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2003年4月22日 00:00

事情聴取型アンケートと、せっかちな設問

いわゆるマーケターと呼ばれる生き物は、「統計」や「調査結果」といった文字を目にすると条件反射でクリックしてしまう。言ってしまえば、多かれ少なかれ「データ収集症候群」の傾向がある。
そしてデスク上やキャビネットには、「白書」の名を冠した書物が少なくとも1冊は見つけることができる。これはマーケターのコレクターズ必須アイテムなのだから、当然といえば当然。

マーケターは他人のデータに飽き足らず、自分でもよくデータを収集する。
消費者と接点がある場面ではとにかく訊きまくる。
自社が配信するメールマガジンへの、「配信に同意する」という意思表示の手続き、いわゆるオプトインの手続き時なんか千載一遇のチャンス。この絶好の機会をマーケターが見逃すはずがない。

氏名、住所、生年月日、メールアドレス、電話番号は当たり前。家族構成や年収、興味のあるジャンル、好きな音楽、好きな食べ物などなど。
中には結婚記念日や配偶者の血液型、眼鏡の使用状況まである。

このようなアンケート群のついたオプトインを、個人的には「事情聴取型オプトイン」と命名している。

微に入り細を穿つアンケート群なので、1ページで設問をすべて見せると消費者は逃げ出してしまう。だから最近は1ページあたりの設問数を抑え、複数ページに振り分けるという目くらまし技法も増えてきた。
だけれど、結果的に消費者をうんざりさせているという点では同じことだ。

フツーの常識があれば、アンケートの設問数が増えるごとにオプトインする人数は反比例して減っていく、というごく簡単な方程式ぐらい想像がつくはず。それなのに事情聴取型オプトインが跋扈しているのは、マーケターがデータ収集症を抑えきれないということか。

リアルの世界では、初対面でそれほど根掘り葉掘り訊ねたりしているのは、おしゃべりな理髪店ぐらいしかない。一般的に、嗜好はもちろんプライバシーに関わるような個人情報は、リレーション(関係)を構築しながら少しずつ蓄積していくものだ。それはメールマーケティング(メールマーケ)だって同じだ。

この事情聴取型だけでも手順としては性急なのに、先日、もっとすごいアンケートの設問に出くわした。

ある物販サイトでのこと。
オプトイン手続のアンケート画面で、リズミカルに(そしていい加減に)回答して次々とクリアし(ほとんどテレビゲームと同じだ)、最後の設問にたどり着いたとき、ハタと止まってしまった。そこにはこう書かれている。

▽質問:本日以降、定期的に当サイトでお買い物をしますか?
      ○はい  ○いいえ


ものすごい直球というか、なんというか…。
悲しくなるほどせっかちな設問ではないか。
その物販サイトを利用したのは、普段ひいきにしているサイトでは在庫切れだったから。
たったそれだけの理由で、代わりにそのウェブサイトを訪れただけなのに。

ここでもし「はい」と答えたら、勝手に「優良見込客」に分類されてしまうのだろうか。
これではまるで、「あなたは今後、当店の優良顧客になりますか?」と誓約を求められているような気分になってしまう。

優良顧客(または見込客)かどうかは、ヘンな話(そして当たり前だけれど)、消費者が判断することではなく、売り手である企業が判断することだ。 その判断まで消費者にさせるようなサイトで、常連ヅラなんかしたくない。


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