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3Gライセンス発行遅れの裏に「民族携帯」めざす思惑一時は今年5月に発行されるとも噂された第3世代(3G)携帯電話のライセンスが、さらに遅れる気配をみせている。通信キャリア関係者の間では、中国政府のライセンス発行は2007年にずれこむという見方が濃厚。しかし、早期発行一辺倒だった業界には、「2007年の発行でも遅くはない。中国には中国なりの事情がある」として、むしろ慎重な姿勢を支持する流れが生まれている。
中国の3Gライセンス発行時期をめぐっては、世界最大の通信市場であるだけに世界中で憶測を呼び、注目を集めている。しかし、中国政府は未だにタイムスケジュールを明らかにしていない。政府としての見解が述べられたのは、情報産業部の王旭東・部長が「3Gサービスの開始は2008年になるだろう」とした一言のみだ。 そのため、関係者の多くはライセンス発行時期を2006年中と予想。その根拠は、全国的なネットワーク建設には2年程度の時間が必要だとするものだ。しかし、中国電信(チャイナテレコム)のある関係者は、「王・部長は、2008年に全国的展開をするとは言っていない」と指摘。それでも、政府としては国の威信をかけて2008年の北京オリンピック(北京五輪)までには開通させる必要があるため、「北京を中心とする一部の都市で、局地的な3Gネットワークを構築するだろう」というのだ。 ライセンス発行時期をめぐっては、早期推進派と慎重派に分かれており、業界内部だけでなく企業内部でも意見が分かれている。慎重派は、「中国が独自に開発した TD-SCDMA 規格が性能的に成熟するのを待つべきだ」などと主張。TD-SCDMA は、すでに世界中で採用されている W-CDMA や cdma2000などと比べて5年は遅れているとされ、技術的に水をあけられることを懸念する声は強い。 また、2005年は電信・通信業界再編の年と言われる。電信業界では、中国電子信息産業集団公司(CEC)が南京熊猫電子集団(南京パンダ)ら7社を買収して総資産700億元(約9,800億円)とも言われる中国最大の電子グループが誕生したばかり。通信業界でも、六大キャリアの再編についての噂が再燃しているところだ。 TD-SCDMA 開発の中心的存在である大唐電信(ダタンテレコム)は7月末、「TD-SCDMA は大規模な構築に対応できる能力を備えている」として、8月には商用基地局の生産に入ることを表明。立役者のダタンテレコムが基地局とはいえ TD-SCDMA 設備の量産を開始すると公表したことで、業界では「そろそろか」との憶測も流れた。 ダタンテレコムの関係者は、ライセンス発行が2007年にまでずれ込むことはないだろうとみている。あくまで、「中国政府と関係各社は技術と政策の両面で最終的な準備を整えようとしている」というのが主張だ。 一方、米 IT 調査会社のガートナー社のアナリストは、ライセンス発行時期を2007年とする見方に同調。「関連企業の準備を整えることが先決だ」としている。 2005年に入ってから、ノキアなど世界的大手の携帯端末メーカーは、中国各地に3G研究開発(R&D)センターを設置している。しかし、中国にとってみれば、TD-SCDMA は中国独自の規格であるだけに、端末の生産も中国系企業主体で進めていきたいという思惑があるのはむしろ当然のこと。中国100年の通信史における最大の成果といわれるTD-SCDMA。国を挙げて「民族携帯」の実現をめざす。 (執筆:サーチナ・齋藤浩一)
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