![]() ![]() ![]() ![]() 【チャイナサーベイレポート】中国人ITベンチャーが逆進出この記事のURLhttp://japan.internet.com/wmnews/20040423/7.html
著者:株式会社サイバーブレインズ 谷本 秀一
国内internet.com発の記事
〜メムシック・インク、無錫で MEMS チップを生産〜
中国で帰国中国人ベンチャーによる先端デバイス製造が始まろうとしている。 MEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)チップの開発・生産を行なうメムシック・インク(本社:米国マサチューセッツ州)が、中国の無錫市で加速度センサーと周辺回路の CMOSIC をワンチップ化した MEMS チップの生産を開始した。 メムシックの趙陽 CEO は、米国の MEMS 業界誌「スモールタイムズ」で活躍中のビジネスリーダーの一人として表彰を受けた人物である。海外に流出した優秀な中国人のベンチャー企業が中国に逆進出するケースが増えている。日本人の知らないところで、世界先端の技術を駆使したデバイス製造が中国でも始まろうとしている。 メムシックの MEMS チップの加速度センサー部分は、チップ内のシリコン基板上に温度差のある気泡構造を有する。衝撃により生じる気泡の空間的なズレを温度検知し、このズレを計算処理することで加速度センサーとして機能する仕組みになっている。センサーの周辺回路部分は検知した衝撃をデジタル信号として出力し、メムシックはこれらの機能すべてのワンチップ化に成功している。 製造は加速度センサーと周辺回路部分に分けて行なわれる。メムシックが加速度センサーを製造し、周辺回路の CMOS 工程とパッケージング工程は外注化される。このような内製化と外注を組み合わせた「セミ ファブレス」と呼ばれる製造形態をとることで、量産価格を既存品の半分以下に抑えることを可能にしている。 加速度センサー内蔵の MEMS チップをノートPCに組み込めば、センサーが衝撃を検知してハードディスクの回転を止め、クラッシュ率を低減することが可能になる。 すでに IBM がノートPCへの搭載を決めている。他には、モバイル端末の小さな液晶画面の自動スクロールや、プロジェクターの傾きの自動補正、自動車のエアバックなどの分野でも導入が検討されているという。 中国は「世界の製造工場」といわれて久しいが、「世界の組立工場」というのが実状である。高価なデバイスを購入して組立てるだけでは、加工賃程度の儲けしか手にできない。 これからはセットではなくチップで儲けるのがエレクトロニクス業界の常識である。特にデジタル家電の分野で、この傾向が強い。デジタル家電は製品寿命が3ヶ月といわれ、90年代カルチャーの国際分業体制(ICの回路設計、前工程、後工程、セット製品の企画開発、最終組立)で、バラバラにアウトソーシングしていたのでは、旬を逃してしまう。 ICはシステム・オン・チップ化が進み、製品の機能が一つのチップに凝縮される傾向にあり、心臓部のICは知的財産の塊でもある。つまり、デジタル家電時代は、チップを制したものが勝つということになる。メムシックのようなITベンチャーの中国進出により、高付加価値な半導体チップを中国でも生産するようになる時代が始まろうとしている。 (記事提供:サイバーブレインズ) |