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Webマーケティング2003年10月21日 00:00

メールと社内力学

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テキストメールを使った顧客コミュニケーションのノウハウがすでに蓄積されてきた、という企業は多いと思います。 今回はそんな、 メールマーケティングに「慣れてきた」場合に陥りやすいミスについてお話しします。

雑多な内容が盛り込まれてしまう

Web サイトについても同じことが言えるのですが、 メールが「顧客と自社と結ぶチャネルのひとつである」という事実は、 自社内のさまざまな部署から「これを顧客に伝えてくれ」という圧力を受けることを意味します。 特に、メールマーケティングの経験が蓄積され、 その効果が社内的に認知されている場合は、 受ける圧力はより強いものとなりがちです。

テキストのEメールの場合は DM などの紙のメディアと異なり、 内容追加時にかかるコストはきわめて小さいため、 メッセージの絞込みがおろそかにされがちです。 また、内容が文字列のみであるために雑多な内容/メッセージを盛り込んでしまったことに視覚的に気がつきにくい、 という特性が、その傾向をさらに強化してしまいます。

こうした経緯でメールの内容に雑多な内容が盛り込まれていくと、 ユーザーが受け取るメッセージはどんどん不明確になっていきます。

メールのメッセージ明確化だけで数十%もの効果向上

エンドユーザがメールを読む理由は、 そこになんらかの認知/利得などのベネフィットを「期待」しているからにほかなりません。 なにがベネフィットなのかというメッセージが不明確であると、 個々のメールへのレスポンスが低下するばかりか、 長期的にはユーザーの開封率の低下にもつながっていきます。

上記のことだけ見ると、 ごく当たり前のように思えてしまいますが、 視点を変えてみると、 メールマーケティングの効果改善のヒントを見つけることができます。

実はこれは、 既にメールのメッセージが曖昧になってしまっている場合、 ここを改善するだけで大幅な効果向上が見込める、ということなのです。 弊社の事例では、 顧客とのコミュニケーションのフックとなるメッセージを適切に強調し、 それ以外の要素を整理して抑え目にすることで、 クリックスルー、 購買などの指標がそれぞれ数10%から100%程度向上することが確認できています。

この過程はむろんテキストメールだけでも可能ですが、 内容がビジュアル化されることでユーザーへのベネフィット向上が見込める場合は、 HTMLメールを導入することでさらに上乗せが期待できます。 逆に、こうしたメッセージの明確化作業なしにただ HTML メールを採用しても、 大きな効果向上が見込めないのは言うまでもありません。

他社との熾烈な競争を生き延びるためのメッセージは何か?

ついつい忘れてしまいがちですが、 顧客のメールボックスの中には他社のメールもたくさん届いています。 そのなかで顧客に読まれ続けるには、 独自性のあるメッセージを明確に顧客に伝達し続けることが不可欠です。 いくらメッセージを明確にといっても、 ただ「買ってくれ」では当然見向きもされません。 明確化したメッセージが顧客ベネフィットに明確に結びつくことが重要なのです。

この顧客に届けるべきベネフィット/メッセージの構築が、 社内力学によって不明確になりそうな場合、 適切な権限をもった上司の力を借りて自社のメールのメインメッセージがブレないように調整の機会を持つ、 というような対策も必要になってくるでしょう。

「なんだそんなことか」と思われるかもしれませんが、 実は弊社が参加させていただいた案件の中でも、 意外とこの点が見過ごされているケースは少なくないのです。

最近メールがエンドユーザーに読まれていない、 と感じるメールの担当者は、 テキストか HTML メールか、 というフォーマットの前にまずは頭の中をまっさらにして、 自社メールのメッセージと顧客ベネフィットについて考えてみることをお勧めします。最近の傾向では、 これらを整理した複数のメールマガジンを使い分けるケースも多くなってきています。こうした「メールポートフォリオ」の考え方については、 また別の機会にお話したいと思います。

(執筆:阿部樹、監修:塚田耕司)




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