどうかのレベルである。 かたや中小企業の方はパパママストアの体制で年商数億目前であるから、 ネットでは規模と売上げは比例しないという逆転現象が起こっている。 苦戦の理由はいくつかある。まずはファッション商品をきちんと展開できていない。 そもそも実店舗でも貸場業のようなものだから、ファッション販売は人まかせだ。 人任せの商売ではウェブでは成功しない。次の理由は自己否定しないことだろう。 百貨店の対面販売をうっとうしいと思う人は増えるばかりだ。サービスこそイノチといいながら、 現場ではサービスレベルの低いプレッシャーセールスを行ってしまっている。ところがECは別名 「プレッシャーフリーコマース」という位だから、うっとうしさ、わずらわしさから開放される場だ。 自分本位に選択可能。情報量も半端でない。むしろサービスレベルはウェブの方が高かったりする。 この事実をわきまえ、自己否定しない限り百貨店のECはうまくいかないだろう。加えて、 日本の流通業のトップはECに関する理解度が著しく低い。単なるネット通販としか理解せず、 それが実店舗の変容を促す位のインパクトを持っていることを認識していない。 百貨店がECで存在感を増すには当分時間がかかりそうだ。 底流としてはクリック&モルタル優勢説はゆるがないだろうが、 日米の構造には大きな差があると見るべきだろう。 記事提供:M&M研究所
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