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2004年5月11日 00:00

メールならではのマーケティング力。

メールマーケティングとは即ちメールマガジン(メルマガ)で、 メルマガがすべてと思われがちだが、 実際のところメルマガはその一部でしかない。 顧客関係管理(CRM)の観点からすれば、 むしろメルマガ以外のほうが、 メール特有のマーケティング力を発揮していることが多い。

例えば宿泊予約サイトの「お帰りなさい」メールがある。

サイトを通して宿泊予約をすると、 旅行や出張から帰宅したその当日に「お帰りなさい」とメールが届く。 予約時に入力したチェックアウト日に基づき、 帰宅日に合わせて送信されるあのメールだ。

この「お帰りなさい」メールから始まるコミュニケーションは、 顧客との関係性を強化する絶好の機会でもある。 だから「ご宿泊はいかがでしたか?」といった切り出しで顧客満足度アンケートへと誘導したりする。

ところが一方で、 ここでの関係性構築のシナリオが中途半端なことが多いのも事実である。

出張の宿泊を手配に予約サイトで手配したときのこと。 予約後その宿泊施設に到着してみて、 実際はサイト上の美辞麗句の説明とは大きくかけ離れたシロモノであることがわかった。 施設はボロボロで食事も絶望的な味であり、 それでいて宿泊料は高級旅館並み。 つまりビジネス的に言えば「費用対効果が最悪」であった。

この「不満足感」を誰かにぶちまけたい。 そんな思いで帰宅後にパソコンを立ち上げると、 その宿泊予約サイトから「お帰りなさい」メールが届いていた。続いて「ご宿泊はいかがでしたか?」。

迷うこともなく顧客満足度アンケートページに進み、 不満足の内容を評価ボタンで選択しながら回答した。

顧客満足度アンケートページで回答してから2週間経過した。 それ以降どうなったか。 じつはその予約サイトからは何のコミュニケーションもない。 つまりサイト側が組み込んだ関係性のシナリオは、 顧客がアンケートに記入した段階で完了ということだ。

せっかく顧客がメールを軸にした双方向のコミュニケーションに応じているにも関わらず、 ここで断線してしまうのは、なにかもったいなく感じてしまう。 一見、企業は顧客との関係性に沿って双方向のコミュニケーションを演出しているように見えるが、 じつは企業の論理による「一方的な双方向」の域を超えていないのではないか。 顧客から宿泊施設の感想や評価を吸い上げて、それでおしまい。

ごく当たり前のことを敢えて述べると、 メールをはじめとしたインターネットは双方向のメディアである。 これは企業にとってだけでなく顧客にとっても同じこと。 それならば双方向の機能を活用して関係性を高めてはどうだろうか。

例えばアンケートページで顧客が回答したのなら、 それに対する感謝のメールを送る。顧客のエンゲージを高めるいい機会だ。 またもしそのアンケートの回答が不満足を示すものだったなら、 予約サイトとしても至らずに残念である旨のメールを送信してもいいし、 次回の予約の際はこんな機能を利用して宿泊施設を選択してみては、 といった提案をしてもいいかも知れない。 いずれもシナリオ設計をおこなえば自動化することができる。

メールマーケティングの実践においては、 メールならではのマーケティング力を引き出したい。(執筆:鶴本浩司 メールマーケティング専門コンサルタント)


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