日本市場にも波及、中国独自の3G規格 TD-SCDMA は今後……日本のモバイル ブロードバンドで、中国の安い携帯端末が日本に大量流入してくる可能性が指摘されている。
2004年1月末に開催された総務省の「IMT -2000技術調査方策作業班」会合で、シーメンスジャパンから中国の独自規格である第3世代(3G)携帯電話「TD-SCDMA」、イーアクセスから TD-SCDMA の改良版とされる「TD-SCDMA(MC)」の2方式が新たに提案された。 TD-CDMA にこれら2方式を加えて、日本では国内方式の新たな1席をめぐり激しい議論が展開されることになる。 日本の国内方式にも大きく影響することになる中国の TD-SCDMA の動向は、それだけ注目される。「中国 IT 白書2003-2004」(2003年10月、株式会社サーチナ編著)によれば、中国では3Gサービスの開始は遅々として進まず、標準規格においても、TD-SCDMA は W-CDMA と cdma 2000 の世界的な2大規格を前に明らかな劣勢を強いられてきた。 しかし、最近になってメーカーの TD-SCDMA に対する動きが活性化している。先日、中国の最大手 IT 企業である聯想集団(レジェンド/レノボ)が、TD-SCDMA 開発の先頭に立つ大唐電信(ダタンテレコム)と共同で R&D センターの設立を発表。さらに、シーメンス・モバイルと華為技術も、TD-SCDMA の製品開発で合弁会社の設立を発表している。 かつて、これらのメーカーは TD-SCDMA の研究開発を行う傍ら、W-CDMA に注力してきた。この「股がけ」は、TD-SCDMA に不安を抱くメーカーの露骨な態度を示していたといえる。 しかし、「TD-SCDMA 産業聯盟」である中国メーカーが合弁会社を設立して TD-SCDMA に注力することにより、TD-SCDMA の産業化が一気に加速するとの見方が強まっている。 また、その一方で、TD-SCDMA はその苦しい立場から W-CDMA を中国標準とした上でその補完役になるという、昨年から続く論調が高まっていることも事実だ。W-CDMA と TD-SCDMA は技術上、85%の互換性があるとされ、GSM 協会がすでにこの補完案で「TD-SCDMA 産業聯盟」と接触を開始しているとも報じられている。 しかし、この W-CDMA 側の動きには、中国政府の全面的なバックアップを受ける TD-SCDMA を自陣営に取り入れたいという戦略も見え隠れしている。 中国市場では、3G スタートに向けてメーカーは積極的に研究開発を行っている。しかし、政府が3G 解禁に慎重な態度を持ち続けるため、一向に実質的な進展をみせていない。 昨年は04年こそはいよいよ3G 解禁と叫ばれたが、現在、すでに来年以降にずれ込むとの報道も出ている。 現時点で、日本のモバイル ブロードバンドで TD-SCDMA 方式の採用を促すほど、中国市場の TD-SCDMA は成熟していない。 しかし、外資系を含めたメーカーがいまだ不透明な中国市場への反発から、市場を日本に移して TD-SCDMA の採用に積極的に働きかけることも十分あり得る。その時こそ日本市場が中国の3G展開をけん引する構図が形成されるかもしれない。 (執筆:サーチナ・吉田雅史) 関連記事 関連テーマ 最新トップニュース
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