![]() ![]() ![]() ![]() eコマースの市場規模統計はどこまで正しいのか?この記事のURLhttp://japan.internet.com/wmnews/20010413/5.html
著者:三石玲子
国内internet.com発の記事
eコマースに関する「各種統計」は様々にある。もっとも「国勢調査」あるいは「商業統計」
のように悉皆調査(しらみつぶしに調べる)の手法ではないものがほとんどだ。
自ずと試算、推計が前提になる。
電子商取引推進協議会(ECOM)、アクセンチュア、 経済産業省はこの1月に日本のBtoCの市場規模を発表している。それによると2000年実績は8240億円だ。 1999年は3360億円であるから、145%の急成長を遂げたことになる。 だが数字をよく見ると、この中には自動車、不動産各2千億円程度が含まれる。 いまだかって日本人でワンクリックで住宅をショッピングバスケットに入れて購入した人は 恐らくは1人もいないはずだ。自動車についても直販分は数十億円規模でしかない。 となるとこの数字は一体何だ、ということになる。これはeコマースの定義の問題になってくる。 8240億円には、「ウェブ上で集客、あるいは見込み客リストを集め、 そこに対して既存の流通チャネルがアプローチしたもの」が含まれる。 つまり自動車であるならウェブ上で見積もり請求を行い、その情報がエリアのディーラーに送られ、 営業マンがオフラインでアプローチするようなものも含まれるということだ。 いわばウェブのマーケティング活用分が含まれるということになる。 問題はここからだ。果たして、ウェブのマーケティング活用の結果もたらされた「売上」 をeコマースの政府発表値に入れてよいかということだ。ちなみに、 マーケティング活用分を除くいわゆるウェブ上での直販実績は4千億円程度でしかない。 これは確かに1999年公表値の1400億円に比べれば、急成長はしているが、 例えば通販市場2兆6千億円強に比べてもまだ10数%程度の大きさでしかない。 この根拠による2005年のEC市場規模は13兆3千億円。これはちょっと大風呂敷過ぎないだろうか。 アメリカの調査統計も様々にある。2000年のBtoCを見ただけでも、 230億ドル説から1090億ドル説まであった。 当然前者はネット上で所有権が移転するネット完結型限定の数字で、後者の数字は「大風呂敷を広げる」 ことで知る人ぞ知る民間調査機関の数字である。多くの調査機関は完結型を前提に数字を公表しており、 その中間値を取れば大体300億ドル強の実績に落ち着いてくる。 疑いだしたらきりがないが、最近の政府の統計は少しヘンである。経済成長率の数字では、 アメリカから疑問を呈されていたし、経済統計に基づく、 月例の景気報告もなぞ解きのフレーズのようでわかりにくい。 ことeコマースに関しては、うがった見方をすれば世界に冠たるIT後進国の日本として、 この際風呂敷の1枚でも広げようとしているようにも見えてくる。 政府が関わる統計はその内容がどうであれ、1人歩きするだけに、少なくとも広義のeコマース (マーケティング活用含む)と狭義(ネット完結型限定)のそれとは、厳密に分けておくべきだろう。 もっとも日々eコマースの実務に携わるものにとっては、市場規模の多寡などはどうでもよい話だ。 ただ数字の背景を押さえておく必要だけはありそうだ。 記事提供:M&M研究所
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