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“1強他弱現象”下における生き残り法 かつて「日本的eコマース」という言葉が使われた。2000年頃の話だ。「日本的ec元年」などとメディアにも大きく取り上げられる。この「日本的」の中身とは、コンビニecなどの話だ。高密度な店舗拠点をecのインフラとして活用する、ということである。だがよく考えるとこれは大して「日本的」ではない。アメリカでも当時は「ドットコム企業は地上のインターフェースを持たないと生き残れない」というのが定説であった。かくしてこの「日本的」はあまりオリジナリティはなし。コンビニecに関しては、存在価値は決済インフラ程度だろう。自前のネットビジネスは少々魅力に乏しいのが実情だ。
ここにきてもう一つの「日本的現象」が増殖中だ。名付けて「1強他弱現象」である。ネットには "Winner takes all" というルールがあるので、1番手がおいしいところを皆取ってしまう。これも日本に限らず常識だが、3番手くらいまでは何とか利益を出せる場合が多い。 ところが「1強他弱現象」は少々異なる。シェアでいくと「1強95% 対 その他合計5%」などという状況が起ってしまう。モール、ホテル予約、オークション、オフィス用品宅配などはシェアの差こそあれ、この構図である。書店業界なども寡占が進むが、利用者側は大概オンライン書店を数店使い分けているから、「他弱」のシェアは他業界よりは高い。PCリテイラーに関しては、1強現象もあるものの、ネット適性が高いジャンルだけに、「群雄割拠」の余地は残されている。 「1強」の方は我が世の春を謳歌すればよいが、「他弱」の方は生き残りシナリオが問われる。ここでの選択肢は二つしかない。一つは、「総合的な価値」「規模のメリット」は1強にまかせ、2番手以下は「差別化戦略」「専門性の深化」に特化すること。 二つ目は「他弱連合」を作ることだ。だがこれは相当に難易度が高い。「弱者連合」になりかねないし、うわべだけの提携、相互リンク、共通検索程度では効果はないからだ。インターフェース、システム含め「まるごとの統合」が実現しない限り、「1強」には太刀打ちしにくい。概して「1強」が「1強」である理由は、ユーザビリティやバックヤードが優れており、結果的に高い顧客満足を提供していることが基盤になっているからだ。 折しもモール業界ではキュリオシティ、ニフティ、ソニーコミュニケーションネットワークの3社が提携を表明。「横断的商品検索」を可能にするという。他にも数社が参加を検討中とのことだ。だがネックは多い。消費者はモールにまず検索価値を求めているわけではない。「総合的な顧客サービス」だ。ここでの全面的統合に至らないかぎり、ユーザーメリットは薄いはずである。日本のプロバイダー系モールは、恐ろしく使いにくい独自の「電子マネー」の導入にいやに熱心であったが、これも今となっては存在価値はないだろう。品揃え面では「ジェネラルモール」としては中途半端で、「スペシャルモール」とみると「テナント構成」の力が根本的に欠けている。 提携の前に考えることはありそうだ。 記事提供:M&M研究所
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