【チャイナサーベイレポート】ロレアルがローカルブランドを続々と買収〜苦境に立たされるP&G〜
2004年1月28日、フランスロレアルグループは米国コティグループ傘下の化粧品ブランド「羽西」を正式に買収した事を発表した。ロレアルグループは2003年12月に著名なローカル系化粧品ブランド「小護士」(「小さな看護婦さん」の意味)ブランドを買収し、業界を騒がせたばかりである。今回の羽西ブランドの買収で、中国において苦手な領域であったミドル・マス市場の攻略に向けて大きな布石を打ったことになる。 ロレアルグループは1997年に中国市場に参入して以来、欧米企業らしい綿密で長期的な市場調査活動を行い、その結果に基づいて市場のセグメント分けを行った。そして LANCOM、VICHY、BIOTHERM、L’OREAL、MAYBELLINE 等10種類ものブランドを市場に投入して来た。その結果、この7年間で急成長を遂げ、2002年度の売上高は1997年度の売上高の5倍に達した。 しかし業界内では、ロレアルはプレステージ市場のブランドの充実ぶりに比べミドル・マス市場のラインナップが比較的弱いことが指摘されてきた。今回、低価格化粧品として大衆に親しまれている小護士ブランド、商品開発力に定評がある低中価格化粧品ブランドである羽西ブランドを買収したことで、市場に大きな変化が起こる事が予測される(羽西の価格帯は MAYBELLINE と同等)。 実は業界内部では、ロレアルと並んで欧米系化粧品の大手である P&G が羽西を買収するであろうと見られていた。中国の化粧品市場において P&G が有している主要なブランドは SKII と OLAY のみとパイも少なく、ロレアルに対抗するために近いうちに有望なローカル系化粧品メーカーを買収するのでは、と噂されていた事情がある。そのような大方の予測を裏切ってロレアルが羽西を買収したため、P&G は今後の市場規模拡大が見込まれるミドル・マス市場で苦境に立たされることになる。 とはいえ、ロレアルグループの現在の中国における売上高の合計が、同グループの世界市場における売上高合計の1%に過ぎないことを考えると、この2社の中国化粧品市場における攻防も、まだ前哨戦にさしかかったばかりであるともいえる。 ※ 参考資料 好きな化粧品ブランド 「MAYBELLINE」「AVON」「L’OREAL」「SK-II」が人気 (チャイナサーベイ調べ) ![]() ・全体では「MAYBELLINE」が39.5%と最も高く、次いで「AVON」35%、「L’OREAL」28.5%、「SK-II」27.6%、「VICHY」26.1%。 ・「MAYBELLINE」「AVON」「RED EARTH」は20代前半で、「L’OREAL」「LANCOME」は20代後半で人気がある。また、「SK-II」「VICHY」は年代に関係なく人気がある。 ・流行先導タイプでは「LANCOME」は「オリジネータ」「イノベータ」に、「CHANEL」「SK-II」は「イノベータ」に人気が高い。 <好きな化粧品ブランド(女性限定)に関する調査要領> (1)調査地域 中国16都市(北京、重慶、アモイ、廣州、深セン、ハルビン、武漢、南京、無錫、蘇州、大連、青島、西安、上海、成都、天津) (2)調査対象 当社インターネット会員20歳〜39歳までの女性 (3)調査期間 2003年7月下旬〜8月中旬 (4)調査統括機関 株式会社サイバーブレインズ (記事提供:サイバーブレインズ) 関連記事 最新トップニュース
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