たとえば、図のような仕組みを用意すれば、
どの ID を持ったメールが表示(=開封)されて、
どの ID を持ったメールが表示されなかったかを把握することができます。
また、上図の f で cookie を発行する場合、
これを追跡することで、ユーザーが会員登録した、購買行動を起こした、
などの情報を取得することもできます。
この効果測定 ID を仕込んだ画像が
Web ビーコン(Web バグ)と呼ばれるものです。
デザイン上の汎用性を重視し、1ピクセルの透明 GIF など、
ユーザーが視認しにくい画像を使うケースが一般的です。
Web ビーコンのリスク
Web ビーコンはマーケティング的にはきわめて強力な仕組みであり、
うまく活用できればメールマーケティング効果を大きく向上できるものですが、
その反面、
自社顧客の意図を越えてプライバシーに踏み込んでしまう危険性もあります。
HTML メールにおいては、
配信側がメールアドレスと対応した ID を準備しさえすれば、
「受信者の同意なしに」「個人特定可能な形で」情報収集することが可能です。
ここに、HTML メールと Web ビーコンを組み合わせた場合の危険性があります。
当然のことながら、
プライバシーポリシー記述と Web ビーコン利用形態に矛盾がある場合、
顧客の信頼を裏切ることになってしまいます。
2003年5月30日に公布された個人情報保護法では、
情報取得目的の特定、通知、目的外利用の禁止が義務として定められていますから、
プライバシーポリシー構築時に Web サイトでの利用しか考慮していなかった場合、
メールでの利用まで考慮した見直しを早急に行う必要があるでしょう。
また、この Web ビーコンを悪用している最たる例が、
迷惑メールにおける利用です。
ランダムに生成されたリストに対して Web ビーコン入りのメールを送り、
反応のないアドレスを削除するだけで、
簡単に有効なアドレスのリストを作ることができます。
日本ではまだ少ないようですが、
米国からの迷惑メールでは Web ビーコン入りのものが一般的になりつつあるようです。
徐々に進む Web ビーコン対策
米国での迷惑メール業者による Web ビーコン濫用をうけて、
対策も徐々に進んでいます。
Microsoft の Outlook や Hotmail などでは、
HTML メールに含まれる画像を表示しない機能の標準化が進んでいます。
こうした機能を利用すると、
アドレスリストに登録してあるアドレスからのメールはそのまま画像を表示しますが、そうでないメールでは「画像を表示する」と書かれたリンクをクリックしない限り、
画像は表示されません。
画像が表示されない限り、Web ビーコンも機能しません。