Webマーケティング 2004年10月12日 00:00

中国:不調の国産携帯、「国慶節」販促は効果があるのか

著者: 株式会社サーチナ 執筆:サーチナ・中村彩
2004年10月12日 00:00 付の記事
□国内internet.com発の記事

10月1日は「国慶節」と呼ばれる現代中国の建国記念日。これを記念して約1週間の大型連休となる。連休中は人々の購買意欲も高まるようで、北京市場監視測定システムの統計によると、1日から3日までの市内のデパート及び百貨店28店舗での売上高が、前年同期比3.9%増の2.6億元となった。スーパーチェーン26店舗では同4.4%増の1.9億元、レストラン29店舗では1,600万元となり、「衣食」の消費総額は4.6億元に達する。

携帯電話販売も、2003年の「国慶節」に販売台数が300-500%増加したことから期待が高まっている。

携帯電話販売店によれば、国産携帯メーカーは現在、少なくとも3,000万−4,000万の在庫を抱えている。こうした不調の最たる原因は、海外の携帯電話メーカーが2004年に入って、中国国産携帯価格に接近するほどの低価格攻勢をかけてきたこととみられる。

株式会社サーチナが、関連会社である上海新秦信息諮詢有限公司(上海サーチナ)を通じて2004年5月に実施した移動体通信に関する意識調査では、「中国メーカーと海外メーカーのどちらの端末を選びますか」との質問に対して、「海外メーカー」との回答は4割強、中国メーカーは3割弱となった。これは Nokia、Motorola、Sony Ericsson、Samsung など 中国でも人気の高い大手メーカーが値下げを断行し、国産メーカーは販売シェアを奪われた形を示す。

例えば中国国内携帯最大手の波導(バード)は2004年2−8月、前年と比べて新機種発売を大幅に減らし、毎月1‐2機種にペースダウン。波導は昨年、新機種40種以上、販売台数1,500万台以上という目標を発表しているが、その達成は「すでに困難だ」という見方がもっぱらだ。

中国の携帯3大メーカーに数えられている科健(カジエン)の関係者は、在庫拡大の原因は2003年の各ブランドの急成長、OEM による機種の大量出現だと考えている。その上で、「在庫処理が必ずしも国産携帯産業に良い結果をもたらすとはいえないが、成功すれば最初の業界再編に直結する」との見解を示している。

また、ある業界関係者は、中心都市を粘り強く開拓すること、輸出を拡大すること、2番手3番手となりうる市場を開拓する以外に、国産メーカーに生き残りの道はないと主張する。

こうして迎えた携帯電話市場の「国慶節」だが、人気実力ともにナンバーワンの家電系 IT 企業である海爾(ハイアール)が全ラインで値下げに踏み切っている。「中国 IT 白書2004−2005(サーチナ、2004年10月)」によれば、中国 IT 企業トップ100ともいうべき電子情報産業企業ランキングでは、売り上げベースで2位の聯想(レノボ)に2倍近く引き離して首位を独走した海爾であるが、白物家電の雄も携帯という新境地開拓に弾みをつけた。

同じく家電系 IT 大手で、上述の電子情報産業企業ランキングでは、海爾と聯想に次ぐ第3位の TCL は、最新機種であるカメラ付き携帯を値下げした。また、新製品の購入に特典をつけるといったキャンペーンを展開したメーカーも多くみられた。国産携帯電話の主要メーカーの一つである康佳(コンカ)の場合、こうしたキャンペーンに1,000万元を投じたとされる。

しかしこれは所詮、販売台数を拡大させるというその場しのぎの対策でしかなく、不調の原因として指摘されている在庫圧力、市場競争の激化、販売手段の単一性という構造的な問題の解決にはならない。

この現状に対して康佳の黄仲添・元総経理は、中国の独自性を発揮することを提案している。国産メーカーは今後「カラーテレビのように、中国独自の研究開発を行ってコストを下げ、低価格で海外市場に乗り出すべきだ」とする。同時に、日本や韓国の例を挙げ、欧米メーカーのようにコア技術を持っていなくとも、デザインや機能が優れていれば携帯電話産業が発展する可能性があると述べる。中国独特のニーズに応じた中国メーカーならではのデザイン設計で市場に再攻勢をかけ、産業再編を実現することを説いている。

(執筆:サーチナ・中村彩)
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