ネットのクチコミが果たす役割とは?――NCBC 第一回セミナー開催2004年3月31日、ネットコミュニティビジネスコンソーシアム(NCBC)は、「インターネットのクチコミが果たす役割」と題し、設立後初めてとなるセミナーを開催した。
このセミナーは、各社のケーススタディや識者の調査データを用い、ネットコミュニティを通した消費者行動や、ネットコミュニティを活用したビジネス展開の可能性について探ろうというもの。 東京大学院修士課程の小笠原盛浩氏は冒頭の講演で、ネットコミュニティにより企業と消費者の関係に変化が起こり、従来「企業 対 消費者個人」であったところが、「企業 対 消費者群」に変化するだろうと述べた。 またケーススタディとして、NCBC の発起人企業でもある、みんなの就職株式会社、株式会社カカクコム、株式会社ベネッセコーポレーションが発表を行った。 みんなの就職は、コミュニティ運営者はユーザーをひとまとめにせず、知る姿勢を大事にすべきであるとし、また今後コミュニティを開始する人に向かって「基本的にコミュニティは儲からない」から、安易に始めないほうがいいと注意を促した。
カカクコムは、雑誌記事等の評価ではぱっとしなかったデジカメが、同社のクチコミの中で評価を受け掲示板にリンクが大量に貼られた件や、メーカーが積極的に告知しなかったネガティブな詳細仕様についてクチコミで悪評が広まった件などを紹介し、クチコミが、良いものが正当に売れ、悪いものは売れない完全競争市場を実現につながるのではないかと述べた。 また、メーカーが想定していなかった使われ方をして、ヒットにつながった興味深い例を取り上げた。デジカメ用の HDD である大容量マイクロドライブが、あるメーカーの MP3 プレイヤーを分解することで手に入ることがクチコミで広がり、爆発的に売れたということだ。 ベネッセコーポレーションは自社の事例を解説し、ネットコミュニティーの成功の要因は、集客のやり方、コミュニティーの仕組み、フラットな関係にあるとし、またコミュニティーで「驚き」を得られることが、ユーザーに経験価値をもたらしているという見解を示した。 閉会の挨拶では、株式会社アイスタイルの代表取締役社長兼 CEO の吉松徹郎氏が、「各社が一同に集まったことで、議論が深まり、本質に流れていることが見えやすくなった。今回、消費者が個人ではなく、群として確実に市場に影響を与えているということが分かった。今後、ネットコミュニティがどう社会に影響を与えていくのかまで検討したい」と締めくくった。
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