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2008年9月6日
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Webマーケティング2004年8月31日 00:00

中国:自国ソフト産業擁護の動きで泥沼化、外資の反撃は?

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中国政府や企業がソフトウェアを調達する場合、自国のソフトウェアの製品を優先的に購入しなければならないとする法整備で、今、中国のソフト業界が揺れている。これは自国ソフト産業を過度に保護することになり、長期的展望に立てば、ベンダーを弱小化してしまう恐れがあるとして、海外を中心に、中国政府がこの政策を撤回するのではないかとの報道が流れたのがきっかけだ。

そもそも中国では、20世紀後半から、ソフトウェア産業に対する重視を鮮明にしてきた。ソフトウェア産業に対しては、第10期5か年計画(2001-2005年、15)において、「情報産業成長の核心」として位置付け、「国民経済情報化の基礎」とし、ソフトウェア産業は、一貫して国の重視と支持を受けてきている。これと歩調を合わせる形で、中国でも独自のシステムインテグレーション(SI)認定を進めるなど、「ソフト強国」に向けて発進した。

2000年、国務院が「ソフトウェア産業と集積回路産業の成長奨励に関する若干の政策」、いわゆる“18号文献”を公布したが、これは優遇政策によって、ソフトウェア産業の成長を奨励し、中国のソフトウェア産業を新たな段階へと突入させる重要なポイントとされる。また、これに続いて、2002年、国家情報化事務局は「ソフトウェア産業振興に関する行動要綱(2002年〜2005年)」、いわゆる“47号文献”を公布、具体的な措置によって、ソフトウェア産業を活性化し、中国のソフトウェア産業に新たな活力を注入する試みとなった。

重要な節目節目でソフトウェアに対する重視を明確にし、その具体的な目標や優遇策を提示することで、中国政府はソフトウェアを戦略的なものとして位置付け、この自国産業の活性化を国策の高みに引き上げた。OS の国産化、つまり脱マイクロソフトを 目指し、Linux を大胆に導入するというのも、安全保障上の考慮を含めて、国策の重要な一環として組み入れることを視野に入れている。

中国では、技術力不足、あるいはそれに伴う海外に対する巨額の特許ライセンスの支払いからの脱却を目指して、各分野において「中国発の中国独自の知的財産権」確立に向けて、動き始めているが、ソフトウェアの分野でも例外ではない。自国ベンダーに対する活性化政策はすでに既定路線となっている。一方で、消費者レベルでは、依然として海賊版の利用が普遍的で、Linux に対する認識は低レベルなままにとどまっているのは、サーチナが行なっている中国一般消費者に対する調査結果からも明らかだ。

この矛盾を抜本的に解決するため、つまり、ソフトウェア分野における中国独自の強い産業を構築するための構造改革が必要であり、その一環として、自国ベンダーにさらに便宜を図ることで、体質を改善、それによって、消費者レベルの意識の変革をも促そうという動きが出始めている。そのてこ入れとなるのが、日本円にして1兆−2兆円ともいわれる中国のeガバメント市場へ中国ベンダーを優先的に参入させるというものだ。

これら莫大な市場に流れる資金のうち、少なく見積もっても20−30%は純粋にソフトウェアに向けられることが想定される。この資金の大部分を中国ベンダーに吸収させることによって、中国ベンダー各々が体力を増強することで、外資の進出が激しいものの、市場規模にして、中国eガバメント市場の数倍は考えられる中国企業向け市場へも向かわすことができる。こうした思惑があって、2004年7月、国務院の呉儀・副首相が、ソフトウェア産業の今後の発展について言及、国策として、自国産業の保護を推進していく方針が示された。

政府高官による発言を受けて、中国のソフトウェア産業が色めき立ったのもつかの間、8月半ばに、今度は外電として、「中国政府が提出する予定だったソフトウェア産業育成のための優遇策が、見送りとなる模様。長期的にみた場合、産業の発展をかえって阻害するというのが理由」と報じられた。これに反発したのが、中国科学院の研究員である倪光南氏だ。「中国政府によるソフトウェア産業の育成方針は明らかであり、政策撤回及び変更はありえないし、するべきではない」というのがその主張。

倪氏は一貫して、中国のソフトウェア産業の政策制定に関わってきた。持論としては、端的に、中国のソフト産業はインドのような輸出型を目指すのではなく、莫大な内需を支えに、中国独自の、世界に新たな規格や標準を発信できるほどの実力を備えるべき、というもの。当然 Linux 推進者であり、反マイクロソフトの急先鋒でもある。倪氏による、そうした反論がなされて間もなく、マイクロソフト(中国)は8月後半、「中国ソフトベンダーとしての資格を得ることができる」とし、中国政府調達のソフト供給の資格があると宣言するに及び、政府調達と中国ソフトベンダーの保護育成という問題は泥沼の様相を呈してきた。

外電通り撤回されるかどうかは不透明だが、当初8月中に示されると予定されていた、中国国産ソフト擁護に関する政策、あるいは法整備は見送られた形。ただし、中国が政府を中心に、本腰入れて国産ソフトを擁護していこうという姿勢に変化はない。利用実態はともかく、中国の地方政府の中では、調達 OS で Linux を採用、オフィスソフトやそのほかのソフトウェアでも中国国産ソフトを採用するところも増えてきている。今回のマイクロソフト(中国)の提言もその一例だが、危機感を募らせる外資による反撃も今後見逃せないファクターになる。

(執筆:サーチナ・有田直矢)
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