Webマーケティング2005年4月21日 10:00
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TFT 業界の現状と課題(1)〜データ編〜

この記事のURLhttp://japan.internet.com/wmnews/20050421/8.html
著者:株式会社サイバーブレインズ 谷本 秀一
国内internet.com発の記事
PCのモニターのブラウン管型から液晶型への移行が進みつつあり、液晶テレビの出荷も、2004年はやや伸び悩んだものの、依然として上向き傾向にある。この傾向は中国でも同様で、急速に FPD(フラット・パネル・ディスプレイ)の市場が拡大している。しかし、拡大しているのは市場だけで、生産面では日本、韓国、台湾の「パネル3強」に大きく遅れている。世界規模の家電メーカーが何社いようとも、パネルの生産面で主導権を握らなければ FPD 産業での地位はいつまでたっても上昇が見込めない。ここでは、中国の FPD 産業の中で、特に TFT-LCD(薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)の現状と課題を指摘する。

FPD の調査機関の米ディスプレーサーチによると、2004年の大型 TFT-LCD パネル(10インチ型以上)の出荷枚数は1億3,850万枚に達した。液晶テレビ用パネルの出荷の伸びが著しかったが、全体では液晶モニターおよびノートブック型PC用のパネルが約9割を占めている。国・地域別では、5,840万枚を出荷した韓国がシェア42%で首位となり、続いて台湾が5,650万枚、シェア40%となっている。日本メーカーは液晶テレビ用パネルに注力しているため、全体でのシェアは大きく下降している。

メーカー別では、韓国のサムスン電子が3,080万枚でトップで、LGフィリップス LCD が2,760万枚、台湾の友達光電(AUオプトロニクス)が1,870万枚と続いている。韓国勢が1位と2位、台湾勢が3〜6位と8位など、「韓国2強、台湾5強」と称される大手パネルメーカーが上位を占めた。

さて、中国勢はというと、昨年末、第5世代パネル生産ラインを試験稼動した京東方グループが300万枚で第10位に入っている。しかし、首位のサムスンの10分の1という比べ物にならない規模だ。

今年の世界のパネル出荷枚数は、昨年比49%増の2億640万枚になる見通しだ。台湾がシェア43%で、韓国を抜いて世界一に躍り出るもよう。ノートPCの需要増の後押しが大きい。中国は、京東方グループが昨年比2倍以上増の620万枚、上海広電 NEC 液晶顕示器(上海広電と NEC の合弁会社)が100万枚とされる。しかし、市場の拡大には追いつけず、全体からみれば少量生産メーカーという位置付けは否定できない。

上海広電 NEC の楊栄華・業務副総経理は、「中国は巨大な内需市場がある。また、組み立てなどの川下工程の拠点が中国に移っており、将来的な発展が見込める」と今後に楽観的な見通しを示す。だが、この見方が100%正しいとはいえない。巨大な市場があるから生産も増加する、というロジックは白物家電などの製造業にいえることだ。ハイテクを駆使するパネル産業には当てはまらない。中国で現地メーカーのPCや液晶テレビがシェアを高めているといっても、その部品であるパネルは外国メーカーからの供給がほとんどだ。それゆえ、原料価格の左右が小売価格にも響くことになり、価格の決定権は外国メーカーが裏で操作できることになる。

一方、「川下工程の拠点集積」は現状をよく言い表している。例えば、台湾パネルメーカーは、川上工程の対中投資規制が厳しい反面、後工程モジュールなどの生産拠点を続々と中国に移管してコスト削減を図っている。台湾第3位のパネルメーカー、中華映管(CPT)は2004年12月、モニターメーカーの冠捷科技(TPV テクノロジー)と合弁で福建省福清に液晶パネルの後工程モジュール工場を建設することを発表した。同第2位の奇美電子(CMO)は、中強光電(コアトロニック)と合弁の浙江省寧波の後工程モジュールが今年第4四半期にも稼動予定だ。この川下工程の中国進出は、将来的に中国のパネル産業を下支えするとの指摘は道理に合っている。

中国のこのほかの課題は資金面だ。パネル産業は何十億ドルという巨大投資が必要なハイテク産業のため、政府単位でバックアップしなければ産業の勃興は難しい。中国は、北京で京東方、上海で上海広電 NEC というように、各地政府の肝いりによるパネルメーカーが立ち上がっているが、資本投下は韓国や台湾のそれと比べて見劣りする。資金が少ないということは、次世代パネルの工場建設でも遅れをとることになる。

韓国や台湾は第6世代および第7世代の計画が進み、一部生産も開始しているが、中国はやっと第5世代が立ち上がった状態。次世代大型工場の良品率が向上すれば、第5世代が「時代遅れ」になってしまい、小型パネルの量産化などに活路を見出すほかない事態に陥りかねない。パネル産業の拡大を目指す中国にとって、ネックとなる問題はあまりにも多く、大きい。
(記事提供:チャイナサーベイ



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