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仲間はずれの気分にさせるEメール全3巻の小説を読んだときのこと。
第1巻を読み終え、テンポよく第2巻に突入した。 しかしなんか様子が変だ。 登場人物が唐突に年老いていている。しかも主人公の女性はいつの間にか、夫の親友だったはずの男と結婚していた。どう考えてもつじつまが合わない。 あまりにもストーリーの整合性がなく、しばし悩む。 自分に読解力がないのか、その小説のプロット構成に問題があるのか。 ふと本の表紙をみて、がく然とした。 第2巻を読んでいるつもりが、手にしていたのは第3巻だった。途中の物語が抜けているのだから、つじつまが合わないのも当然だ。 企業の手がけるEメールマーケティングを読んでいて、似たような経験をすることが少なくない。つい先日もそんなEメールに遭遇した。 ある企業が定期配信しているメールマガジンに希望登録(オプトイン)をした数日後、楽しみにしていた最新号が届いた。 しかしメールを開封して、冒頭から仲間はずれにされた気分になってしまった。そのメールはこんな書き出しで始まる。 「前号はお楽しみいただけましたでしょうか」。 前号? そのメルマガは初めて受け取った。だから前号のことなんか知らない。 それでも気を取り直して読み進める。今度はさらに絶望的な文章が登場する。 「ところで前号では、美味しさのヒミツをこっそりご紹介しましたが…」 また出てきた。しかも前号で紹介されたらしい「美味しさのヒミツ」とやらを永久に知ることができないと思うと、ますます疎外感がつのる。まるで排他的な仲良しグループの中にほうり込まれたような気分だ。 なぜこのようなことが起こるか。 企業の担当者は「メールマーケ」という括りの連続した業務なので、読者も継続したものと錯覚しているのかも知れない。 だけれど、前号の配信後にオプトインした読者にとっては、最新号こそが初めて受け取るメールである。ある程度の配慮がほしいところだ。 どうしても前号に記述したことを引用するのであれば、せめて前号をウェブサイトに掲載し、「前号はこちらでご覧になれます」としておきたい。 とは言え、これは代替の救済措置でしかないことも理解したい。読者の中には、きちんとメールソフトのフォルダに保管したいという層もいる(そうしたくなるような「価値のあるメール」であることが前提だが)。そのあたりも考慮すると、毎回、できるかぎりその号で完結できるような構成にするのが手っ取り早い。 もし連続性を持ったストーリー展開をおこないたいのであれば、時間軸の機能をもったメール配信会社のサービスを利用するのもひとつの方法だ。これならどのタイミングでオプトインしても、常に創刊号から配信できる。むしろ「前号のメールでは」といった文章を効果的に使える。 Eメールマーケティングを企業の論理で組み立てるということは、その企業から仲間はずれにされたような気分の消費者を作り出すことでもある。
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