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2004年2月24日 00:00

100パーセント読まれる文章

近ごろ仕事机の左側に目を向けると憂鬱だ。 その原因は左奥の隅に佇んでいる年賀状の束にある。

今年こそ、年賀状が届いたら間を置かずに住所録のデータ更新を行おう。 そうすれば年末に半ば徹夜でデータ更新する必要もない。 仕事始めの日にそう心に誓った。

ところが実際はどうか。 未だ一件もデータ更新できていない。 左隅でじっとうずくまる年賀状。 きっとこのまま年末を迎え、 結局は例年と同じパターンに陥るのだと思うと憂鬱になる。

ところで届いた年賀状を手にしたとき、 どのような順番で目を通しただろうか。 じつはメールマーケティングに通じる大きなヒントがあるので、 ここで一緒に振り返ってみたい。

郵便ハガキは手のひらに乗る紙片のオモテ・ウラ面という単純な構成から成る。 このシンプルな媒体を読むのに、 うやうやしいマナーや仰々しいルールがあるわけではない。 それでも一定の行動パターンは存在する。

職場や家庭などで受取人が複数になる場合は、 まずは宛先で選別作業。続いて差出人、裏面の順に目を通す。 最近は差出人が裏面に記載されるケースも増えてきたものの、 それでも効率を考えると目の動きは概ねこの順番になる。

年賀状におけるメインステージは裏面の本文ということになるが、 そこにある文章は2種類に大別することができる。

ひとつは刷り込まれている定型の印刷文。 「旧年中は格別のご厚情を〜」とか「本年も倍旧のご愛顧のほどを〜」といった、 昭和の時代から脈々と受け継がれてきた文字列である。 最近はオリジナルな印刷文も増えてきたとは言え、 マスコミュニケーションであることには違いない。

そしてもうひとつは、 そんな印刷文の横に添えられている手書きの文章である。 「昨年はプロジェクトでご指導いただき本当に助かりました」とか 「一緒に暖めてきたあの企画を今年こそ実現しましょう!」といった、 差出人と受取人の関係性があって初めて成立している文章だ。

不思議なもので、 年賀状の定型の印刷文は読んだかどうかさえ怪しいけれど (今年の年賀状の印刷文で、 今でも覚えている文章を3つ挙げることができますか?)、 この手書きで添えられた文章はほぼ必ず目に留まるし、つい読んでしまう。 おそらく100パーセント読まれている文章といっていいのではないか。

さてメールマーケティングである。 定型の印刷文ようなマスマーケティング的な文章が読まれにくい(もしくは読まれない)のは、年賀状と同じことだ。 メールが最大のマーケティング力を発揮するのは、 カスタマー リレーションシップ マネジメント(CRM)のエッセンスが効果的に盛り込まれたときである。 そのエッセンスこそが、 年賀状の「手書き」文章に相当するわけで、 効果的に取り入れることができれば100パーセント読まれるメールへと近づいていくに違いない。(執筆:鶴本浩司 メールマーケティング専門コンサルタント)


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