基礎通信業務への外資参入解禁をためらう外資企業2004年12月11日から、北京市、上海市、広東省・広州市における、固定通信、移動体通信、衛星通信などの基礎通信業務が外資企業に対して開放されることになっている。しかし合弁会社設立への動きは、なかなか見えてこない。
中国政府が基礎通信業務を開放するのは、3年前の WTO 加盟時の合意に基づく。合弁会社設立に際して、外資による出資比率は25%まで認められることになる。2006年には比率が35%まで、2007年には49%までの出資が認められ、同時に地域に関する制限も撤廃される見通しだ。 しかし12月7日の時点で、中国情報産業部電信研究院通信政策研究所の陳金橋・所長が明らかにしたところによると、申請があったのは1社のみ。具体的な企業名は伏せられているが、無線サービス関連の会社とみられる。 中国政府は、基礎通信業務を国の安全保障に絡む領域と捉えており、これまで外資企業の参入を厳しく制限してきた。また政府が、 中国が知的財産権を所有する第3世代(3G)携帯電話規格の TD−SCDMA を推奨しているため、国際規格を採用している外資企業にとっては参入しにくい市場であることは間違いない。 さらに、中国における体系的な「電信法」は、立法に10年以上の時間をかけているのにもかかわらず、いまだ正式に発表されていないというのが現状だ。現在のところ、『中国 IT 白書2004−2005』(サーチナ、2004年10月)の巻頭特集「中国 IT 産業と条例の動向」にあげられている「中華人民共和国電信条例」が、電気通信に関する基本条例とされる。こうした法整備の遅れも、外資企業進出のネックになっているとみられる。 こうした状況に加え、中国の通信業界の現状は、四大通信キャリアである中国電信(チャイナテレコム)、中国聯通(チャイナユニコム)、中国移動(チャイナモバイル)、中国網通(チャイナネットコム)が市場の98%を寡占している。そのため、新規参入してもシェアを獲得できる余地はほとんどないとする見方が強い。 しかも、四大通信キャリアは、すべて香港市場に株式を上場させている。したがって、外国企業にとって、中国市場に参入しようと考えるならば、株式購入を通じて資本参加する方法もある。しかも、12月11日から認められる合弁設立では、外国企業の資本比率は25%までという、かなりきびしい制限が残っており、あえて新会社を作るメリットは少ないという分析もなされている。 (執筆:サーチナ・中村彩) 関連記事 最新トップニュース
|
|