メールマーケティングにおけるユーザーエクスペリエンス構築を考える今回は、メールマーケティングにおいて「ユーザーエクスペリエンス」という概念をどう捉えるべきか、
という話をしてみたいと思います。
■ユーザーエクスペリエンスとユーザビリティ 「ユーザーエクスペリエンス」という言葉は、 お聞きになったことがある方も多いかと思います。 これは、なんらかのプロダクトを評価する際に、 そのプロダクトを使ってユーザーがどのような体験をするかに焦点を当てる場合に使われる言葉です。 また同じように、 「ユーザビリティ」という言葉も耳にすることが多い言葉です。 これはユーザーエクスペリエンスのなかでも、 「使いやすさ」に焦点をあてた言葉です。 双方とも重要な概念ですが、 例えば Web サイトを差別化するためには、 ユーザーにどのような「エクスペリエンス」を提供するか、 という視点から考えることが欠かせません。 テレビなどの広告がわかりやすさだけでは成り立たないように、 Web サイトも、 「ユーザビリティ」のみを重視し「エクスペリエンス」の設計を忘れた Web サイトでは、 コミュニケーション内容が限定されてしまいます。 ただ、もちろんそうは言っても、 伝えるべきメッセージが伝わらなくては意味がありません。 そこで、理想的なユーザーエクスペリエンスを構築するために、 ユーザビリティをどう設計するか、 という議論になるわけです。目的と手段の関係ですね。 図1
■メールにおけるユーザーエクスペリエンスとは? しかし、 「メール」という媒体においては、 まだまだこうした視点でコミュニケーション設計を行っているケースは多くないようです。 これは日本における「メール」もしくは「メールマガジン」という媒体が、 個人的なメッセージを伝えるものとして受容されてきたという経緯が影響しているでしょう。 企業の発行するメールにおいても、 担当者個人のパーソナリティを前面に出すケースが多く、 その効果もある程度期待できることが多いようです。 ただ、企業の発行するメールにおけるユーザーエクスペリエンスの構築という視点から考えると、 「メールマガジン=担当者のパーソナリティを前面に」という考え方から離れて、 ひとまわり広い視野から考える必要があるのではないかと思っています。 その考え方では、 ユーザーがメールを通じて体験する内容が、 担当者のパーソナリティという狭い枠に限定されてしまうからです。 ■プロモーションキャンペーンでメールを利用する事例を考える 例えば、ある商品のプロモーションキャンペーンを設計するとしましょう。 伝えるべきブランドメッセージが明確になり、 キーとなるクリエイティブを制作しました。 テレビ広告やチラシ、店舗などさまざまなチャネルで、 そのクリエイティブを使用してプロモーションを行っていきます。 その時、メールでこれをどのように告知することができるでしょうか? 例えば下記のようなクリエイティブでは、 下に挙げるような限定された場合を除いて、 ユーザーに提供できる体験が制約されるデメリットの方が大きくなってしまうケースが多いでしょう。 図2
上記のようなクリエイティブが有効なケース ・「私信っぽさ」を強調したメールとして、常に他と差別化ができる ・執筆者の個性で強く読者をひきつけることができる ・かけられるコスト/期間が少ないため、定型的に処理する必要がある ■メール内容の構築には実はもっと豊かな発想が可能 メールのクリエイティブは、さまざまなものが考えられます。 担当者個人のパーソナリティを生かしてキャンペーンへの思い入れや裏話を語るお馴染みの手法が最適な場合もあるでしょうし、 他のチャネルで使用しているメインコピー、 ボディコピーを利用してテキストを構成する手法がいい場合もあります。 もちろん当サイトで紹介しているように HTML メールを利用すれば、 他チャネルと共通のビジュアルを生かしたクリエイティブを作ることもできます。 図3
もちろんこの場合でも、なにが伝えるべきメッセージの核なのか、顧客にとってのベネフィット、自社にとってのベネフィットはそれぞれ明確なのか、という点だけは確たるものにしておく必要があります。 広告のクリエイティブ制作と同様、メールのクリエイティブ制作も自社の/商品のブランドを作るコミュニケーションチャネルとして利用できるのだ、ということを意識すれば、メール媒体の力はもっと活用の幅が広がるでしょう。 ■なにを選択するかは考え方次第 上で述べたクリエイティブの選択肢は、 マーケティング/ブランド戦略の視点から決めうる問題であり、 一概にどれが優れていると言えるものではありません。 ターゲットに対して最適であるか否かの違いがあるだけです。 豊かなコミュニケーションを許可している顧客への粗末なテキストクリエイティブは明らかにユーザーエクスペリエンスを損ないますし、 望まない相手へのリッチすぎるクリエイティブの使用も、同じことです。 自社でメールコンタクト可能な顧客リストに対して、 どのようなクリエイティブのメールが、 最適なユーザーエクスペリエンスを生み出すのか。 メールマーケティングはそのような観点から設計すべきなのではないでしょうか? このとき、ユーザビリティという点では劣ると指摘される HTML メールも、 強力な選択肢のひとつとなりうるケースも少なくない、 というのが私たちの考え方です。 今回話した内容に、 顧客リストの性格をコントロールするものとしての「パーミッション」を有効活用していく考え方を組み合わせると、 さらに積極的にメールマーケティングを活用していくことができます。 特に HTML メールを利用しようとすれば、 意識的にパーミッションを活用することが必須となります。 このパーミッション活用の考え方についてはまた別の機会にお話させていただきます。 (執筆:阿部樹、監修:塚田耕司)
記事提供:HTML メールマーケティングガイド
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