このデータ結果は、ハイアールの PC 分野に対する期待を示す以上に、「ハイアール」という中国ナンバーワンのブランドに対する消費者の信頼と受け取ることができる。そして、このブランド力こそ競合他社が最も恐れているところでもある。
調査で断トツの1位となった聯想(レノボ)は、2004年に入り大規模な再編を決行した。1年前に「Legend」から「Lenovo」に変更したブランド名を、英語社名にも採用。誰もが世界市場を視野に入れた再編ととらえたが、その予想に反して国内市場重視の計画を打ち出している。これは、デルや IBM など海外大手の猛烈な追い上げに、長らく君臨してきたトップの座が危ぶまれてきたからに他ならない。
この聯想とまったく対照的な路線で攻略を図っているのがハイアールだ。同社は最近、フランス市場に5,500台、オーストラリア市場に5,000台の「ハイアール」ブランドによるノート PC を輸出。中国で「走出去(海外進出)」のパイオニアといわれるハイアールからすれば、白物家電で培った海外戦略を PC 分野でもフルに発揮できる。
オーストラリア市場では、同社は今年4月にメルボルンのプロバスケットボールチームとスポンサー契約を締結。そして、同地での販売代理店は契約チームの筆頭株主である。さらに、同チームのスター選手を PC 販売のイメージキャラクターとして起用。中国では、海外戦略を知り尽くした同社にしかできない芸当だ。
ハイアールは海外市場から囲い込むように中国市場を攻め落とす計画だ。海外に出たくても出れない聯想にとって、「先を越された」という焦燥感が募る。そして何より、そのプライドが大きく傷つけられたといってもいいだろう。聯想はもともとノート PC が弱点といわれる。そのノート PC に注力するハイアール。両社の戦いの火蓋はすでに切って落とされている。