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2004年2月19日 00:00

ネットコミュニティを活用した製品開発手法(2)

前回に引き続き、メーカーや各種サービス事業者が、製品/サービスの新規開発に当たり、世の中に既に存在するネットコミュニティを活用していく方法を論考する。

3.アンケート、パネルリサーチなどによる、ネットコミュニティ利用者に対する能動的なナマ声収集

すでにネットコミュニティに書き込まれた内容を分析していく方法に加えて、ネットコミュニティ利用者に対して質問を投げかけていくことによって、能動的にナマ声収集をしていく方法もある。

受け身のナマ声収集と異なり、より突っ込んだコメントを集めたり、仮説検証型の質問をしたりすることができる。

一般的に、ネットコミュニティの利用者は、口コミ情報を自ら発信したり、熱心に調べたりするのが好きな人たちだ。新しモノ好き、オタク、当該分野の市井の評論家・研究家であり、仲間内や職場内で「今度、○△を買おうと思っているんだけど、どこのメーカーの何ていう製品がいいかな?」と相談されるような人たちだ。

決して、量販店の店頭で店員に薦められるがままにモノを購入するようなことはあり得ない。つまり、普及曲線上のイノベータ、アーリーアダプタである。



普及曲線は、新しいプロダクト、テクノロジ、ソリューション、ライフスタイルなどが、世の中全体に普及していく過程をグラフ化したもの。普及率が、イノベータとアーリーアダプタを合計した16%に達した時点で、普及していくスピードが爆発的に加速していく、とされている。

これらのイノベータ、アーリーアダプタに対して集中的にアンケート、パネルリサーチを行いたい場合は、ネットコミュニティを利用することで、一般的なネットリサーチサービスを利用するよりも、より効率的に実施することができる。

シンプルにやろうと思えば、ネットコミュニティ上にバナー広告を出稿し、自社サイト内にあらかじめ設置したアンケートフォームに誘導し、集計・分析すればよい。回答者の中から抽選でプレゼントを贈呈することにしておけば、多くの回答を獲得することができるだろう。

より本格的に行うのであれば、ネットコミュニティ事業者がユーザーをパネル化(ユーザー属性を把握した上での会員組織化)している場合もあるので、どのような方法を取りうるのか、相談してみるとよいだろう。

また、活発に書込みを行うユーザーの背景に、膨大な数の読むだけのユーザー(ROM = read only member)が存在していることも忘れてはならない。この種のアンケート、パネルリサーチは、ROM からも効率的に情報収集することができる。

4.ネットコミュニティと、共同での製品/サービス開発

より深化した方法として、ネットコミュニティと共同で製品/サービスを開発する、という方法もある(より正確に表現するならば、連携相手は、ネットコミュニティ事業者ではなく、ネットコミュニティのユーザーと言うべきである)。

新しい製品/サービス開発のプロセス、組織体制は、企業によってまちまちであろう。しかしながら、コンセプト設計から具体的な機能の詳細、インターフェースの詳細を詰めていく段階ごとに、多かれ少なかれ、グループインタビュ等の各種調査を実施し、市場の声をフィードバックしつつ進めて行く方法が一般的なのではないだろうか。

ここで取り上げる方法は、「段階ごとに都度、市場の声を聞く」のではなく、「市場の声に、製品/サービス開発のプロセスに参画してもらう」という方法である。開発の段階ごとに社内で行うべきブレスト、ディスカッションを、テーマを投げかけて、ネットコミュニティ上の特設コーナーにて、コミュニティユーザーに展開してもらうのだ。

社内で煮詰まった会議を重ねても決して出てこないような斬新なアイディアが得られるかもしれない。

代表的な事例としては、コスメの口コミサイト、@cosme が運営している商品企画室というコーナーが挙げられる。

自社 Web サイト内にコミュニティ機能を構築して行うやり方もあるが、多額のコストをかけてシステム構築、プロモーションを実施して会員を一から集め、誹謗中傷・荒らし等と闘いながらサイト運営を行っていく覚悟と忍耐が必要だ。その前にまずは、既存のコミュニティサイトとの提携を模索してみてはいかがだろうか。

(記事提供:価格.com)

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