![]() ![]() ![]() ![]() eマーケットプレースの撤退が相次ぐこの記事のURLhttp://japan.internet.com/wmnews/20030521/8.html
著者:三石 玲子
国内internet.com発の記事
eマーケットプレース(eMP)といえば、もっともインターネットらしいビジネスモデルだ。売り手と買い手が直接向き合うネット販売、あるいは、テナントを集め場を形成するモール形式のモデルは、実店舗、実営業の世界と形は共通だ。自ずとそこに「ネットらしい価値」を付加しなければ成功は難しい。だが eMP はそもそもネットのオープン性を活かした仲介モデル。ネットでなければ実現不可能と言ってもよい。
この eMP の撤退が相次いでいる。鉄鋼関連の日本メタルサイトは今年の2月に撤退を表明。つい先日はやはり鉄鋼業界の eMP スマートオンラインがこの5月で撤退することを表明した。 ここまではよくある話。またもや「負け組」の事例が増えたのか、と見ることも出来る。だが報道レベルだが「撤退理由」がふるっている。いずれも「業界慣習が旧弊で、IT に馴染まなかった」「この業界では eコマースに対する抵抗が強かった」等々。この「言い訳」を当たり前のように口にすることに、そもそも敗因がありそうだ。 そもそも eコマースは、商習慣の不便、不満や従来の実営業、実店舗に対す る不満を解消することで、ビジネスチャンスをつかんできた。自動車販売のネット利用は、従来の「プレッシャーセールス」に対する不満が発展の背景であ った。業界の体質の古さ、旧弊さこそビジネスチャンスであったのだ。この2社の言い訳は、ビジネスコンセプトやマーケティング力不足を棚に上げ、「市場」に責任転嫁をしているに過ぎない。「活字離れ」が進んでいるから、ネットで本は売れないのだ、と言っているようなものである。 ECom(電子商取引推進協議会)の調査報告書(e-マーケットプレース委員会 報告書)によると、eMP の日本での事例数は、99年は4件、2000年は96件、2001年は40件となっている。要するに、一時的にわっと盛り上がり、あっという間に熱が冷めたという状況である。ちなみに前述の2社もいずれも2000年創業だ。 両者の特徴はいずれも商社の「呉越同舟」体制であることだ。スマートオン ラインに関しては、三井物産、三菱商事、日商岩井等が参加。この3社で上位 6商社売上の鉄鋼国内売上の6割を占めると豪語していた。日本メタルサイト の方は、伊藤忠、丸紅、住友商事等が関わる。推察するに、当時の「ブーム」 の中で「遅れてはならない」との意識があったことは否めないだろう。 業界を横断するビジネスコンセプトとはいえ、呉越同舟で成果を収めた事例 は少ない。「言い訳」どおり、業界体質が旧弊で IT に馴染まなかったとするな ら、その基礎ニーズ調査を怠ったマーケティングプランに問題があるはずだ。 どちらのサイトも決してユーザビリティのレベルは高くなかった。この種のモ デルの成功例は必ず、「会員数の自己増殖作用」が起こる。そのきっかけとな るようなメリットもなかったように見受けられる。折角ネット適性の高い「ビ ジネスモデル」も、こうすれば「確実に失敗する」との見本のような事例だろ う。 記事提供:M&M研究所
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